<■354行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> 中間貯蔵の調査容認 対立構図続く町、なお波乱含み 2023/8/18 19:47 https://www.sankei.com/article/20230818-EVT6HCW5TVKUHGBSEDBXQYJLPA/ 中国電力と関西電力が山口県上関(かみのせき)町で共同開発を目指す原子力発電所の使用済み核燃料の中間貯蔵施設を巡り、西哲夫町長が2023年8月18日、調査を容認する意向を表明した。 中国電は同日、文献調査を開始。 現地調査の準備も進める。 ただ、同町は原発誘致を反対派が阻止してきた経緯があり、中間貯蔵施設の調査が順調に進むか波乱含みだ。 西町長は、中国電側に 「戸別訪問や住民説明会などにより丁寧に情報提供すること」 「町民から要望があれば先進地の視察研修を検討すること」 などの条件を付けた。 現地調査は町最大の島、長島にある中国電の所有地で地質調査やボーリング調査などを約半年かけ行う。 調査開始までには 「町に森林伐採の手続きを取るなど準備に1カ月はかかる」(同社)。 順調なら調査は計算上、今年度内に終わる。 人口約2300人の同町は漁業と農業が中心で少子高齢化が進む。 町財政が厳しい中、調査が始まれば県と町に年間1.4億円、知事の同意後は9.8億円が2年に渡り国から交付される。 調査予定地近くで民宿を営む女性(75)は 「中間貯蔵ができて(工事や維持管理の)宿泊客が増えれば、少しは営業が楽になる」 と話した。 町は昭和63年9月、中国電に原発の誘致を申し入れた。 ところが建設の賛否を巡り町が二分。 東京電力福島第1原発事故の直後に中国電は準備工事を中断した。 令和4年10月の町長選では原発建設の是非を争点に一騎打ちになり、推進派の西氏が約70%の得票率で初当選。 しかし、 「原発の建設予定地が見える位置にある祝島(いわいしま)の住民は9割が反対」 とも言われる。 中間貯蔵施設にも対立構図は引き継がれ、調査が無事に進むか不透明だ。「生活守る」「悔しい」 山口・上関、原発政策で揺れる町 2023/8/18 19:25 https://www.sankei.com/article/20230818-ZEIETO7N4NLVVIMQIXC3CRYTOI/ 使用済み核燃料の中間貯蔵施設を巡り、建設に向けた調査容認を表明した山口県上関町。 40年以上前に原発の誘致を表明したものの、計画は停滞している。 国策に翻弄され続け、今は人口減少に喘ぐ町。 現状に危機感を募らせる西哲夫町長は2023年8月18日、記者会見で 「町民の生活を守っていかないといけない」 と述べ、苦渋の決断だったと強調した。 反対派は手法が強引だと批判を重ねた。 昭和57年に約6900人だった人口は、2023年7月末時点で2310人まで減少。 原発関連の交付金も、東京電力福島第1原発事故後の工事中断で減額され、町の財政は逼迫する。 西氏は臨時議会後の会見で 「現実を直視する必要がある」 「感情論でこの町は耐えられない」 と訴えた。 反対派の清水康博町議は臨時議会で異論を唱えたが、容認の流れは変わらなかった。 庁舎外で待ち受けた住民に 「言葉が届かず本当に悔しい」 と語った。 町長囲まれ30分役場に入れず 反対派住民から怒号 中間貯蔵調査 山口・上関 2023/8/18 12:10 https://www.sankei.com/article/20230818-JCYMYNYPWZL3DLYPEFAMK5OEAU/ 使用済み核燃料の中間貯蔵施設建設に向けた調査を受け入れるか―。 山口県上関町議会は2023年8月18日、各町議が意見を陳述する臨時議会を開いた。 町長が役場に到着すると、反対派の住民らが約30分間車を囲み、怒号が飛ぶなど騒然となった。 西哲夫町長は午前8時半頃、車で役場に到着。 反対派の住民らが 「核のごみを持ち込まないでください」 と書かれたプラカードを抱え、車を囲んだ。 地面に倒れる住民や警察に排除される住民もいた。 西町長は午前9時から始まった臨時議会の冒頭で調査を受け入れる考えを示した。 1階の中継モニターから臨時議会の様子を見守った住民らは反対派の3人の町議が意見を述べると拍手で応えた。 一方、賛成派議員は、中国電から町議への説明会が反対派住民の阻止によって中止となったことに 「賛成、反対は個人の自由だが、他者の権利を阻害することがあってはならない」 と述べた。 上関町長、「中間貯蔵施設」建設調査を容認 中国電に方針伝達 2023/8/18 10:28 https://www.sankei.com/article/20230818-6K6IKYIJKRIQVGBYZ5XEMLW6XA/ 中国電力と関西電力が共同開発を目指す原発の使用済み核燃料の中間貯蔵施設をめぐり、山口県上関町議会は2023年8月18日、臨時議会を開き、西哲夫町長が建設に向けた調査を容認する意向を表明した。 「町は急速に疲弊が進み、就任以来強い危機感を抱いている」 と述べた。 終了後、中国電に容認方針を伝えた。 中間貯蔵施設は使用済み核燃料を再処理するまでの間、一時保管する施設。 上関町にできれば青森県むつ市に続いて2例目となる。 西町長は 「建設と調査は別」 との見解も示した。 採決はされなかったが、町議10人のうち明確に反対意見を述べたのは3人だった。 終了後に記者会見し、中間貯蔵施設について 「最終処分場になるとの考えは持っていない」 と述べた。 東京電力福島第1原発事故の影響などで中国電の上関原発計画は停滞。 代替の地域振興策を町が2023年2月、中国電に要望していた。 中国電が2023年8月2日、中間貯蔵施設を関電と共同開発したいと町に申し入れた。 山口 上関町 使用済み核燃料 中間貯蔵施設建設 調査受け入れ 2023年8月18日 19時34分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230818/k10014166331000.html 中国電力が山口県上関町に提案した使用済み核燃料を一時保管する 「中間貯蔵施設」 の建設をめぐり2023年8月18日臨時の町議会が開かれ、西哲夫町長は建設に向けた地質などの調査を受け入れる考えを表明しました。 調査は関西電力と共同で実施され、実際に建設されれば全国で2か所目になります。 中国電力は2023年8月2日、原子力発電所で使い終わった核燃料を一時保管する 「中間貯蔵施設」 の建設に向けた調査を関西電力と共同で上関町にある中国電力の敷地内で行う意向を明らかにしました。 これを受けて2023年8月18日午前9時から上関町で臨時議会が開かれ、はじめに西町長が 「町の人口は年間で100人減少し、高齢化率も中国5県で一番高い状態だ」 「このままでは住民支援策も近い将来できなくなる」 「持続可能なふるさと上関町を次世代に繋げることが私の使命で、中間貯蔵施設の調査を私としては受け入れる考えだが議員の意見をうかがい、総合的に判断したい」 と述べました。 続いて10人の議員全員が意見を述べ、採決は行われませんでしたが、10人のうち明確に反対を表明したのは3人にとどまりました。 これを受けて西町長は町として中間貯蔵施設の建設に向けた調査を受け入れる考えを表明しました。 町は午前11時前に中国電力にファックスで調査受け入れを回答したということです。 原発から出る使用済み核燃料について、政府は再処理してプルトニウムなどを取り出し、再び燃料として利用する 「核燃料サイクル」 と呼ばれる政策を掲げていますが、青森県六ヶ所村にある再処理工場は、トラブルなどで完成が大幅に遅れていて、全国の原発では、使用済み核燃料の保管場所の確保が課題になっています。 特に関西電力は、既にプールの8割以上が埋まっていて、地元・福井県から使用済み核燃料を県外に搬出するよう求められ、2023年中に 「中間貯蔵施設」 の候補地を確定させると約束していました。 政府も 「中間貯蔵施設」 の建設を進めるため、交付金を設けるなどして支援しています。 実際に上関町に建設されれば全国で2か所目になります。 ■西哲夫町長「調査に4つの条件」 山口県上関町の西哲夫町長は議会のあと報道陣の取材に応じ、中間貯蔵施設の建設に向けた調査にあたって4つの条件を守るよう中国電力に申し入れたことを明らかにしました。 具体的には ▽安全や環境に配慮し、一般の交通に支障ないよう注意することと、 ▽町民に対して引き続き情報提供を行い、町民から要望があれば先進地の視察研修の実施を検討すること、 ▽具体的な計画が策定できたら町民に対し説明会などを開いて丁寧に説明すること、それに ▽周辺自治体にも情報提供を行うことを求めています。 その上で、 「議会で町民への説明が足りないという意見があったが、今回はあくまで調査の受け入れであって、施設の建設を容認したわけではない」 「調査が行われている間に不安な人は説明を受けてほしい」 と述べました。 ■西村経産相「地元に寄り添いしっかりと支援」 西村経済産業大臣は談話を発表しました。 この中で西村大臣は 「上関町で中間貯蔵施設の立地可能性調査が開始されることは、 国のエネルギー政策にとって重要だと考えている」 「政府としても、地元に寄り添いしっかりと支援していく」 「今後、中国電力には、安全の確保に万全を期しつつ、 周辺市町も含め、丁寧な説明を行って頂きたい」 「その上で、国も中国電力と共に前面に立ち、地元の意向も踏まえながら、原子力政策に関する理解の促進に主体的に取り組んでいく」 としています。 ■中国電力「丁寧に対応」 中国電力は 「環境保全に十分に留意しながら安全第一で施設設置に係る調査・検討を進めていく」 「また、町民の皆さまなどへの情報提供などについても、要望などを踏まえながら丁寧に対応していく」 とコメントを出しました。 ■関西電力「必要な対応をする」 調査を中国電力と共同で行う関西電力は、 「中間貯蔵施設の設置にかかる調査や検討について、中国電力の求めに応じ、必要な対応をして参ります」 とコメントしています。 関西電力では今後、現地でボーリングの調査などを半年程度かけて行うとしています。 ■全原協会長 米澤光治 敦賀市長「今後の動向を見守りたい」 全原協=全国原子力発電所所在市町村協議会の会長を務める福井県敦賀市の米澤光治市長は 「原子力施設に関わる事項は何よりもその自治体の判断が尊重されるべきと考えており、今後の動向を見守りたい」 というコメントを発表しました。 ■山口 村岡知事「安心安全が確保されるのか最大の関心」 山口県上関町の調査受け入れについて、山口県の村岡知事は2023年8月18日夕方、記者団の取材に応じ 「町の判断について私が評価を申し上げるのは控えるべきだと思っている」 「私の立場からすれば安心安全がきちんと確保されるのかが最大の関心事だ」 「そうした観点でしっかり見ていきたい」 と述べました。 その上で、現時点では賛成も反対もないとして、県としては中国電力などによる調査が終わり詳細な計画が示された段階で判断する考えを示しました。 また、中間貯蔵施設が建設された場合に関西電力の使用済み核燃料が県内に運び込まれることについて 「色んな不安や懸念が生じるのは当然のことだ」 「当然、事業者の方がしっかりと汗をかいて進めるのであれば理解を得る努力をしなければいけないことだ」 と述べました。 ■福井 杉本知事「推移を見守っていかなければ」 山口県上関町が 「中間貯蔵施設」 の建設に向けた中国電力と関西電力の調査を受け入れたことについて、関西電力の原発が立地する福井県の杉本知事は 「地域毎に色々な課題があるので、冷静に進めて頂ければと思っている」 「これから調査などが進むということなので推移を見守っていかなければいけない」 と話していました。 ■臨時議会での議員の発言は 無所属の柏田真一議員は 「実現すれば工事の発注や物品購入、作業員の宿泊などの仕事が期待でき、町の経済効果が見込まれると期待している」 「町財政の現状を考えれば、調査・検討は早急に了承すべきだ」 と賛成する考えを示しました。 一方、無所属の清水康博議員は 「核燃料サイクルが確立されていないにもかかわらず、よそから使用済み核燃料を持ってくることにかなりのリスクを感じる」 「なぜここまで住民の気持ちに寄り添わず、急ぎ足でことを進めようとしているのか全く理解できない」 として反対の考えを強調しました。 ■反対派 町長囲むなど 役場周辺は一時騒然も 臨時議会開会前の2023年8月18日朝、上関町役場の前では 「中間貯蔵施設」 の建設に向けた調査に反対する住民などが、 「上関に核のゴミは不要」 などとする横断幕を掲げて抗議活動を行いました。 そして午前8時半頃、西町長が役場の駐車場に到着すると、反対住民たちが 「一部の人間で全てを決めるな」 などと声を上げて車を取り囲み町長が車から出られない状態となりました。 警察が出動して離れるように呼び掛けましたが、反対する人たちと揉み合いになるなど役場周辺は一時、騒然となりました。 しばらくの間、揉み合いが続き、町長は到着からおよそ30分後の午前9時前に役場に入りました。 ■臨時町議会の傍聴席抽せんの倍率は4.5倍 上関町の臨時議会では開会1時間前の午前8時に傍聴券の抽せんの受け付けが行われ、希望する人たちが詰めかけました。 町によりますと、用意された20席の傍聴席に対して90人が傍聴を希望し、抽せんの倍率は4.5倍になったということです。 ■今後の流れ 今回、町が受け入れを表明したのはあくまで中間貯蔵施設の建設に向けた 「調査」 で、建設そのものではありません。 今後、中国電力と関西電力は、少なくとも1か月の準備期間を経て調査を始め、敷地が中間貯蔵施設を建設するのに適しているのか、半年程度をかけて文献調査やボーリング調査を行うことにしています。 調査の結果、敷地が建設に適していると判断した場合、電力会社が具体的な計画を策定し町などに示すということです。 町としては調査の結果を待ち、結果を基に改めて町議会で議論したい考えです。 実際に建設されれば青森県むつ市に続いて全国で2か所目になります。 ■中間貯蔵施設めぐる課題は 原発を持つ電力会社が 「中間貯蔵施設」 の建設を進めようとする背景には、日本の原子力政策の柱となっている 「核燃料サイクル」 の行き詰まりがあります。 「核燃料サイクル」 では、使用済み核燃料は 「資源」 とされていて、再処理してプルトニウムなどを取り出して再び燃料として使うことが前提となっています。 しかし、再処理を行うことになっている青森県六ヶ所村の再処理工場は、トラブルや不祥事などで完成時期が大幅に遅れ、運転開始の見通しは不透明なままで、各地の原発で発生している使用済み燃料は行き場を失っているのです。 各地の原発にあるプールの容量もひっ迫しつつあり、このうち、国内最多の7基の原発を有する関西電力は、地元・福井県から使用済み核燃料を県外に搬出するよう求められています。 きっかけは、今から26年前の1997年に当時の福井県知事が 「原発の恩恵を受けている消費地と痛みを分け合ってほしい」 として関西電力に県外での中間貯蔵施設の建設を要望したことでした。 その後、歴代の福井県知事もこの方針を引き継ぎ、関西電力は、電気の販売エリアである関西地方などの自治体を中心に建設候補地を探してきましたが、決められずにいました。 そして現在の杉本知事が、全国で初めて運転期間が40年を超える原発の再稼働に同意する2か月前の2021年2月に、関西電力は 「2023年末までに県外での候補地を提示できない場合は、40年を超えて運転する3基を停止させる」 と約束しました。 3基とは、国内で現在最も古い高浜原発1号機と、2023年9月、再稼働を計画している高浜原発2号機、それに、40年を超える原発で初めて再稼働した美浜原発3号機です。 関西電力は、2023年6月には、使用済み燃料のうち5%程度をフランスに搬出する計画を伝え、県との約束を果たしたという認識を示しましたが、福井県は 「県民には分かりにくく、具体性に乏しい」 などとして、計画への賛否などを明らかにしていませんでした。 一方で、中国電力と共同で中間貯蔵施設の建設に向けた調査を行う方針を表明した後は 「関西電力の取り組みが進んでいる印象を持った」 「プロセスを見守っていきたい」 と一定の評価を示しています。 ただ、上関町での建設に向けた調査にはボーリング調査などにおよそ半年かかるほか、実際の建設には山口県の同意も必要になることから、福井県に期限として示していた2023年中に、建設候補地として提示することはできない見通しです。 ■専門家「核燃料サイクル政策 見直しを含めた議論を」 原子力委員会の元委員長代理で原子力政策に詳しい長崎大学の鈴木達治郎教授は、上関町が中間貯蔵施設の建設に向けた調査を受け入れたことについて、 「突然出てきた話で透明性がない」 「上関原発がうまくいっていないことで地域振興のために地元の方は中間貯蔵を引き受けようという話になっている可能性が高いが、実現すればそれなりのメリットはあるかもしれないものの、不透明な立地の進め方だと現地での対立構造が消えず、地元の方々にとっても非常に不幸なことだ」 「なぜ中間貯蔵が必要かということについての基本的な理解がまずないと、なかなか理解が得られないのではないか」 と話していました。 また、関西電力が共同で調査する方針を示していることについては、 「中国電力と関西電力の思惑が一致したということだと思うがなぜ上関町に使用済み核燃料を持って行くことになったのかの説明が十分でなく透明性がない」 「どこでもいいから引き受けてくれる場所があれば持って行きますというやり方をしている限りは、今回の計画がうまくいったとしても不信感が残ってしまい、信頼を裏切るようなやり方だ」 と指摘しました。 その上で、 「再処理工場が動かない限り、使用済み燃料の行き先がはっきりしないので、本来の中間貯蔵の役割を果たせなくなる恐れもあるというのが立地を難しくしている原因だ」 「ずっと長く置かれることに対する不安ではないが、使用済み燃料が現地にとどまってしまう、下手すると半永久的に置いていかれるのではないかというのは嫌だと思う」 「核燃料サイクル政策そのものについて、見直しを含めた議論を行う必要があるのではないか」 と話していました。 遅れる核燃料サイクル 原発運転へ中間貯蔵建設が急務 2023/8/16 19:11 https://www.sankei.com/article/20230816-BLJQCDKRCJLIDN5KXFNS655JTQ/ 国は原子力発電所の使用済み核燃料を再利用する 「核燃料サイクル」 を原子力政策の基本に置く。 中間貯蔵施設は使用済み燃料を再び使えるよう 「再処理」 する前に一時的に保管する施設。 日本原燃が青森県六ケ所村で建設を進める使用済み核燃料再処理工場の完成が遅れている現状では、原発の運転を続けるため中間貯蔵施設の建設が急務となっている。 原発でウランを燃料にして発電することで出る使用済み燃料は、プルトニウムを分離してウランと混ぜた 「MOX燃料」 に加工(再処理)することで再び発電に使える。 「プルサーマル発電」 といい、関西電力、四国電力、九州電力が計4基の原子炉で行っている。 ただ、1993(平成5)年に着工した六ケ所村の再処理工場は、当初1997(平成9)年に完成予定だったが、規制基準への対応などを理由に26回延期。 日本原燃は 「2024(令和6)年度上期の早い時期」 の完成を目指しているが危ぶまれている。 一方、原発は使用済み燃料を敷地内の貯蔵プールに冷却保管し満杯になれば運転できなくなる。 中間貯蔵施設はプールから取り出した燃料を金属容器 「乾式キャスク」 に入れ自然冷却するのが一般的で、プールより安全性が高いとされる。 関電は福井県が求める使用済み燃料の 「県外搬出」 に応じる姿勢を継続。 中国電力も 「(島根県外の)再処理事業者に搬出」 する方針だ。 今回は原発敷地外での施設確保を共通課題とする両社が手を組んだ。 更に使用済み燃料に含まれる高レベル放射性廃棄物を地下に埋設する最終処分場も、2020(令和2)年から北海道の寿都町(すっつちょう)と神恵内村(かもえないむら)で文献調査が行われるなどしている。 核燃料サイクル 国は電力会社任せにするな 根井寿規氏 2023/8/16 18:29 https://www.sankei.com/article/20230816-HJBHH7W4WNP5FJE7IWFCILVNNI/ 山口県上関町で中間貯蔵施設が実現すれば、青森県むつ市の施設に次いで全国2例目となる。 むつ市のケースでは建設時に資源エネルギー庁が地域への説明を丁寧にしていた。 国は電力会社だけに任せず、核燃料サイクルと中間貯蔵の必要性について、国民に粘り強く理解を求める姿勢が大切だ。 中国電力は近く島根原発2号機の再稼働が予定されている。 加えて実質的に新設炉となる3号機の運転が開始された場合、プールの容量が逼迫する懸念があるという判断があったのではないか。 このほか西日本では、関西電力や九州電力などで比較的順調に原発の再稼働が進んでいる。 (中間貯蔵の)具体的な取り組みは電力会社の事情に応じて進められる。 ただ、国のエネルギー基本計画は使用済み燃料対策に 「前面に立って主体的に対応」 するとしており、国の役割が問われている。 中間貯蔵調査 上関町長18日にも判断 原発安定稼働に貢献 2023/8/16 17:43 https://www.sankei.com/article/20230816-PVMTLPIZPBO3HA5D43PNTN5DC4/ 中国電力と関西電力が山口県上関(かみのせき)町で建設を計画している原子力発電所の使用済み核燃料の中間貯蔵施設を巡り、西哲夫町長が2023年8月18日にも、調査の受け入れを容認する公算が大きい。 整備されれば、中間貯蔵施設は東京電力ホールディングスと日本原子力発電が出資する青森県むつ市の施設に続き全国2例目となる。 各原発で使用済み燃料が蓄積する中、西日本の複数の電力会社が利用し得る中間貯蔵施設の設置は、原発の安定稼働に貢献する。 中国電などは瀬戸内海の長島にある同社所有地で約半年間、ボーリング調査などを進める。 中国電が山口県上関(かみのせき)町の西哲夫町長に調査の意向を申し入れたのは2023年8月2日。 2023年8月18日に臨時町議会が開かれ西哲夫町長は議会の意見を踏まえ判断する。 調査に向けた動きは町と中国電、関電の利害が一致して始まった。 町が求めてきたのは中国電による原発建設と、それに伴う国からの交付金だ。 しかし建設の賛否を巡り町が二分され、東京電力福島第1原発事故後、工事は中断。 2023年2月、西哲夫町長が 「新たな地域振興策」 を要請し、中国電から中間貯蔵施設を提案した。 調査が始まれば山口県と上関(かみのせき)町に年間1.4億円、知事の同意後は9.8億円が2年間に渡り国から交付され、着工されれば別の交付金も入る。 一方、中国電は島根原発のプールに使用済み燃料を貯蔵し、2号機が再稼働すれば10年程度で満杯になるという問題を抱える。 ただ、中間貯蔵施設の工事やインフラ整備は単独では困難と判断。 電力販売を巡るカルテル問題を主導した関電にしこりはあるものの、共同開発を持ちかけた。 福井県内で原発6基が稼働している関電も、プールの使用済み燃料は5〜7年で満杯になる。 福井県に 「令和5年末までに県外で中間貯蔵の候補地を確定できなければ、運転開始40年超の原発を停止する」 と約束。 フランスへの燃料搬出計画を示し 「約束はひとまず果たされた」 と説明したが県の了解は得られていない。 政府は安全を確保しながらの原発の長期活用をエネルギー政策の基本に掲げ、2030(令和12)年度の電源構成でも原発を重要なベースロード(基幹)電源と位置づける。 2024年5月には実質60年超の運転を可能とした。 成否の鍵は使用済み燃料を再処理して効率的に使い続ける 「核燃料サイクル」。 ただ、青森県六ケ所村の再処理工場の稼働は遅れ中間貯蔵の能力拡大が喫緊の課題だ。 東日本では青森県むつ市の中間貯蔵施設で2013(平成25)年8月に建屋が完成し原子力規制委員会が審査中。 西日本の原発は関電の6基、四国電力の1基、九州電力の4基が稼働するが中間貯蔵施設はない。 国は 「山口県上関町の中間貯蔵問題は正に国の原子力政策であり、経済産業省が主導でやっていく」(政府関係者) と支援に前向きだ。 山口県上関町での建設が実現すれば、ひとまず核燃料サイクルを 「繋ぐ」 ことが前進する。
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