http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/873.html
Tweet |
※2022年1月4日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2022年1月4日 日刊ゲンダイ2面
【岸田政権はニンマリだろう】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) January 5, 2022
悪魔の原発 「脱炭素」が免罪符の倒錯
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/8xiggoQosP
※文字起こし
正月の風物詩「箱根駅伝」で今年は青山学院大が2年ぶり6度目の総合優勝を果たしたが、テレビ中継で時々映る1台のクルマが注目を集めた。
箱根駅伝に車両提供しているトヨタ自動車の最新BEV(バッテリー式電気自動車)の「bZ4X」が、審判員を乗せる「大会本部車」として、初めて公道を走ったのだ。
「bZ4X」はトヨタが今年、世界発売を予定しているSUVタイプの量産型BEV。これまでトヨタはEVで後れを取っているとみられてきた。世界販売台数(2020年)を見ても、ガソリン車が約77%を占め、EVは0.1%未満だ。
ところが昨年末の12月14日に突然、トヨタはEVの世界販売台数を2030年に350万台にするとブチ上げた。
燃料電池車(FCV)と合わせて200万台としていた従来目標を大幅に引き上げたのだ。レクサスブランドはEVを100%にすることを目指すという。4兆円規模のEV投資も明らかにした。
この背景にあるのが、世界的に加速する脱炭素の流れなのは言うまでもない。
EUの「欧州委員会」は昨年7月、気候変動対策として2035年までにEU域内の新車供給は温室効果ガスを排出しない「ゼロエミッション車」に限定するという厳しい方針を決定。つまり、2035年にはガソリン車もハイブリッド車も原則として販売禁止になる。新車販売できるのはEVとFCVだけになるのである。米国のバイデン大統領も昨年、2030年までに販売される新車(乗用車と小型トラック)の50%以上をEVとFCVにする大統領令を発令。政府車両については2035年までにすべてゼロエミッション車にすることも定めた。
欧米でガソリン車の市場は急速に縮小していく。“世界のトヨタ”がEVへの投資に舵を切るのも必然といえる。
脱炭素の欺瞞と強欲資本主義
世界的なゼロエミッション車への切り替えで自動車による温室効果ガス排出を抑えることは、国際社会が取り組む気候変動問題などSDGs(Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)にとってプラスなのは間違いない。問題は、EVを走らせるには電力が必要ということだ。その電力がどう作られているのか。
各国で化石燃料から再生可能エネルギーへの転換策が取られているが、世界全体の年間発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合はまだ25%程度だ。
そんな中、欧州委が1日、地球温暖化対策に貢献する事業として原子力発電を認定する方針を発表したことが話題になっている。
EUは2050年までに温室効果ガス排出量の「実質ゼロ」を目指し、目標達成に合致する経済活動を「EUタクソノミー(分類)」という制度でリスト化。EUの「グリーンリスト」と呼ばれている。そこに原発と天然ガスを認定するというのだ。
EU加盟国や専門家グループは今月12日までにこの方針について意見を提出。欧州委は今月中に正式に判断を示す見込みだ。「グリーン」な投資先の環境産業として欧州委が正式にお墨付きを与えれば、原発事業にマネーが流れ込む。ここに脱炭素の大きな欺瞞がある。
「欧州委の方針に対し、すでに原発全廃を決めているドイツや、スペイン、オーストリアなど脱原発の加盟国は猛反対していて、そう簡単にはまとまらないでしょう。だいたい、放射性廃棄物など“核のゴミ”の行き場がないのに、原発のどこが持続可能なのか。環境破壊の恐れが大きく、SDGsに逆行するのが原発です。深刻な地球環境も投資対象にして原発にまだ投資を呼び込もうとする強欲資本主義には呆れるほかありません」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)
自民党は原発稼働や新増設を進める議連を設立 |
欧州委の方針は、原発推進への追い風になる。岸田政権もニンマリだろう。東日本大震災で過酷な事故を経験したというのに、政府はいまだに原発を「ベースロード電源」と位置づけている。むしろ、「脱炭素」を免罪符に、事故からわずか10年で原発推進の旗を大きく振り始めた。
菅前政権は「2050年カーボンゼロ」を宣言。そのグリーン成長戦略を口実にして、エネルギー基本計画に「新型原子炉の研究費」を盛り込んだ。自民党は「最新型原子力リプレース推進議連」などを立ち上げ、岸田首相も高市政調会長も総裁選では「小型モジュール炉(SMR)」の建設や核融合炉の研究開発を主張していた。
「原発事故を経験した日本人の感覚では、二酸化炭素より放射能の方が恐ろしいのに、自民党政権は原発回帰に舵を切ろうとしている。日本で再生可能エネルギーへのシフトがなかなか進まないのも、政府が電力会社と原発を守ってきたからです。原発のリスクを一番知っているはずの日本が、経済効率を優先して原発を止めようとしない。ひとたび事故が起きたら廃炉費用や賠償費用、帰還困難などで天文学的なコストが発生することは周知の事実なのに、懲りずに原発の発電コストは安いというマヤカシを振りまいている。これは唯一の被爆国でありながら、核兵器禁止条約に署名も批准もしないのとよく似た構図です。安倍・菅政権を引き継ぎ、脱炭素を隠れミノに原発政策を推し進める岸田首相は、広島選出の首相としてあまりに情けない」(経済評論家・斎藤満氏)
地球温暖化対策にむしろ逆行
岸田首相の筆頭秘書官は嶋田隆・元経産次官だ。日本原子力発電出身だった故・与謝野馨元官房長官の腹心で、福島第1原発の事故後には東電取締役も務めた。岸田官邸が原発推進なのは間違いない。欧州委が原発をグリーン認定すれば、待ってましたとばかりに原発再稼働や新設を進めていくだろう。
発電中に二酸化炭素を放出しない原発は「クリーンエネルギー」という理屈なのだが、ウランを核燃料化する過程では大量の二酸化炭素を出す。原発の建設にだって膨大な二酸化炭素は放出される。
しかも、原発は稼働させると高い温度の排水を海に流すのだ。その量は全国で年間1000億トンとも試算されている。海水は温められると二酸化炭素を大気に放出する。また、海面温度が上がったせいで集中豪雨などの異常気象が多発するようになったとも言われる。そういう原発のどこが地球温暖化対策になるのか。何がSDGsかという話だ。
「原発回帰なんて倒錯している。地球環境を守るために、原発をゼロにして再生可能エネルギーにシフトしていくのが世界の潮流です。本来なら、過酷な原発事故を経験した日本が先頭に立って原発ゼロを推進しなければならないのに、腰が引けているのはなぜか。新型コロナウイルス対策でも『命より経済』の姿勢が顕著になりましたが、結局これが自民党政権の本質ということです。国民の安全安心よりもカネなのです。自民党政権にはできない原発ゼロやジェンダーフリーなどのSDGsな政治を野党に打ち出してほしいが、今はあまりに非力です。原発推進は連合も歓迎でしょうし、国民が声を上げなければ原発依存から抜け出せなくなってしまいます」(五十嵐仁氏=前出)
原発を主人公にしたノンフィクション小説「ごめんなさい、ずっと嘘をついてきました。福島第一原発 ほか原発一同」の著者・加藤就一氏も昨春の日刊ゲンダイのインタビューでこう言っていた。
<脱炭素社会実現をうたい、原発の新増設や建て替えを進める自民党の議員連盟の顧問に安倍前首相が就任しました。安倍氏肝いりの原発輸出は全敗しても、このざまです。「原発ゾンビ」と書きましたが、ほんとにしぶとい方々です>
岸田は再エネのインフラ整備に2兆円超を投資するというが、これだってオトモダチ企業の利権になるだけだ。原発から再エネへの転換をハッキリ打ち出さないかぎり、その場しのぎの原発稼働が続き、国民は常に危険にさらされる。そういう自民党政権に支持を与え続けていいのか。本気で考えないと、貧すれば鈍するを地で行って、悪魔の原発に未来を奪われかねない。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK284掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK284掲示板 次へ 前へ
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/
since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。