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※2021年12月27日 日刊ゲンダイ2面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
【この予算でトクするのは大企業と自民党】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) December 27, 2021
成長は「バラまいた分だけ」という刹那
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/p7R72yYHeg
※文字起こし
「成長と分配の好循環による新しい資本主義を実現していくための予算」だという。
政府が24日に閣議決定した2022年度の当初予算案。一般会計の歳出総額は107兆5964億円と10年連続で過去最大を更新した。だが、この予算案のどこに「新しい資本主義」の萌芽があるのか、「岸田カラー」はサッパリ見えない。
一般会計の歳出総額は前年度当初予算と比べて9867億円増だが、大きく増えたものは1.2%増の社会保障費(36兆2735億円)と2.4%増の国債費(24兆3393億円)、そして1.0%増の防衛費(5兆3687億円)で、いずれも過去最大。ほかの事業費は横ばいか微減で、その細目は前例踏襲が目立つ。国会の議決なしで使えるコロナ対応の予備費も前年度と同額の5兆円を積んだ。
「高齢化で増え続ける社会保障費と国債費はやむを得ないとはいえ、この2つの経費で歳出の約6割を占めている。残りを各分野に少しずつ割り振っただけの代わり映えしない予算案です。107兆円規模に膨らんでしまったわりには、日本経済をどうしたいのかという方向性がまったく見えません。成長分野への予算措置は手薄で、岸田首相が唱える『分配』についても予算案からは読み取ることができない。『新しい資本主義』とは何なのか、目指す方向性を予算案で示してもらいたかったが、これでは今までと何も変わらないとしか思えません」(経済評論家・斎藤満氏)
岸田首相の看板政策だったはずの「デジタル田園都市構想」にしても、菅政権の「地方のデジタル化推進事業」の継承で、予算額もほぼ変わらない。
各省庁が財務省に対して来年度予算の概算要求を出したのは今年8月。その時はまだ菅政権だったという事情もあるが、岸田自身にビジョンがないのだ。
安倍・菅政権と変わらぬ「古い政策」
総裁選で「新しい資本主義」を掲げて勝ち、首相に就任した岸田は10月に「新しい資本主義実現会議」を発足させたが、会議がグランドデザインと具体策を取りまとめるのは来春である。
「会議では、まず『新しい資本主義』を定義するところから始めます。具体策以前の話で、要するに、『新しい資本主義』とは何なのか、総理自身の考えが定まっていないのです」(官邸関係者)
それでよくもまぁ著書に「岸田ビジョン」なんてタイトルをつけたものだが、岸田自身にビジョンも理念もないから、予算案だって何の目新しさもなく、安倍・菅政権の踏襲で既存の「古い政策」がズラリと並ぶだけになる。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「コロナ禍で仕事を失った人や生活困窮者などケアが必要なところへの手当ては後回しにして、防衛費を過去最大に増やしたところに岸田政権の正体が見える。臨時国会で成立した補正予算でも不要不急の武器弾薬を購入しているし、ローンによる分割払いの『後年度負担』もあって、防衛関連費は膨らんでいく一方です。在日米軍の駐留経費負担を『思いやり予算』から『同盟強靱化予算』に名称変更して増額するというのも、言い方を変えてゴマカす安倍元首相と同じ手法です。国民より企業・団体を重視して予算を配分するのも古い自民党のやり方で、来夏の参院選を意識しているのでしょう。企業を潤わせれば、それが票になり、献金になり、自民党に還元される。巨額の税金を使ってトクをするのは大企業と自民党という構図は何も変わっていません」
ここ10年で経験のない成長率3%以上の甘い見通し |
今回の予算案では、大幅税収増も見込んでいる。来年度の税収は過去最高の65兆2350億円になると見積もっているのだ。コロナ後の“リベンジ消費”などで個人消費の勢いが増し、消費税や、業績回復した企業の法人税が増えるとソロバンをはじいている。
税収の前提となる来年度のGDP成長率を名目3.6%、物価の影響を除いた実質成長率は3.2%と試算しているのだが、オミクロン株の感染がじわり広がるなか、あまりに楽観的な見通しではないか。そもそも、日本経済はここ10年間で実質3%成長なんて一度も経験していない。来年度予算案のショボい歳出内容を見る限り、経済成長のタネなんてどこにあるというのか。
実感のない高成長のカラクリを朝日新聞(25日付)が、こう書いていた。
<来年度に税収が過去最高の65.2兆円になると見積もり、その分、新たに発行する国債の額は当初段階で2年ぶりに減るとしている。だが、これを額面通りに受け取るわけにはいかない。
それだけ税収が増えるのは、巨額の経済対策の効果も手伝い、来年度に3%以上という高い経済成長率を見込んでいるからだ。財務省幹部も「超特大のバラマキで投入した金の一部が、税の形で戻ってきただけだ」と自嘲気味に話す。
また、減ったはずの国債発行額も、一体として編成した今年度の補正予算とあわせてみると、景色が異なる。数々の巨額給付金などを盛り込んだ結果、補正では22兆円もの国債を追加発行しているからだ>
補正予算でバラマキが常態化
成立したばかりの21年度補正予算は、コロナ対策を名目に過去最大の36兆円規模に上る。その経済効果は、GDP換算で5.6%程度の押し上げ効果があると政府は見込んでいる。
「大規模な補正予算がなければマイナス成長ということになる。チェックの甘い補正予算で大企業にバラまいて、その分だけ経済成長したように見せるというサイクルは、あまりに刹那的です。18歳以下への10万円給付で巨額のクーポン経費が計上されていたことがいい例ですが、中抜きで企業に税金を落とし、補助金も個人ではなく企業に出す。労働者の犠牲の上に企業が助けられ、企業の利益の一部が税収として国に入ってくるという場当たりが続いている。コロナを名目に1次、2次と補正予算を組むことが常態化していますが、本予算で成長分野や個人に政策経費をかけて、もっと根本的に経済を立て直すことを考える必要があります。岸田首相は就任当初、格差是正に取り組んで分厚い中間層をつくると主張していました。それなら法人税の増税や金融資産課税を打ち出すべきなのに、参院選を考えると言い出せないのでしょう。結局、景気にあまり左右されない消費税が税収のベースになり、低所得者層ほど負担が大きい。岸田政権が『新しい資本主義』などという言葉遊びに興じているうちに、庶民生活は苦しくなる一方で、閉塞感が広がるだけなのです」(斎藤満氏=前出)
大企業は利益を上げても、ため込んで内部留保を積み増すか投資に回すだけなのだ。庶民の暮らしは一向に良くならない。
予算編成の土壇場で、来春から予定されていた雇用保険料の0.2%から0.5%への引き上げも延期されたが、それも国民生活ではなく参院選での与党への悪影響を考えてのことだ。
参院選後、来年10月からは引き上げられる。一方、年金は来春から引き下げられる。
庶民に負担を強いて、日本経済は沈み、大企業と自民党だけが潤う。いつまで、こんな予算編成を続けさせるのか。
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