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都内でも初のオミクロン市中感染! “穴”だらけの拡大防止策「性善説は通用しない」と専門家
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/299241
2021/12/25 日刊ゲンダイ
先手先手というものの…(C)共同通信社
案の定だ。大阪・京都に続き、都内で24日、初めてオミクロン株の市中感染が確認された。首都圏も感染爆発の温床になりかねない。東京都の小池知事は同日の会見で「『こういう年末年始は最後にする』という覚悟で、みんなで取り組んでいく意識を共有したい」などと言っていたが、肝心の感染拡大防止策は“穴だらけ”だ。
◇ ◇ ◇
市中感染が判明したのは、都内のクリニックに勤務する50代の男性医師。現在は入院中で海外渡航歴がなく、ワクチンは2回接種済み。勤務先の職員や家族ら計5人の濃厚接触者はいずれも陰性だった。男性は診察時にフェースガードとマスクを着用しており、患者は濃厚接触者に該当しないというが、都は職員と受診者計約100人にも検査を呼び掛けている。
市中感染を許してしまった以上、問題は「どう感染拡大を防ぐか」だ。都は25日から、希望者全員に無料でPCR検査と抗原検査を実施。速やかな検査拡大は当然としても、一方でオミクロン株感染の有無を調べる都の変異株スクリーニング検査体制は不十分だ。
厚労省が「基本的に新規感染者の全数検査を自治体にお願いしている」(コロナ本部)にもかかわらず、目標に達していない。
都は「(全数検査に向け)数字を積み上げている」(感染症対策部)と説明するが、オミクロン株のスクリーニング検査を始めた今月3日以降、新規陽性者に対する検査件数の割合は、6〜12日が56.6%。13〜19日は77.2%に増えたものの、検査開始から2週間経っても100%に届かず。対象の約4分の1を“放置”した分、オミクロン株の感染状況を把握しきれなかったことになる。
もう2520人 増え続ける濃厚接触者にもてこずり |
都は〈市中感染の監視体制の強化〉をうたう割には動きがノロいうえ、増え続ける濃厚接触者の扱いにもてこずっている。
オミクロン株感染が確認された患者の濃厚接触者は23日時点で2098人に上り、感染疑い患者の濃厚接触者は422人。都は計2520人の濃厚接触者に宿泊療養施設での待機を求めているが、入所者または入所予定者は767人にとどまる。
「濃厚接触者のほとんどが自宅待機を選択している中、自宅待機中に他人と接触しないルールも徹底されているとは言い難い。米国から今月帰国した都内の20代女性が自宅待機中に発症し、その待機中に接触した20代男性が感染判明前にサッカー天皇杯準決勝を観戦していた事例もありました。感染拡大防止に性善説は通用しません。宿泊療養を徹底できず、中途半端な感は否めません」(西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏=感染症学)
ただ、全ての濃厚接触者を宿泊施設に入所させようにも、肝心の施設数は不足気味だ。都は現在の4040室を年内に4200室、年明けには4760室に増やす予定だが、濃厚接触者全員を受け入れると、半分以上が埋まる。このまま感染が急拡大すれば、アッという間に上限に達するだろう。
目標未達のスクリーニング検査や半端な宿泊療養要請に施設と、“穴”が目立つ。最強最速の感染力を持つオミクロン株を相手に太刀打ちできるのか。
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