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※週刊FLASH 2022年1月4日・11日・18日合併号 紙面クリック拡大
国交省・統計不正問題は「岸田首相がネタ元」と囁かれるワケ…安倍晋三氏との関係悪化が背景に
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2021.12.21 06:00 FLASH編集部 Smart FLASH 週刊FLASH 2022年1月4日・11日・18日合併号
安倍氏への “チクチク戦略” が本格化!
「旧政権のことだから、自分に火の粉は及ばないと思ったんだろう。それにしてもあっさり認めすぎやしないか。いまの関係を考えると、首相ないしその近辺が『統計不正』をリークしたんじゃないかと思ってしまうね」(永田町関係者)
12月15日、「朝日新聞」のスクープで発覚した国土交通省の統計不正問題。GDP算出にも用いられる「建設工事受注動態統計」のデータが2013年度から書き換えられ、数値がかさ上げされていたが、岸田文雄首相(64)はその日の国会で即座にこの事実を認め、真相解明を指示した。
この統計不正で争点となるのが、2012年12月からの安倍晋三元首相(67)による第2次政権で掲げた「アベノミクス」との関連性だ。この問題は幾度も官僚の「忖度」が取りざたされた安倍政権批判の “蒸し返し” に繋がりかねない。冒頭の永田町関係者が「岸田首相がネタ元」説を勘ぐる背景には、2人の関係悪化がある。
「総裁選後、露骨に岸田首相は安倍さんを “無視” する方向へ舵を切った。閣僚人事でも、総選挙の候補者調整でも安倍さんは言うことを聞いてもらえず、いらだっている。そんな岸田首相への挑発のためにも『台湾有事は日本有事』発言をしたのだろう」(自民党関係者)
とはいえ、政治部デスクは「安倍さんを追い詰められるといっても、さすがにリーク元は岸田首相ではないでしょう」と話す。デスクが続ける。
「今回の統計不正は、朝日新聞から幾度も取材を受けた結果、国交省が官邸側に『認めざるを得ない』と報告を上げた結果と聞きました。しかし、岸田首相の最近の対応について、安倍派の議員から不満が多いのは事実。
森友学園問題の公文書改ざんで自死した赤木俊夫さん遺族からの訴訟を、国が『認諾』して敗訴で終わらせたのも『野党に攻めさせる根拠を与えた』と、自民党内では怨嗟の声が出ています」
12月15日には岸田内閣の松野博一官房長官(59)が、いまだ倉庫に眠る約8000万枚もの “アベノマスク” について「希望自治体への配布」を明言し、処分に乗り出すことを決めた。こうした安倍元首相へのチクチクとした攻勢の裏に岸田首相を助ける大物の存在が――。
「岸田さんは、いま他派閥も取り込んだ『大宏池会』実現のために、麻生太郎自民党副総裁(81)と距離を近づけています」と自民党中堅議員は話す。麻生副総裁は、ついこの間まで安倍元首相と “盟友” といわれていた。なぜ変節したのか。
これには安倍元首相の身の振り方が関係するという。
「もともと2人は “戦略的同盟” でした。とはいえ、以前まで安倍さんは麻生さんを “兄貴分” と慕っていた。しかし、首相を辞めた安倍さんはいま、自分が “キングメーカー” になろうとしている。麻生さんと地位争いをしている状況なんです。
麻生さんとしては、そこに『大宏池会構想』を持つ岸田首相が現われたのは好都合でした。麻生派、谷垣グループとの結集で大宏池会となるが、実現したら岸田首相は初代会長に宏池会出身の麻生さんを据えるはず。麻生さんにとっても大宏池会は長年の悲願。『向こう10年は宏池会から総裁を出す』と自信を深めています」(同前)
政治アナリストの伊藤惇夫氏は岸田政権をこう分析する。
「安倍政権から続く強権的な政権と違い、ソフト路線です。これは強硬姿勢の岸信介政権から交代した池田勇人政権が『低姿勢』と『寛容と忍耐』でいったのと同じ。そして、その池田氏が宏池会の始祖ですよ」
秀才の岸田首相は歴史に学ぶーー。
(週刊FLASH 2022年1月4日・11日・18日合併号)
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