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自民「大臣候補」が溺れる中国人秘書とカネ《スクープ撮》
週刊文春 2021/12/15
迫り来る中国への対抗が課題の岸田政権。その足元で国会議員が2年前から中国人女性を「外交秘書」に据え、親密な関係となった。
妻は実家に帰る一方、パーティ券収入は2.5倍に増え、会場には“マオタイ酒タワー”、中国人が大挙して…。
それは、どこかちぐはぐな光景だった。壇上の主役は紋付き袴姿といういで立ちで、その背後には本人が「1億円」と豪語する大きな盆栽が置かれている。ところが、会場内の至る所で中国語が飛び交っており、舞台左手でタワーをなしているのは、日本酒の升でもシャンパンでもなく、中国貴州省のマオタイ酒だ。
12月2日、ホテルニューオータニ「鳳凰の間」では自民党の松下新平参議院議員(55)の政治資金パーティ「松下新平政経セミナー」が開かれていた。250人ほどが会場に集い、17時に開幕。まずは同じ法政大学出身の菅義偉前首相が挨拶に立った。コロナ関連の全国行脚をしていると自らの近況を報告し、最後に傍らの松下氏を「応援しています」と激励した。
終盤、岸田文雄首相からのビデオメッセージがスクリーンに映し出される。岸田首相は松下氏に対し、「これからの希望の星だ」と力強くエールを送ったのだった。
国会議員歴はすでに17年。参院の入閣適齢期とされる当選三回を数え、次の「大臣候補」らしい華やかさの一方で、参加者の一人は仲間にこう呟いた。
「いつもは来ているのに、奥さんの姿が見えないね」
地元にファンも多く、「奥さんがいなくなったら票が半減する」と支援者らに言われる糟糠の妻は、毎年必ず参加していたパーティに、姿を見せなかった。
そんな妻に代わるように、薄紫のワンピースを身にまとい、甲斐甲斐しく中国人客の案内をする一人の美女がいた――。
◇
「松下氏は大学卒業後、県庁職員、長峯基元参議院議員の秘書を経て県議に二回当選。その後、2004年の参院選に出馬し初当選しました」(政治部記者)
安倍政権で国交政務官や総務副大臣、内閣府副大臣などを歴任した宮崎県選出の“希望の星”。
そんな彼の冒頭のパーティに、公安調査庁や内閣情報調査室は並々ならぬ関心を寄せていたという。一体なぜなのか。
「岸田首相が新政権で最も力を入れるのが『経済安全保障』です。組閣では担当大臣を新設し、経済安全保障の『司令塔』となる部署を内閣府に新設する方針も固めました。先端技術の中国などへの流出を阻止するための経済安保推進法案も、来年の通常国会に提出する準備を進めています」(同前)
折しも、再来月に迫った北京五輪を巡っては、欧米の外交的ボイコットが次々に表明され、岸田政権の対応に注目が集まっていた。そんな最中、期待の自民党議員のパーティに、中国人が大挙して訪れたのだ。
松下氏のインタビュー記事によれば、17年に、浜田和幸元参議院議員に誘われる形で、日中関係に携わり始めたという。18年に自民党の外交部会長に就任すると、19年に北京で開かれた中華人民共和国成立70周年の記念式典に出席。昨年2月にはコロナ禍で苦しむ中国に向けて宮崎のモアイ像前から、
「イーチージャーヨウ(一緒に頑張ろう)」
「ウォーアイニー(愛しています)」
との応援メッセージ動画を送っている。
昨年10月からは政府開発援助(ODA)等に関する特別委員会の委員長も務めていた。
現在は谷垣禎一元自民党総裁の谷垣グループ(有隣会)に所属しているが、前述の通り、菅前総理とも近いなど融通無碍だ。
「来年の改選後に大臣を狙うためもあって、最近では『やっぱり最大派閥の安倍派に行こうかな』と漏らしている」(自民党関係者)
そんな松下氏の傍らに、ひときわ目を惹く中国人女性が寄り添うようになったのは約2年前。その人物こそ、薄紫のワンピースでパーティ会場を闊歩していた美女である。
X氏は「松下さんの子どもを産みたい」と
ここに彼女の名刺がある。肩書には「松下新平事務所 外交顧問 兼 外交秘書」と記され、左上には松下氏の顔写真も印刷されている。仮にX氏としておこう。
「X氏は現在42歳。もともと、福建省の裕福な家庭で生まれ育ったそうです。北海道を拠点とする帝王商事(仮名)というナマコ販売の専門業者に在籍し、その東京支店の支店長という肩書も持ち合わせている。最初は、同社の社長が松下さんに彼女を紹介したのです」(X氏の知人)
X氏を気に入った松下氏は、次第に距離を縮めた。やがて、彼女に秘書の名刺や、議員会館内を自由に行き来できる通行証を与え、事務所に頻繁に出入りさせるようになった。
今年春頃、謎の中国人秘書が松下氏に深く食い込んでいるとの情報をキャッチした小誌は取材を開始。
すると、夜な夜なX氏を同伴し、日本人支援者や、中国系企業幹部らとの会食を繰り返す松下氏の姿を目の当たりにすることになった。
例えば4月8日には、東京・西葛西にある寿司店で、通訳不要のはずの日本人夫妻と4人で会食。
5月上旬。緊急事態宣言の延長が発表され、引き続き県をまたぐ移動は自粛が求められていた頃のことだった。
「松下さんとXさんは宣言下ではありましたが、前日に都内から成田へと向かい1泊。翌朝には中国人社長らとゴルフを楽しんでいました。その晩も成田に宿泊すると、次の日に二人は東京を経由し、愛知へと向かったそうです。愛知で1泊後、翌日は別の中国人社長とゴルフを楽しんだ。その夜、愛知にもう1泊すると、次の日は朝から委員会を控えていたため急いで東京・永田町へと戻ったようです。この日の夜にはさらに別の中国人社長との会食もセッティングされており、結局、4泊5日、“中国尽くし”の出張を二人で過ごしたのです」(中国企業関係者)
7月12日に菅政権が四度目の緊急事態宣言を発令した後も、二人の蜜月は変わらなかった。
7月16日、17時。1台の公用車が代々木上原にある豪奢な邸宅の前に止まった。家主は、中国人の会社社長だ。中から松下氏とX氏の二人が降りてきた(下の写真)。松下氏はカステラの名店「黒船」の紙袋を提げ、X氏も両手いっぱいに荷物を持っている。
宴を終え、二人が邸宅から出てきたのは4時間後、21時過ぎ。家主らに見送られながら迎車のタクシーに乗り込むと、後部座席の奥側、上座に先にX氏を乗せるなど、松下氏の行動は秘書に対するそれではない。徐々に身を寄せ合う二人。やがて二人の後頭部のシルエットは、1つになった――。
「二人はこうしたホームパーティにたびたび参加していました。X氏は、いつしか『松下さんの子どもを産みたい』とまで言いだすようになった」(前出・X氏の知人)
二人の関係は、円満だった家庭をも狂わせていく。
「松下氏には26歳で結婚してもうすぐ30年になる同い年の奥さんと、三人の娘がいます。宮崎県内のある市の元市長を父に持つ奥さんは、地元・宮崎で会合に出席したり、婦人会に積極的に顔を出したりと政治家の妻としての役割を全うしてきました。しかし松下氏はX氏にのめりこむにつれ、奥さんと目も合わせなくなったそうです」(夫妻の知人)
今年9月、夫婦は完全に決裂した。
「我慢の限界を迎えた奥さんが、議員宿舎の荷物をまとめて実家に帰ってしまったのです。松下氏は表向き、周囲には『妻はコロナで色々あって実家に帰っている』などと説明し、奥さんは奥さんで、『父親の介護です』と説明しているようですが、事を荒立てないための方便です。奥さんはすでに弁護士を立て、離婚に向けて動いていると聞いています」(同前)
松下氏は支援者たちの忠告にも聞く耳をもたなかったという。ある支援者が明かす。
「松下氏は数年前から『日本と中国は切り離せない』『日本は同調せざるを得ない』などと言うようになりました。仲間が政治資金パーティに行っても、中国人だらけで、おかしいなぁと。X氏とのただならぬ噂も耳にしたため、松下氏に問い質しても、『誓って、ありません』と言うばかり。こちらとしては彼を信じるしかありません」
松下氏は最近では、中国語のレッスンにも通うようになった。そして、事務所内の“中国化”も進めていく。
「事務所内の連絡をLINEに加えWeChatでも行うようになったのです。そこでは内部資料もPDF等で共有していた。嫌がる秘書もいたようですが、松下氏が強行したのです」(事務所関係者)
WeChatとは中国のテンセント社が提供するコミュニケーションアプリだ。中国に詳しいルポライターの安田峰俊氏が語る。
「中国国内の連絡インフラとしてはナンバー1で、全世界のユーザー数は中国人を中心に12億人です。しかし、アプリ上で政治的に敏感な話、たとえば習近平や民主化運動の話をおこなうと、メッセージが送れなかったりアカウントが削除されたりします。音声チャットや共有した画像もAIで監視している模様です」
携帯内部のデータを把握される危険性もあるという。
「たとえ使用場所が日本でも、WeChatを入れている携帯は、その中の画像データすべてにテンセント社からアクセスされ、中国の公安部に把握される可能性がある。米国の外交官が訪中する際は何の情報も入っていない携帯を持ち込んでWeChatを使い、帰国時に追跡されないようその携帯を捨てるとの話もあります」(同前)
松下氏とX氏の異様な蜜月は、政治家として説明責任が問われる問題を随所にはらんでいる。その1つがパーティ券を巡る疑惑だ。
「X氏はしょっちゅう中国人実業家らを松下氏に紹介しています。そしてその場でパーティ券を販売するのです。昨年のパーティの売上の約半分が彼女の功績で、その大半が中国人からの売上でした」(前出・事務所関係者)
松下氏の政治資金収支報告書を見てみよう。資金管理団体「松下新平国会事務所」の収支報告書によれば、18年のパーティ収入は967万円、19年は987万円。だが、X氏が資金集めに関わりだした20年は2515万円と、約2.5倍に金額が跳ね上がる。この半分がX氏の功績とすれば、ざっと1200万円近くを稼ぎだしている計算になる。
政治資金規正法では外国人から寄附、献金を受けることを禁じている。故意に受けた政治団体の担当者は、3年以下の禁錮か50万円以下の罰金が科され、公民権停止となる。
法務省関係者の重大証言
法律で外国人の献金が固く禁じられているのは、外国勢力が日本の政治や選挙に影響を与え、国益を損なうのを防ぐためだ。ただ、パーティ券購入に関しては規定がない。それゆえ、特定の国の外国人が大量にパーティ券を購入し、政治家に影響力を行使しようと思えば不可能ではないのだが、法の趣旨に照らせば脱法的行為といえる。
他にも問題がある。政治資金に詳しい神戸学院大の上脇博之教授が指摘する。
「X氏が議員の(正式な)秘書等ではないのにパーティ券を売り、事務所に後日入金した場合、政治資金規正法の『あっせん』に該当する可能性がある。あっせんしたパーティ券の売上額が20万円を超えた場合、あっせん者の氏名や住所などを収支報告書に正確に記載する義務があります」
だが、松下氏の収支報告書に「あっせん者」に関する記述は一切ない。
「記載がない場合は政治資金規正法違反となります。また、パーティ券の購入はパーティに係る飲食代を含む対価として支払っているもので、もしパーティ券は買ったものの、実際には参加するつもりもなく不参加だった例があれば、本来的にはその分は寄附に該当しますので、その旨も記載しなければなりません」(同前)
「外交秘書」「外交顧問」と名乗る以上に、X氏の守備範囲は広範で、資金集めや通訳業以外でも松下氏に同行しているという。
「いまや、X氏は外交顧問の枠を超え、松下氏の欠かせない右腕となりつつあります。ですが、まったくの無報酬だと聞いています」(前出・自民党関係者)
小誌の取材では、平日5日のうち、2回から3回は事務所に出勤し、長時間滞在して電話をかけ、夜の会食でも松下氏に同行している。これで無報酬となれば、別の法的問題も浮上する。政治学が専門の岩井奉信日本大学名誉教授の解説。
「政治資金規正法では、企業による秘書給与の肩代わりも政治家側への寄附に当たるとされます。X氏が帝王商事に在籍し、そこから報酬を得ていながら、週に何度も無報酬で事務所業務に秘書として従事している場合、まさに秘書給与の肩代わりとみなされます。その負担額は企業から政治家側への寄附に当たり、収支報告書に記載をしなくてはなりません」
しかし、松下氏の収支報告書には帝王商事からの寄附の記載も一切ない。
「記載すべき寄附を故意に記載しない場合、5年以下の禁錮または100万円以下の罰金とされています」(同前)
今までも同様の問題を指摘された議員はいたが、その多くはうっかりミスだったとして謝罪し、収支報告書の訂正で事を収めてきた。しかし、今回のケースにはそうできない「特別な理由」がある。
民間調査会社の2018年10月時点の調査によれば、帝王商事は発行済みの株式700株のうち500株は3名の中国人取締役が保有し、残りの200株は中国から日本に帰化した社長が保有している。つまり株の過半数を中国人が握る会社だ。帝王商事に今の株式比率について尋ねても回答は得られなかったが、登記簿上、その後増資した形跡はなく、取締役も代わっていないため、現在も株の過半を中国人が保有すると見られる。
無論、日本の法律にのっとって登記された日本法人ではあるが、外国人が株式の過半数を持っていれば政治資金規正法上、寄附はできない。例外として、日本の株式市場に上場後、5年を経ていれば寄附禁止の対象外となるが、帝王商事は未上場だ。
つまり、「帝王商事からの寄附」と収支報告書を修正することは不可能なのだ。
さらに、霞が関で松下氏の名前をあげて取材すると、法務省筋からはこんな証言が得られた。
「去年から今年にかけて松下事務所からの中国に関する問い合わせが急に増えました。内容はビザや永住権に関するもので、許認可がおりるかどうか、いち早く知らせるために照会してきたようです」(法務省関係者)
法務省秘書課広報室に正式に松下事務所からの問い合わせ件数を尋ねると、「個別の議員の事案に関しては、回答を控えさせていただきます」と答えた。
また政策面でも中国への傾倒が見られる。松下氏は今年10月14日、参議院議員会館内で「日中一帯一路促進会基調講演」と題した講演会を行った。
「その直前の総裁選に出馬していた岸田氏は、一帯一路について問われ、『親中国圏を拡大する狙いがある。(略)毅然と対応する』などと強い姿勢を見せたばかりで、デリケートな時期でした」(前出・政治部記者)
数日後、産経記者や政治ジャーナリストらが出演するYouTube番組で、この講演会が批判的に取り上げられた。
法の「抜け穴」を塞ぐ必要
「松下氏は右派からの批判を恐れ、すぐにX氏から名刺を取り上げ、事務所でのWeChat使用もやめた。ただそれも表面上で、今もX氏は事務所に出入りしており、12月2日のパーティにも参加していた。実態は何も変わっていません」(前出・自民党関係者)
当事者たちはどう答えるのか。12月12日夜、X氏を直撃した。
――あなたがパーティ券をたくさん売っている。政治資金規正法のあっせんに該当するのでは?
「今は事務所に入っていないし、協力しているだけ。元々、先生の外交顧問という形でしたので。私が券を売っているんじゃなくて、協力してもらうというか」
――人を紹介している?
「紹介というか、向こうからリクエストがあったら。まあ事務所の判断ですから、私が、どうのこうのできることじゃないんです」
――松下氏に恋愛感情は?
「それはたぶん、全然ありません」
松下議員を直撃した。
――Xさんとの関係について伺いたい。
「書面でもらえますか」
早口でこう言うと、手で記者を制しながら、松下氏は議員会館に入っていった。
改めて事務所に質問状を送ると概ね、次のような書面回答があった。
「(X氏ら外交顧問に)常時事務所の事務をしていただくことはなく、分からないことがあった時にお尋ねし、好意で教えていただく程度。報酬も発生しないし、給料などもない。(X氏は)そうしたボランティアの一人であり、外資系企業による給料の肩代わりというご指摘は事実に反する。
またパーティ券については購入者から振り込みや現金で直接支払いを受けており、『あっせん』にはあたらない。パーティには、中国だけでなく、台湾、韓国、中央アジアなど各国関係者がおこしになっている。(X氏との不倫交際や妻との離婚騒動は)全くの事実無根です」
だが、松下氏の妻に胸中を尋ねるべく実家を訪れると、母親が取材に対応。娘が実家に帰っていることは認めた上で、「お答えできる状態ではありません」と言葉少なに語るのだった。
拡大主義をとる中国に対して、米国を筆頭に各国は警戒を強めている。岸田政権の足元に中国が“浸透”していないか。経済安保を謳うなら、まず外国人によるパーティ券購入など、法の「抜け穴」を一刻も早く塞ぐ必要がある。
https://bunshun.jp/denshiban/articles/b2121
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