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敵基地攻撃論や経済安保は1941年の「真珠湾攻撃」の思考と同じ 日本外交と政治の正体
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/298508
2021/12/10 日刊ゲンダイ
真珠湾攻撃から80年に合わせ、ワシントンの第2次大戦記念碑で献花するバイデン米大統領夫妻(C)ロイター
1941年12月8日、日本軍は米太平洋艦隊の拠点ハワイ・オアフ島の真珠湾に奇襲攻撃をかけ、米側は2403人の犠牲者を出した。
80周年を迎えた今年、バイデン大統領は声明を発表。今後、しばらくは米国内で日本の蛮行に対する非難が続くと思われる。ただ、歴史を学ぶ者として、この奇襲攻撃は米英の指導者が誘導し、歓迎した点があったことは指摘しておきたい。
真珠湾攻撃の報告を受けた英国首相チャーチルは、自身の日記にこう記載している。
「17カ月の孤独の戦いと恐るべき緊張の後、真珠湾攻撃によって我々は勝ったのだ。イングランドは生きるだろう。英国の歴史は終わらぬだろう。ヒットラーの運命は定まった。日本人に至っては微塵に砕かれるであろう。とんまな人間は米国の力を割り引きして考えるかもしれなかった。『米国は軟弱だ』と言った者もあり、『彼らは流血に耐えられないであろう。民主主義と煩雑な選挙制度は彼らの戦争努力を麻痺させるだろう』と語った者もある。
しかし、私はかねて、死にものぐるいの最後の1インチまで戦い抜かれた米国の南北戦争を研究してきた。米国は巨大なボイラーのようなもので、その下に火がたかれると、作り出す力には限りがない。満身これ感激という状況で私は床につき、救われて感謝に満ちたものであった」(チャーチル著「第二次大戦回顧録」)
当時、世界はどのような構図になっていたのだろうか。
第2次大戦開始で英国はドイツに、いつ攻撃されるかという極めて厳しい状況に追い込まれていた。これを避けるためには、ドイツがソ連との戦端を開き、ドイツの力を二分させる。そのために米国の参戦を強く望んでいた。ところが、当時の米国民はドイツとの戦争開始に反対し、中立の姿勢を崩さなかった。
米国民の空気を変えるためには、誰かが米国を攻撃すればいい。
ドイツは挑発に乗らない。三国同盟の一つ、日本が米国に攻撃を仕掛ければ、自動的にドイツと戦争になる。
このシナリオ通り、米英は日本を追い込み、日本に真珠湾を攻撃させたのである。
真珠湾攻撃後、米国がどう反応するかを客観的に判断できていれば戦争は回避できたにもかかわらず、日本側に「行動を起こせば相手がどう反応するか」という思考が欠如していたのである。
これは今日の「敵基地攻撃論」や「経済安保」も同じである。
孫崎享 外交評論家
1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。
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