http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/519.html
Tweet |
※2021年12月7日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2021年12月7日 日刊ゲンダイ2面
【何が「新時代開拓」だ】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) December 7, 2021
所得倍増とか吹いて結局、賃上げたった3%
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/gPtaSEi0bB
※文字起こし
第207臨時国会が6日、召集された。
会期は21日までの16日間で、各党の代表質問を8〜10日に予定。岸田首相にとって初めて野党と一問一答形式での論戦となる衆院予算委は13日から始まる見通しで、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」への対応や、事務経費が1000億円近くかかることから世論批判が続出している18歳以下へ10万円相当の給付など、2021年度補正予算案を中心に議論が交わされる。
安易なデジタル構想も危うさ満載
「日本ならできる、いや、日本だからできる」
「明治維新、戦後高度成長、日本は幾多の奇跡を実現してきました。『新しい資本主義』という、数世代に一度の歴史的挑戦においても、日本の底力を示そうではありませんか」
午後2時から衆院本会議で行われた所信表明演説で、こう声を荒らげた岸田。今回の演説内容は「具体的な政策を丁寧に説明する」(政府高官)ことを重視した結果、全体の分量が9000字近くと過去10年間で「最長」の水準となったらしいが、肝心の中身は空っぽだったと言わざるを得ない。
安倍元首相も2018年1月の施政方針演説で、会津藩の白虎隊出身だった山川健次郎・東京帝国大学総長を引き合いに約150年前の時代を振り返っていたが、岸田も安倍と同じ。そろって明治維新と高度成長の「夢よ再び」「日本人ならできる」という根拠なき幻想に取りつかれているとしか思えない。
政治も経済も世界の潮流から周回遅れ
岸田が力を込めたのが「新しい資本主義」だ。過度な市場依存によって「格差や貧困が拡大し、気候変動問題が深刻化した」と、これまでの弊害を指摘。新たな取り組みを「数世代に一度の歴史的挑戦」などと威張っていたのだが、次いで出てきた言葉はどれもショボイものばかりだ。
「人への分配は、『コスト』ではなく、未来への『投資』です」なんて大風呂敷を広げながら、中身は看護などの一定の条件を満たす医療従事者に対して「段階的に3%、年間14万円程度の給与を引き上げる」だからクラクラしてしまう。この程度の施策で「持続可能な経済、成長と分配の好循環による新しい資本主義を実現する」とは恐れ入るが、6日付の日経新聞によると、この「3%」だって実現できるのかどうか怪しいものだ。
記事によると、岸田は民間の賃上げを促す波及効果を狙って「3%」にこだわったものの、看護師全員の給与を引き上げる余力がないとして、「一定の条件」という表現を盛り込まざるを得なくなったというのが実情だからだ。
演説の終わりには、高校の授業でタブレット端末を扱っていた生徒の姿を紹介。「日本の未来を切り開く『人』の可能性を感じた」と強調していたが、小学生だってタブレット端末を使いこなす時代に何を驚いているのか。それこそ、岸田の頭の中は150年前で止まっているとしか思えない。一体、何が「新時代開拓」なのかと誰もが首をひねりたくなるだろう。
福田赳夫元首相の秘書を務めた中原義正氏がこう言う。
「どんな信念があって『新しい資本主義』や『歴史的挑戦』などと言っているのか分からないが、耳当たりのいい言葉を並べ、その場しのぎの弥縫策で何とかなると思ったら大間違いだ。安倍元首相も岸田首相も同じ。この国の将来を何も考えてはいない。勇ましいことを言い、古き良き時代を懐かしがっているだけ。今やこの国は政治も経済も世界から取り残され続けるばかりだ」
新しい資本主義は安倍・菅政権の政策焼き直し |
「国の礎は、『人』です」「一人一人が力を存分に発揮することで、日本は大きく変わることができる」
岸田が本気でそう思うのであれば、「日本の未来を切り開く」ために重要な首相ブレーンである「内閣官房参与」になぜ先の衆院選で落選した自民党の石原伸晃元幹事長を起用したのか。
有権者から「NO」を突き付けられた石原のどこに可能性があるのか。友だちの「失業対策」のような私物化政治を大っぴらに見せられ、どこの誰が「俺も力を発揮できる社会だ」と信じるのか。国民をバカにするにもホドがあるだろう。
要するに岸田が掲げる「未来への投資」という認識はその程度しかないわけで、一事が万事、この調子。つくづく岸田という政治家には本気で実現したい政策もなければ、首相としてこの国をどうしたいのかという信念もないことが分かる。
そもそも、大マスコミはちっとも批判しないが、この男ほど言葉が軽く、言う内容がコロコロ変わる政治家はいないのではないか。
賃金だって、いつの間にやら「3%」をめぐる攻防に論点がすり替わっているが、岸田が総裁選で声高に主張していたのは「令和版所得倍増」だったはずだ。
すでに経済誌などが報じている通り、OECD(経済協力開発機構)加盟35カ国中、日本の平均賃金は22位。加盟国の平均すら下回り、安倍やその右派支持者らが嫌いな韓国よりも下回る。たった「3%」の賃上げぐらいでは高度成長も新時代開拓もヘッタクレもないのだ。
岸田の頭にあるのは参院選で勝つことだけ
相澤幸悦・埼玉大学名誉教授(経済学、金融論)がこう言う。
「総裁選で主張していた所得倍増も金融所得課税も、『新しい資本主義』と呼べるものは今、何一つ残っていません。これで一体、何が新しいのか。結局、示されたのは、安倍政権時代のトリクルダウンの論法と変わらない『3%賃上げ』と補正予算としては過去最大の約36兆円という規模だけが膨らんだ歳出。誰のため、何のための予算なのかと言えば答えは明白です。来夏の参院選で自公政権が勝つため。だからスローガンばかりで中身がないのです」
その通りだ。「新しい資本主義」を打ち出すのであれば、本来はこれまでに手を付けてこなかった政策をやるべき。「国の礎は、『人』」というのであれば、AI化が進む中で国民一人一人に力を発揮してもらうにはどうすればいいのか、を真剣に具体的に考える時だろう。それこそが「数世代に一度の歴史的挑戦」というものだ。
ところが出てきたのは、よく分からない「デジタル田園都市国家構想」。「デジタル庁の機能を強化」し、「来春には、規制や制度、行政の横断的な見直しを一気に進めるプランを取りまとめる」というのだが、議論の牽引役となる政府会議のメンバーには、安倍・菅政権時代の「成長戦略会議」に名を連ねていた竹中平蔵・慶大名誉教授も含まれるから危うさを感じざるを得ない。竹中と言えば霞が関で聞こえてくるのは利権絡みの話ばかりだからだ。
結局、岸田が言っていることは新しくも何でもない。安倍や菅がやっていた政策の「焼き直し」。それを「国民の声を聞く」という言葉でごまかし、さらに踏み込んでいるからたちが悪い。有権者は、今度ばかりは「だまされた」では済まないと思った方がいい。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK284掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK284掲示板 次へ 前へ
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/
since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。