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文通費問題で「税金のシロアリ」「やる気なし」は維新! 足立康史が橋下徹とのバトルで “セルフ領収証OK”は「松井代表の決定」と証言
https://lite-ra.com/2021/12/post-6092.html
2021.12.06 文通費問題で「やる気なし」なのは維新!松井代表がセルフ領収証OKに リテラ
日本維新の会HPより
またも日本維新の会が文書通信交通滞在費(文通費)をめぐって吠え散らかしている。
発端は3日、自民党が文通費の支給にかんして臨時国会での法改正を見送る方針であると報じられたこと。この報道に、維新の副代表である吉村洋文・大阪府知事はさっそくTwitterにこう投稿した。
〈こんなの国民の税金に群がるシロアリだよ。なんで税金から支給される経費の「文通費」に領収書つける程度の法改正すらできないの?自分達は特権階級。国民が納税する時も領収書不要の経費を認めよ。滅茶苦茶だ。〉
この投稿には「吉村知事の言うとおり」「日本を良くできるのは吉村知事しかいない」などと絶賛する意見が寄せられていたが、よくもまあ吉村知事は「国民の税金に群がるシロアリだよ」などと言えたものだ。
本サイトでは繰り返し指摘しているように、吉村知事は衆院議員時代、月はじめに辞職届を提出したことにより在職期間たった1日で文通費を満額100万円受け取っていた。しかも、文通費をもらったと思われる前後に、橋下徹と松井一郎を前にして吉村氏は文通費に言及して「もうちょっと内緒にしといてもらったら(笑)。あれ、完全に第2の財布ですからね」などと語っていた(詳しくは既報参照→https://lite-ra.com/2021/11/post-6077.html)。さらに、吉村知事や維新・党本部はいまだに吉村氏が受け取った問題の100万円の使途を公開していない。「国民の税金に群がるシロアリ」なのはどこのどいつだ、という話だろう。
だが、どこまでも面の皮が厚い維新の連中は、吉村知事と同様、ここぞとばかりに攻撃を開始。維新の代表である松井一郎・大阪市長は〈結局、自民党も立憲共産党も文通費改革やる気無しって事です〉と投稿し、党人事で政調会長となったばかりの音喜多駿・参院議員もブログで〈採決や改革をしたくない野党第一党・立憲民主党も与党とは共犯関係〉〈自民党と立憲民主党にやる気なし〉と主張したのだ。
まったく、どいつもこいつも維新の連中は恥知らずとしか言いようがない。そもそも、自民党が法改正を見送る方針を固めたと報じられたのは、3日に自民の高木毅・国対委員長が立憲民主党の馬淵澄夫・国対委員長、維新の遠藤敬・国体委員長とそれぞれ会談をおこない、馬淵・遠藤両氏が文通費の使途公開を求めたことに対し、高木氏が「まず日割りで法改正し、使途公開などはそれから議論すればいいと提案したが、理解を得られなかった。臨時国会は断念せざるを得ない」と述べたためだ。つまり、自民党が使途公開を義務付ける法改正を蹴ったというのに、松井代表や音喜多政調会長は与党・自民党だけを槍玉に挙げるのではなく、なぜか野党の立憲まで「やる気なし」「共犯」だと攻撃したのだ。
こちらも本サイトでは繰り返し指摘してきたが、ようするに維新は結局、文通費問題で自民と真正面から対決するのではなく、野党攻撃をしたくてたまらないだけだというのが浮き彫りになったかたちだが、はっきり言って「やる気なし」なのは維新のほうだ。
■維新はセルフ領収書への批判を認識したうえで、残金の国庫への返納を拒否
まず、吉村知事をはじめ維新の議員は「領収書つける程度の法改正すらできないの?」などと言い、維新が使途を公開していることを盾にして、自分たちがさも「クリーン」であるかのように振る舞っているが、馬鹿も休み休み言え。
たしかに「領収書の公開」は公費の流れを透明化するという意味で当然おこなわれるべきものだ。だが、維新がHP上で公開している文通費の使途報告書を見ると、議員が自分が代表を務める政党支部や資金管理団体に寄付するという「セルフ領収書」が平然と横行。そして、維新議員の2020年分の政治資金収支報告書を見ると、文通費を横流しした先の政治団体では新興宗教団体への講習会費や飲み食い代、維新の地方支部・議員への会費・寄付に流れていた。
また、音喜多政調会長にかんして言えば、2020年10月分の文通費の使途報告書では10月31日に58万6590円を自身が代表の資金管理団体「音喜多駿後援会」に寄付しているが、一方、「音喜多駿後援会」の政治資金収支報告書を見ると、10月31日の音喜多氏自身からの寄付は41万3590円となっており、寄付されたはずの17万3000円が消えている。無論、実際には寄付していながら収支報告書に記載していないのならば、政治資金規正法違反の不記載に当たる可能性がある(詳しくは過去記事参照→https://lite-ra.com/2021/11/post-6085.html)。
つまり、「領収書つける程度の法改正すらできないの?」などと言いながら、維新は吉村氏の疑惑の100万円の使途も公開せず、さらには「セルフ領収書」によって文通費が実際にどんな使われ方をしたのかを見えなくさせているのが実態なのだ。
しかも、絶句することに、維新はいまだにこの「セルフ領収書」を改めようとせず、改正案でも「セルフ領収書」を是認しているのだ。
実際、3日に維新が衆院議院運営委員会理事会に提示したという「文書通信交通滞在費の改革について」という文書では、維新は自ら「セルフ領収書」について〈「残金がある」なら自分の政治団体に寄付するのでなく国庫に返納すべきではないかとのご批判があるのは承知しています〉と記述したうえで、こうつづけている。
〈政治団体に寄付をするのは「残金がある」からではありません。文通費が想定する使途の範囲が法文上明確になっていない中、当該政治団体と一体性が高いと考えられる支出を広く団体に寄付し団体それぞれの収支報告書を通じて「国民の不断の監視と批判の下に」(政治資金規正法1条)置くことが同法の求める義務(罰則付き)だからなのです。〉
〈今後は、新たに創設する文通費専用の政治団体に全額を寄付し、文通費の使途が見えなくなるという問題を解消したいと存じます。そして年ベースで残金がでれば、歳費のカット分と同様、党本部を通じて医療関係者等への寄付に充てる所存です。〉
批判があるのを承知しているのなら、そして「身を切る改革」を掲げるのであれば、当然、「セルフ領収書」を禁じ、残金は国庫に返納すればいいだけだ。だが、維新はそれをしようともせず、この期に及んでも自前の政治団体への還流を認めようというのだ。
繰り返すが、前述したように維新の議員は自分の政治団体に文通費を横流しして政治資金に化けさせ、その政治資金を新興宗教団体への講習会費だの飲み食いだのといった支出に使っている。こんな金の使い方をしている連中が文通費専用の政治団体に寄付したところで、同じような不適切な支出が起こる可能性は十分考えられる。ようするに、維新の改正案というのは、結局は文通費という自分たちの既得権益を守ろうとしているだけのシロモノなのだ。
■足立康史は政治団体寄付=セルフ領収書の是認を「党(国会議員団←松井代表)の決定です」と開き直りコメント
しかも、問題なのは、この「セルフ領収書」を禁じようとしないのは、どうやら松井代表の方針だということだ。
というのも、立憲の小西洋之・参院議員がTwitterで〈維新案は批判の多い「文書交通費の政治団体への寄付」ができるままになっている。これでは「余ったお金」は殆んど生じないだろう。(全部、政治団体に寄付すればいい)国民を欺く骨子案ではないかと思う〉と指摘したところ、維新の東徹・参院議員が〈小西さん、政治団体への寄付はありませんよ。ご確認下さい〉とツイート。すると、この投稿を橋下徹が引用リツイートし、こうコメントしたのだ。
〈東さん、足立議員が政治団体への寄付を認めるように猛抵抗していますよ。彼はこれまで誰にも注目されなかった自分の支持者ばかりのネットの世界で政治団体への寄付を正当化し続けてきたので、今更格好悪くて修正できないのでしょう。典型的な官僚気質です。〉
橋下氏といえば、この間、維新の足立康史・衆院議員とTwitter上でバトルを繰り広げてきたが、足立議員は過去に文通費を自身の政治団体に寄付し、その政治団体では橋下氏の講演料約200万円を支出していたことも判明。このように、両氏のバトル自体「どっちもどっち」としか言いようがないのだが、ともかく橋下氏は「セルフ領収書」を死守しようとしているのは足立議員だと批判したのだ。
だが、この橋下氏の批判に対し、足立議員は4日、こうツイートしたのだ。
〈視聴者を気にして判断が鈍ってるのは、橋下さんです。私が気にしてるのは党の未来。視聴者を気にしてるのは橋下さんだけ。今更格好悪くて引けないのは橋下さんの方ですね。 それから、丁寧に教えて差し上げますが、政治団体寄付は党(国会議員団←松井代表)の決定です。〉
つまり、足立議員のツイートによると、問題の「セルフ領収書」を是認したのは、「身を切る改革」を掲げ、立憲を「やる気なし」などと攻撃していた松井代表その人だと言うのである。
松井代表はくだんの〈結局、自民党も立憲共産党も文通費改革やる気無しって事です〉というツイートに対し、立憲の泉健太代表が〈うーん、むしろ@国庫返納 を打ち出さず、国会内での本気度を感じられないのは維新さんでは?〉〈立憲民主党の文通費改革は@国庫返納A使途の報告B日割化 で、来週からの臨時国会で法案提出予定〉と反論すると、〈泉さん、逃げないで下さいね。徹底的にやりましょう〉〈泉さん、万が一自民党に拒否された場合は維新、立憲、所属議員は自ら領収書公開だけでも実施しましょうね。ご返事待ってます〉などと投稿。このように松井代表はあたかも改革の先頭に立つのは維新だと強調してばかりいるが、その実態は「セルフ領収書」を是認するようなシロモノでしかないのだ。
だが、松井・吉村両氏は我が身を振り返ることもなく、ブーメランが刺さっても恥を恥とも思わず野党攻撃を繰り出し、「国民の税金に群がるシロアリ」などと扇情することで大衆の支持は得られると踏んでいる。そして、吉村氏や松井氏の主張をメディアが大々的に報じ、「維新は改革政党」などという虚偽のイメージだけがどんどん強化されていく一方だ。維新のこの茶番劇を、メディアは一体いつまでアシストしつづける気なのだろうか。
(編集部)
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