http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/476.html
Tweet |
※2021年12月4日 日刊ゲンダイ2面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
【また札幌などとんでもない話だ】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) December 4, 2021
「五輪は厄災」が全国民の共通認識
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/YUN6iQlYQN
※文字起こし
まだ懲りていないのか。どうやら本気でやるつもりらしい。2030年冬季五輪・パラリンピックの札幌招致計画が本格化してきた。
先月29日、札幌市は大会概要案を公表。札幌招致に向けた議員連盟も発足する予定だ。会長には北海道出身の橋本聖子参院議員が就任する。
しかし、あれだけ「2020東京五輪」が批判され、オリンピックが虚飾にまみれていることも分かったのに、また札幌で五輪をやろうなんてとんでもない話だ。これから2兆円ともされる「東京五輪」の赤字も国民におしかかってくる。
もし、国民が五輪招致を喜ぶと考えているなら大間違いだ。「2020東京五輪」を目の当たりにし、いまや「五輪は厄災」が全国民の共通認識になっているに違いない。
なにしろ「東京五輪」は、なにからなにまでデタラメだった。日本中がコロナに苦しんでいたのに、IOC幹部は「アルマゲドンでもない限り大会は実施だ」と発言。五輪を開催する場合、IOCと“不平等条約”を結ばされることも分かった。大会が中止になってもIOCは財政的な責任を負わず、開催都市が中止を切り出したらIOCから巨額の賠償を請求される。式典の簡素化を提案しても、放映権料を支払う米テレビ局への配慮から一蹴された。IOCにがんじがらめにされ、日本の裁量はほとんどなかった。
その揚げ句、残ったのは巨額の赤字なのだからバカみたいだ。なのに、再び“札幌で五輪”とは狂気の沙汰である。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。
「日本人が抱いていた、夢、希望、経済成長といった五輪神話は、完全に崩壊したと思います。IOCの傲慢さや、商業主義も思い知らされた。バッハ会長に嫌悪感を持った人も多かったはずです。そもそも近年は、開催費負担があまりにも高額なため、立候補を辞退する都市が相次いでいるのに、どうして札幌市が手を挙げるのか疑問だらけです。火中の栗を拾うつもりなのでしょうか」
大赤字の東京五輪の“二の舞”に
現状、札幌以外で「2030年冬季五輪招致」に手を挙げているのは、ソルトレークシティー(米国)、ピレネー・バルセロナ(スペイン)、バンクーバー(カナダ)に、ウクライナ(都市未定)だ。
札幌は「最有力候補」(大会関係者)だという。バッハ会長は「札幌の開催能力に疑いの余地はない」と太鼓判を押している。
しかし、札幌開催が決まったら、また莫大な税金がつぎ込まれ、巨額の赤字を残すことになるのは間違いない。東京五輪の開催経費は招致段階では7340億円だったのに、昨年12月時点で1兆6440億円と2倍超に膨張。そのうえ、東京都が整備した競技会場は赤字を垂れ流す「負のレガシー」になると確実視されている。年間収支が6億4000万円の赤字となる「東京アクアティクスセンター」を筆頭に、すでに計5施設が赤字運営になると試算されている。
冬季五輪を1998年に開催した長野市も、会場の建設費返済に20年もの歳月がかかった。ソリ競技の会場だった「スパイラル」は、維持費が年間2億円もかかって採算が取れず、18年に運用を停止。「負のレガシー」となった。
札幌市の秋元克広市長は「既存施設を使うことで経費を抑えている」「大会運営に公費の投入はない」と説明しているが、とてもうのみにはできない。
五輪会場問題に詳しい建築エコノミストの森山高至氏はこう言う。
「札幌市の『経費を抑えました』というアピールは『コスト圧縮するから開催していいよね』というポーズにしか見えず、本質をはき違えています。より重要なのは、五輪が終わった後の会場の運営方法です。採算を取るには競技人口を増やさなければならず、会場を見た人に『やってみたい』と思わせるような仕掛けが必要です。なのに、そういったプランが全く打ち出せていない。これでは、東京五輪の“二の舞い”になるだけです」
絶対に札幌五輪を阻止しないとダメだ。開催となったら大変なことになる。
先進国で執着するのは日本くらい |
そもそも、どうして札幌で五輪を開催するのか、一番重要な「大義」もハッキリしないのだから、話にならない。
結局、「東京五輪」と同じように、国威発揚に利用し、業者を大儲けさせることが目的なのではないか。
だいたい、ここまでオリンピックに執着するのは、先進国では日本くらいのものだ。いまや欧米先進国は、さして五輪を重視していない。むしろ、経費負担や環境破壊を懸念する声が強く、五輪人気はどんどん落ちているのが実態である。「五輪は毎回ギリシャで開けばいい」という声まで上がっているほどだ。
神戸大の小笠原博毅教授によると、体操や水泳を学ぶ子どもたちに「将来は五輪代表選手になりたい」などと言わせる国は、世界で日本くらいのものだという。「週刊現代」(5月15日号)で指摘している。
「五輪開催は発展途上国には意味があるでしょう。国威を発揚させ、インフラを整備できる。先進国の仲間入りを果たした、という自信にもつながります。1964年の東京五輪は、まさにそうでした。でも、いま日本は人口が減少し、経済力も低下している。ピークを過ぎた国にとって、莫大な経費がかかるオリンピックは負担になるだけです。政治家や業者が五輪開催にこだわるのは、もはやオリンピック以外、夢も描けず、景気浮揚の起爆剤も見つからない裏返しなのではないか」(五十嵐仁氏=前出)
「東京」に続いて、「札幌」でもとは、時代錯誤もいいところである。
本気で中国と一戦交えるつもりか
五輪招致に血道を上げる一方、どうにも危ういのが来年2月に開かれる北京五輪への対応だ。ネトウヨや大マスコミからは、外交ボイコット論が広がっているが、米国に安直に追随するのは危険だ。このまま軍備増強、外相の訪中潰しと“中国敵視策”をエスカレートさせたら、日中関係は一気に緊迫する恐れがある。
もちろん中国の人権侵害は批判されてしかるべきだ。女子テニス選手・彭帥さんの扱いは常軌を逸している。しかし、一触即発となった時どうするのか、果たして日本政府にシナリオがあるのかどうか。シナリオがないまま突っ込んだら、戦前と同じような事態になりかねない。
1941年、日本は12倍もの国民総生産を誇った米国に対し、「必敗」を知りながら突き進んでいった。米国とどこかで和平を結べるという確証もないまま、真珠湾攻撃に踏み切った。その結果、300万人以上の国民が落命してしまった。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。
「岸田政権は『防衛費2倍』『敵基地攻撃能力の保有』を掲げていますが、強大な軍事力を擁する中国と本気で戦う気なのでしょうか。その場合、どう落着点を見いだすのか、日本に戦略があるようには見えません。米国が守ってくれると考えているのかもしれませんが、日中で有事となった場合、米国は日米同盟など無視して、さっさと手を引く可能性がある。米国が助けてくれると思ったら大間違いです。日本は本来、米中の間に入り“緩衝材”の役割を担うべき。米国の外交ボイコットに便乗していると、取り返しのつかない事態になりかねません」
五輪の虚飾はとっくに剥がれているが、「平和の祭典」をうたっている五輪がきっかけで紛争が起きてはシャレにならない。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK284掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK284掲示板 次へ 前へ
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/
since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。