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※2021年11月30日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2021年11月30日 日刊ゲンダイ2面
【どうしても独裁国家にしたいのか】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) November 30, 2021
民主主義を破壊しようとする輩たち
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/N9ShAr3GqR
※文字起こし
結局、国民的関心が薄いまま、立憲民主党の代表選は30日投開票を迎えた。衆院選の議席減を受け党内はガタガタで分裂イメージを極端に恐れたのだろう。4候補は独自色や極端な主張を出さず、論戦は低調。盛り上がりに欠ける“ママゴト”代表選となった責任は一義的には立憲側にあるが、大メディアも責めを負うべきだ。
9月の自民党総裁選では告示前から約1カ月にわたり大騒ぎしたワイドショーなどは、立憲の存在すら黙殺。大新聞もことさら共産党との「共闘」をあげつらい、4候補に「見直し」を迫るような論調が目立った。
自公与党は「野党共闘」を脅威に感じているのに、大新聞がつるんで「見直せ」と圧力をかけるのは、野党潰しへの加担そのもの。メディア総出の「野党は批判ばかり」のレッテル貼りに至っては言語道断。難クセ以外の何ものでもない。
立憲は政府・与党の提出法案の約8割に賛成し、コロナ対策の提案も出してきた。多くの人々に「批判しかしない」と映るなら、ニュース番組などの「切り取り編集」にも問題があるのではないか。メディアは立憲を批判する前に、自分たちの“マッチポンプ”体質を検証した方がいい。
何よりも国会の役割には「行政監視機能」があり、野党第1党が政府・与党の姿勢をただすのは、当たり前だ。批判すべきは、はぐらかしに虚偽答弁、あらゆる疑惑に誠実に説明してこなかった政権の体質である。
もともと「権力監視」はメディアの役割でもある。批判を野党任せにせず、臨時国会の召集要請まで無視する政権の横暴さを少しは追及したらどうなのか。
有権者の望む強い野党は阻止
メディアの「野党は批判ばかり」の印象操作は、お門違いの難クセだ。本来の使命を放棄し、政府・与党の応援団と自認したも同然である。立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言った。
「先の衆院選中に実施した世論調査でも『与野党伯仲』を求める声が最多でした。コロナ禍で国民に『自助』を押しつけ、説明しない、責任を取らない政治に対し、緊張感を取り戻して欲しいとの願いがくすぶっているのは間違いない。そんな有権者の思いとは裏腹に大メディアは政権側と共に歩み、野党批判に明け暮れて立憲の代表候補4人の考えをロクに伝えようとしない。考えを知ってもらえなければ、国民が求める『強い野党』はもちろん、永遠に政権批判の受け皿になれない。今のメディアには健全な民主政治を取り戻す気構えはないのでしょうか」
この国のマトモな批判勢力が衰退すれば、独裁国家へ一直線だ。民主主義を破壊しようとする輩たちに屈してはいけない。ノンフィクション作家の保阪正康氏は日刊ゲンダイ連載の「日本史 縦横無尽」(2019年5月18日付)でこう書いていた。
〈太平洋戦争の最大の問題点は、軍官僚が自らの存在を示すための戦争を行い、たとえ兵士たちが戦略の失敗で亡くなろうと、それを隠蔽し、偽りの発表で自分たちの責任を回避したということであった〉
特攻作戦、玉砕命令、補給なき餓死--。先の戦争の軍部独裁下で、いかに国民の命はないがしろにされたのか。独裁への分かれ道の今こそ、歴史上の負の教訓を知っておく必要がある。
誤った路線をゴマカシ継続の無責任体質 |
先の戦争は責任を取らずに保身に走った軍人、官僚、政治家による国民殺戮だった。
困難な海上輸送に脇目もふらず、戦線を広げるだけ広げた揚げ句、食糧や弾薬が尽きた戦線にひたすら全員玉砕を命じる。命令する大本営の参謀たちは東京で恵まれた生活を送り、飢餓状態の苦しみなど分かるわけがなく、兵站補給を度外視した戦略の誤りを押しつける無責任ぶり。
戦死者2万1138人のうち1万5000人が餓死したガダルカナル戦を勝利にすり替え、大本営発表で国民を欺き、現場の兵士には「捕虜にはなるな、死ね」と迫る。ハナから人間として見なしていないのだ。
それもこれも、官僚や政治家もわが身大事で批判なき「大政翼賛」の軍部独裁を許したためだ。形こそ違えど、同じような国民軽視の無責任政治は今も繰り返されている。
第2次安倍政権下で相次いだ「政治とカネ」の問題は、当事者が誰も説明責任を果たさず辞職し、うやむや。安倍元首相を巡るモリ・カケ・桜の「権力私物化」も役人や秘書のせいにし、あまつさえ公文書まで改ざんしてしまった。
無責任体質は「権力の腐敗」だけではない。小泉構造改革から20年、新自由主義に根ざした経済政策の失敗は「成長なき格差の固定化」を生んだだけ。3.11の教訓から何も学ばない「原発の存続」や、集団的自衛権の行使容認の解釈改憲など「憲法破壊の常態化」……と数え上げればキリがないが、この中に1つでも多くの国民が望んだ選択はあったか。答えは言うまでもないはずだ。
それなのに、誰も失敗の責任を取らず間違った路線をごまかしながら継続する。政権側の底流にある無責任体質は先の大戦時と変わらない。その典型が岸田政権と、過去最大の約36兆円もの補正予算案だ。
岸田首相はご自慢の「聞く力」を発揮。自公与党内の“ご用聞き”に徹し、あれもこれもと積み増しただけで、経済効果は期待薄。「新しい資本主義」を標榜しながら、旧態依然のバラマキ策に熱を上げている。
健全な批判勢力を育てる責務がある
岸田は「分配」を掲げたクセに看護、介護、保育従事者らの賃上げに関する歳出は2600億円に過ぎず、最大2万円のマイナポイント事業には1兆8134億円の大盤振る舞い。補正として過去最大の防衛費7738億円を計上し、安倍一派ら党内タカ派連中にこびる抜け目なさ。
こんな国民軽視のデタラメ補正に目を光らすことなく、メディアは立憲の揚げ足を取るばかり。逆に吉村府知事のイソジン騒動など「詐欺師とデマゴーグの集団」(作家の適菜収氏)とも評される日本維新の会は猛PRだ。
特にネット版の記事はヨイショ一色。吉村がSNSにオフショットを投稿するたび「カッコ良すぎ」「黄色い声殺到!」とのタイトルが躍る始末で、こうした記事を異常とも思えない人々が一定数いるから怖い。
「今のメディアは自民と対峙する形での2大政党制は望まず、自民と同じ路線の維新中心の政権交代は許容する。自民が転んだ先のツエとばかりに維新を持ち上げている印象です。政治を伝えるメディアがこの調子では、おぞましい国会状況になると懸念しています」(金子勝氏=前出)
まさに翼賛体制への瀬戸際だ。だからこそ健全野党による追及が急務なのに、あろうことか、立憲の最大支援団体の連合が「共産党との共闘はありえないと言い続ける」(芳野友子会長)と共闘潰しにシャカリキだから世も末だ。政治評論家の森田実氏が指摘する。
「かつての自民党内には批判勢力が存在し、疑似政権交代も可能でしたが、今やトップダウンで“右向け右”。党本部が公認権とカネで締め付ける小選挙区制の弊害です。25年前の導入の際、メディアは『政治改革』『金権打破』とはやし立てました。『自民1強』『政治の劣化』をもたらした製造責任を痛感するならば健全な野党を育て独裁阻止の責務を果たすべきです。立憲の代表候補4人は皆、野党分裂の歴史を繰り返すまいと、もがいています。冷淡なメディアはまっとうな批判勢力を失わせるだけです」
どうしても独裁国家にしたいのか--。この問いにハッキリ「NO」と言える人々は、今はたとえ弱くとも「強い野党」にしっかり育て上げ、近い将来の政権交代に望みを託すしかない。
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