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水がダダ漏れ岸田内閣水際対策
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2021年11月27日 植草一秀の『知られざる真実』
南アフリカ共和国で新たな変異株が確認された。
11月26日、WHOはこれを「オミクロン株」と命名するとともに
「懸念される変異株(Variant of Concern)」
に指定。
これまでに「懸念される変異株」に指定されたのは
ベータ株、ガンマ株、デルタ株。
日本でも猛威を奮った第5波をもたらしたのがデルタ株。
デルタ株の主要変異はL452Rだった。
今回の発表でオミクロン株が新たに「懸念される変異株」に加わった。
オミクロン株が最初に検出されたのはボツワナで11月11日に採取された検体。
その後、11月14日以降、南アフリカで採取された検体からも検出された。
南アフリカのハウテン州では現時点で多くの症例が報告されている。
この地域ではデルタ株が広がっていたとのことで、これがオミクロン株に置き換わったと見られている。
このことから、オミクロン株の感染力はデルタ株を上回るとの見方が生まれている。
重要なことはオミクロン株がすでにアフリカ以外でも確認されていること。
香港、イスラエル、ベルギーで確認されている。
日本では新規陽性者数が激減してコロナ危機感が大幅に縮小しているが、オミクロン株の感染拡大が日本で生じれば状況は一変する。
岸田内閣は水際対策強化を掲げたが、徹底した水際対策を実行しなければ惨事を再来させることになる。
昨年12月に英国でN501Y変異株が確認された。
これに対する菅内閣の対応が後手後手になった。
入国者の大宗を占めていた「ビジネストラック」、「レジデンストラック」の入国を止めなかった。
菅首相が停止に動いたのは1月13日。
決定的な遅れが変異株国内流入をもたらした。
3月にはインドでL452R変異株が確認された。
ところが、菅内閣が抜本対応に動き始めたのは5月に入ってから。
日本における感染第4波ならびに感染第5波が激烈になった大きな原因は菅内閣水際対策の甘さだった。
岸田内閣は11月26日に、南アフリカ、ナミビア、ジンバブエ、ボツワナ、レソト、エスワティニの6ヵ国を対象に水際対策を強化する方針を発表。
11月27日午前零時から実施された。
これら6ヵ国を訪れた日本人らに対し、帰国後、待機施設で10日間の待機を求める。
しかし、この対応では甘すぎる。
岸田内閣は、これまで施設での待機を求めていなかったのに対して、今回は施設での待機を求めることにしたことを強調。
新たな変異株の流行が広がった場合は対象国の拡大を検討するという。
しかし、現時点でオミクロン株は、すでにベルギー、香港、イスラエルで確認されている。
すでに世界規模で感染が広がっていると見られる。
南アフリカ6ヵ国に限定しての対応では水際対策にならない。
コロナ感染はお隣の韓国でも急拡大している。
欧州での感染拡大も深刻だ。
日本の新規陽性者数が激減していても、海外から新種の変異株が流入すれば状況が一変してしまうことが考えられる。
無意味な「陰性証明」に手間と資金を投下するよりも、水際対策の厳格化こそ最重要課題だ。
ところが、岸田内閣は入国規制を厳格化するのでなく緩和し始めている。
岸田内閣は11月8日から、ビジネス関係者や留学生、技能実習生らの新規入国を認めた。
これに伴い、松野官房長官は11月18日の記者会見で、
「新型コロナウイルス対策として実施している入国者数の制限を11月26日から緩和し、1日あたりの上限を現在の3500人程度から5000人程度に拡大する」
と発表した。
直ちに、この緩和措置を撤回するべきだ。
すでにオミクロン株は世界各地に拡散している。
直ちに、日本の入国規制を最大限に厳格化する必要がある。
6ヵ国のみの規制強化は言語道断。
オミクロン株の感染拡大が生じれば岸田内閣は崩壊する可能性がある。
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