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※2021年11月9日 日刊ゲンダイ14面 紙面クリック拡大
自民党の強さは政治家ではなく党職員にある。立憲民主党は政権交代の土台づくりを ファクトチェック・ニッポン!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/297176
2021/11/10 日刊ゲンダイ
自民党本部(C)日刊ゲンダイ
総選挙の結果を受けて立民党は枝野幸男氏が代表を降りて代表戦を行う。焦点は野党共闘だろう。候補者からは早速、共産党との共闘に否定的な声も聞かれ始めた。しかしここは冷静に考えた方がいい。
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投開票日の夕方、自民党本部の知人から「自民過半数割れも。地滑りも」とのメールが届いた。地滑り的な敗北もあり得るとの観測だった。これは恐らくNHKの出口調査の結果が出回った結果だろう。NHKは選挙特番の冒頭で「自民212〜253」と予想を出した。結果は、自民党が単独で過半数を大きく上回る259だった(後に261)。そして立民党は96。それが枝野代表の責任論になったわけだ。しかし、選挙戦を通じて自民党が強い危機感を持った事実、加えて、選挙を報道の最大の使命としているNHKが出した予測は軽視してはならない。どちらに転ぶかわからない選挙であり、野党共闘は有効だったということだ。
「野党共闘は無意味ではなかったが」 |
それを喝破したのは自民党で長く選挙を仕切った久米晃氏だった。西日本新聞の取材に「野党共闘は無意味ではなかったが、閣内協力か閣外協力かでもめ過ぎた。まだ政権を取れるわけでもないのにおこがましい。身の程知らずですよ」と語った。これを私がSNSで紹介すると予想通り多くの反発を招いた。しかし、選挙戦を振り返れば共産党の存在が自公からの標的となり、枝野氏も志位氏も防戦に追われた感は否めない。
仮に両者が、「政権奪取は今回は目指さず、まずは野党共闘で1強政治を終わらせて与野党が拮抗する国会を実現する。そのために選挙協力を結んだ」との姿勢を明確にしていたらどうだろうか? 自公の攻撃をかわすことができたのではないか。久米氏の指摘はそう読むべきだ。
衆議院選挙を「政権選択選挙」と呼ぶ。これは選挙後の首班指名選挙で衆議院の議決で総理大臣が決まることを指している。しかし、そもそも与野党の勢力が拮抗していない状況では、これは与党のお題目でしかない。だから今回の選挙で野党側が「政権選択選挙」とか「最初の閣議では」といった主張を展開する意味はなかった。
例えば、自民党がNHKの予想の中間の230でとどまり、立民が125になっていたら枝野氏の責任問題が出ただろうか? 私はそうは思わない。逆に、来年の参議院選挙へ大きな弾みになったはずだ。そして、その可能性は十分にあった。
私は自民党の強さは政治家ではなく党職員にあると指摘してきた。久米氏はまさにそれを体現する存在だ。理想の政治を目指すが、自らが政治家として表に出ることはしない。常日頃から霞が関、メディア、利益団体、有権者とやりとりをして党の方針となる題材を揃える。冷徹なリアリスト集団であり、必要とあれば厳しい指摘も辞さない。
立民党にも巨額な政党交付金が入る。次の代表はそれを各支部に配るだけではなく、久米氏のような人材を党本部につくるために使ってほしい。政権交代の土台づくりだ。まずは参議院選挙。そして次の衆議院選挙。ここで与野党の勢力を拮抗させる。政権選択の議論はその次でいい。
立岩陽一郎 ジャーナリスト
ジャーナリスト。1967年生まれ。91年、一橋大学卒業後、NHK入局。テヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て、2016年12月に退職。現在は調査報道を専門とする認定NPO運営「INFACT」編集長。毎日放送「よんチャンTV」、フジテレビ「めざまし8」出演中。
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