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※2021年11月8日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2021年11月8日 日刊ゲンダイ2面
【アベノマスクの落とし前も必要】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) November 9, 2021
刹那のバラマキなのか 新しい資本主義とやらの欺瞞
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/pXKpgoXqkF
※文字起こし
休業、時短営業、自粛――。新型コロナウイルスの感染拡大に最も翻弄されたのが、飲食業界だ。緊急事態宣言の全面解除で久々に通常営業が可能となってから2週間。まだ客足は完全回復には程遠い。
飲食店予約管理システムを運営する「テーブルチェック」によると、来店人数の水準は感染拡大前の一昨年10月と比べて6割程度。
第6波への不安や会社の飲み会自粛など理由はさまざまあるが、「飲みに行けるほど懐に余裕がない」という人も多いのではないか。
それほど、コロナ禍で日本の経済格差は加速している。とりわけ、深刻なのは親の経済力の違いで生じてしまう「教育格差」だ。子どもは親を自ら選べないという意味で若者が使う「親ガチャ」という言葉が流行語大賞にノミネートされたが、それだけ若い世代の間で「人生を大きく左右する家庭環境や境遇は運任せ」という諦念がはびこっていることを物語る。
実際、日本における「子どもの貧困率」は世界ワーストクラスだ。2018年時点のデータだと約14%と7人に1人の子どもが貧困状態で、OECD(経済協力開発機構)加盟国平均を上回り、9位となっている。ひとり親世帯の貧困率に至っては50%超と国際的にも最悪の水準に達する。
しかも、これらはコロナ禍以前の数値だ。度重なる休業などで仕事が激減した家庭の子どもたちの深刻度は、さらに増しているに違いない。
こうした格差の根底にあるのは、9年間に及ぶアベノミクスだ。市場任せの経済成長と効率が最優先の新自由主義的な政策である。
異次元緩和の円安政策と官製相場の株高で潤ったのは、法人税率引き下げや金融所得課税の優遇措置の恩恵を受ける大企業と富裕層のみ。アベノミクスの利益がしたたり落ちることは一度もなく、非正規労働者は4割近くに増え、実質賃金は低下。富める者はさらに富み、貧しい者はより困窮する。持てる者と持たざる者の分断も進み、経済格差は広がった。
影を潜める新自由主義からの転換
アベノミクスが加速させた格差と分断への処方箋として、岸田首相は「新しい資本主義」の実現を掲げたのではなかったのか。自民党総裁選に挑んだ当初は「新自由主義の転換」を主張。「アベノミクスの恩恵が行き渡っていない」と認め、分配重視の姿勢を強調していたはずだ。
ところが、いざ総理・総裁になると、アベノミクス路線に転向。まだ総裁選の勝利直後は「分配なくして次の成長なし」と豪語していたが、いつの間にか「まず成長。その果実を次の分配に回す」と真逆のことを言い出す始末だ。
いまや「令和版所得倍増」は完全に死語と化し、株式売却益など金融所得への課税強化も先送り。諸悪の根源である新自由主義からの転換は影を潜め、安倍元首相への配慮ばかりが色濃くにじむ。揚げ句に追加経済対策の“目玉”として岸田政権から飛び出したのが、18歳以下の子どもや若者に対する10万円の給付金。公明党の衆院選公約の丸のみである。
格差に目もくれず参院選対策の大盤振る舞い |
18歳以下への10万円給付について、公明党は2000万人を対象に総額2兆円が必要と試算し、昨年度の決算剰余金4兆5000億円などを活用すると説明していた。
公明が求める所得制限なしの一律給付には、政府内で異論があるとはいえ、すでに自民党は公明党案を大枠で受け入れ、詳細な設計作業が進んでいる。どんな決着になっても、自民党には公明党の公約をむげにはできない事情がある。
先の衆院選では岸田が「選挙の顔」になりきれず、自民党は甘利前幹事長を筆頭に小選挙区で落選して比例復活に助けられた大物や、僅差で勝ち上がった候補が続出。そのため来夏の参院選をにらみ、選挙協力を結ぶ公明党に花を持たせる必要に迫られている。まさに打算に基づく野合だ。
経済対策の原案には他にも、コロナ禍で困窮する非正規雇用や女性・子育て世帯への給付金をはじめ、1人3万円のマイナンバーポイント付与、雇用調整助成金の特例延長、事業社向け実質無利子・無担保融資の来年3月末までの延長、「GoToトラベル」の再開など、バラマキ策が目白押しだ。
これらを積み上げた経済対策の予算規模は35兆円前後となる見込みで、実に東日本大震災の復興予算10年分に匹敵する大盤振る舞いだ。
新型コロナ対策で19〜20年度に計上した65・4兆円のうち22・8兆円が使われないまま、翌年度に大半を繰り越していたことが会計検査院の調べで発覚したばかりなのに、岸田政権は反省の色ナシである。経済評論家の斎藤満氏はこう言った。
「自民党は衆院選公約で現金給付を掲げておらず、バラマキ批判を公明党になすりつけるヨコシマな意図も感じます。所得制限を設けず富裕層の子どもにも分け隔てなく支給すれば税の再分配とは言えないし、マイナポイントもカード普及のエサに血税を充てる最悪の策です。いずれにしろ、一時的なバラマキ策では構造的な格差は解消できず、困窮した世帯を救えません。むしろ、莫大な額の経済対策を重ねれば今後の増税など将来不安を駆り立て、消費を控えるだけ。経済成長には逆効果です。昨年の一律10万円給付だって、少なくとも7割が貯蓄に回ったとの民間試算もある。岸田政権が本気で格差是正を目指すなら、なぜ貧困の連鎖が危ぶまれる教育格差の問題や、非正規に頼らない経済の抜本的な転換に取り組まないのか。これだけの巨額の予算があれば、打てる手はいくらでもあるはずです」
岸田が唱える「新しい資本主義」とやらの正体は、単なる刹那のバラマキのようだ。
色濃くにじむ国家の私物化
岸田政権はバラマキ策で目くらましの安倍・菅路線から何も変わらない。理念なき場当たりで公明党に寄り添う現世利益をありがたがるのは、それこそ学会の信者だけだろう。
こんなバカげた経済対策の前に、岸田には壮大な無駄が確定したアベノマスクの落とし前をきっちり、つけて欲しい。何しろ、調達した布マスク計2億9000万枚の3割近い8272万枚が余り、倉庫に眠ったまま。昨年8月から今年3月までの保管費用は実に6億円以上に達した。
朝日新聞によると、配送を担う日本郵便が昨年11月まで保管したが、当初は保管を想定しておらず、場所不足で倉庫業者に委託して経費が跳ね上がった。その後、一般競争入札で落札した佐川急便の倉庫にマスクを運んだが、移送費のほか、段ボール箱の詰め替えやラベルの張り替えにも費用がかさんだという。
厚労省の担当者は今年度の保管費も「億単位にはなる」と朝日の取材に答えており、もはやアベノマスクの存在自体が、ベラボーな金食い虫である。
「衆院選中に公明党の山口代表が公約の給付金を『差し上げます』と発言しましたが、これが今の為政者の感覚です。国民から預かった税金を自分たちのカネと思い込んでいる。その発想の最たるものが、森友学園への国有地たたき売りなど安倍政権の国庫の私物化。その延長に岸田政権の経済対策があり、大学の無償化や奨学金をチャラにするなど将来の投資となる教育格差の解消には目もくれず、来夏の参院選のために目先のバラマキに走る。むろん、税金が打ち出の小づちであるわけもなく、将来のツケが回ってくることを考えると恐ろしくなります」(高千穂大教授・五野井郁夫氏=国際政治学)
格差解消なくして成長なし。財政規律などどこ吹く風の無軌道な自公与党によって、いよいよ、この国の経済は破壊に向かって一直線である。
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