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※2021年11月8日 日刊ゲンダイ3面 紙面クリック拡大
日本でもコロナ再拡大の予兆…水際対策緩和と緊急事態基準「感染者数」外しで大丈夫なのか
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/297103
2021/11/08 日刊ゲンダイ
逼迫してからでは遅い(C)共同通信社
世界的に新型コロナウイルスの“冬の流行”が始まった。欧州の感染急拡大を受け、WHO(世界保健機関)は「欧州が再びパンデミックの震源地に戻った」と警戒を強めている。中国や韓国でもリバウンドが起きている。
日本でも流行の兆しがみられる。東洋経済オンラインが公表している全国の実効再生産数(11月5日時点)は0.83。14道県が「感染拡大」を示す「1」以上。東京でも下げ止まり傾向だ。
「冬に向け世界で感染が再拡大する中、日本だけがこのまま無風というわけにいかない。スケールがどうなるかはわかりませんが、感染者数が増えていくのは間違いないでしょう」(西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏=感染症学)
昨年も11月中旬から一気に新規感染者数が急拡大している。
そうしたタイミングで、8日から入国者に対する水際対策が緩和される。これまで原則認めていなかった外国人のビジネス関係者や留学生、技能実習生らを条件付きで入国を容認し、ワクチン接種済みの日本人の帰国、外国人の再入国などの待機期間も14日間から最短3日間に短縮する。観光目的の入国も年内の再開に向けて検討を進めるという。
さらに、緊急事態宣言を発令する判断基準についても「感染者数」を外す方向で検討されている。ワクチン接種が進み、治療薬も登場したことから、新規感染者数が増えても、医療体制への影響は比較的小さくなるとみているからだ。
しかし、重要な指標である感染者数を軽視して大丈夫なのか。
「楽観的過ぎます。海外で感染者数が増えている中での水際緩和は理解に苦しみます。また、これまで、まず感染者が増加し、少し遅れて重症者が増え、医療逼迫につながっています。根っこの感染者数自体を抑えることが、医療体制を維持するための最大の対策です。逼迫してから手を打っても遅いのです。感染者数を判断基準から外し、感染抑制策が甘くなれば、再び、夏の第5波のような医療崩壊が起きてもおかしくありません」(中原英臣氏)
さすがに「感染者数外し」には一部の自治体から異論が上がっている。コロナを侮ってはいけない。
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