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公明が要望「18歳以下に10万円一律給付」岸田首相の“丸のみ”に維新が高笑いする理由
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/297060
2021/11/07 日刊ゲンダイ
松井代表(左)も吉村副代表も“ドヤ顔”(C)日刊ゲンダイ
また、いけない「聞く力」を発揮か。岸田政権が今月中旬にまとめる大型経済対策を巡り、「18歳以下に10万円一律給付」のバラマキ策を盛り込む方針で調整に入った。自民党内でも異論が飛び交う中、公明党の衆院選公約を“丸のみ”せんばかりの岸田首相の姿勢に、なぜか日本維新の会の高笑いが聞こえてくる。
◇ ◇ ◇
18歳以下への10万円給付案は、公明党が衆院選公約で「未来応援給付」として掲げていたもの。2000万人を対象に総額2兆円が必要と試算。昨年度の決算剰余金4兆5000億円を活用すると説明していた。
一方、自民は財政規律を重視。選挙中は給付対象を生活困窮者らに限定するなど公明案と隔たりがあったが、選挙が終わって早々に岸田政権は公明の主張を丸々受け入れるつもりだ。
早速、公明党神奈川県本部は、ツイッターに〈「未来応援給付」が早くも実現します〉〈あれ? 選挙終わってまだ1週間しか経ってない、、仕事早すぎる〉とアピールしたが、実際の支給開始は入園・入学シーズンを迎える来春を想定。あすにも給付が始まるならいざ知らず、「仕事早すぎ」は言い過ぎだろう。
昨年実施された国民一律10万円の現金給付を巡っても、岸田首相は公明にやりこめられた。
「当時、安倍元首相が自ら後継に想定し、政調会長だった岸田さんに“実績”を持たせるため、『減収世帯への30万円給付』案で意見がまとまり、一度は閣議決定まで持ち込まれた。ところが、決定過程から外された公明が激怒。山口代表をはじめ、公明側が『所得制限なしの一律給付』案への変更を安倍氏に強く要望した結果、『減収世帯』案はひっくり返されたのです。岸田さんは“実績”を公明党に奪われた格好でした」(永田町関係者)
普通ならリベンジを果たしてもいい岸田首相が、今回も公明の要望をのみ込まざるを得ないのは、選挙に弱いため。「党の顔」として機能せず、僅差で勝ち上がった自民候補の続出で公明サマサマ。来夏の参院選をにらみ、選挙協力が欠かせないからだ。この状況にほくそ笑んでいるのが維新である。
どこもかしこも「選挙協力」逆手に“野合” |
今回の衆院選で、維新は公明が候補を立てた9選挙区のうち、大阪など計7選挙区で擁立を見送り。維新の協力なしでは公明も苦戦必至。この先、選挙協力の継続のため、今度は公明が維新の要望をのまざるを得なくなる局面が出てくるだろう。これぞ“野合”というべきだ。ある維新関係者は“ドヤ顔”で日刊ゲンダイにこう話す。
「松井代表は大阪で選挙協力した公明について『今すぐ宣戦布告する必要はない』と言いましたが、あれは『いつかは大阪で宣戦布告するかもよ』という“脅し”です。特に今回の選挙で力を入れたのは、ウチも候補を立てた公明の“牙城”、東京12区での戦い。吉村府知事が2回も応援に入り、公明支持層が住む地域を徹底的に回った結果、ウチの候補は公明候補に2万票差まで迫り、比例復活できた。ウチが同じことを大阪でやれば公明の府内4選挙区はまず勝てませんよ。まあ、今後は公明にはウチの要望をしっかり聞いてもらうことになるでしょう。公明の言い分を“丸のみ”した自民とも交渉しやすくなるんじゃないですかね」
早くも選挙違反で運動員が逮捕された“チンピラ”政党にまで、岸田首相は聞く耳を持たざるを得ないのか。
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