http://www.asyura2.com/21/senkyo283/msg/764.html
Tweet |
※2021年10月25日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2021年10月25日 日刊ゲンダイ2面
【参院補選 静岡 敗北の衝撃】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) October 25, 2021
自民に鉄槌 ラスト1週間 雪崩現象が始まるぞ
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/J7IeOYGjzO
※文字起こし
腐りきった安倍・菅政治の継続を許すのか。マトモな政治を取り戻すのか。4年ぶりの政権選択選挙となる衆院選(31日投開票)は折り返し、後半戦に入った。
ラストサタデーを迎えた先週末、自民党総裁の岸田首相は東奔西走。23日は福岡県と佐賀県内で遊説。24日はフジテレビ系「日曜報道THE PRIME」とNHK「日曜討論」で党首討論後、日本維新の会の牙城と化した大阪入り。マイクの束を握りしめて「この国の経済、社会をしっかり回復させる。経済を大きくした果実を一人一人の所得を引き上げる形で実感してもらう」「日本経済の復活へさまざまな改革を進めていかなくてはならない」などと支持を訴えた。だがしかし、有権者の反応はどこへ行ってもパッとしない。なんせ岸田演説は空っぽ、具体性がゼロ。「日本経済の復活」をどうやって実現するのか。その道筋がサッパリ分からないから、義理人情でつながる支持者も、動員されたサクラも反応したくても反応できないのだ。
ホンの1カ月前、総裁選に名乗りを上げた岸田は弱肉強食を是とし、格差を拡大させた新自由主義政策の転換を標榜。「岸田は変わった」とアッと言わせ、「軽武装・経済重視」を掲げる宏池会のリベラル色を前面に押し出して戦った。それが、総理総裁ポスト欲しさで「3A」と呼ばれる安倍元首相、麻生前財務相、甘利幹事長にひれ伏し、あれよあれよという間にグダグダ。格差を是正する「令和版所得倍増計画」は言わなくなり、株式譲渡益や配当金などを対象とする「金融所得課税」の強化も封印。「党内調整」という名の利害調整ができず、公約に盛り込まれずじまいだ。目玉のひとつだった「健康危機管理庁」や少子化対策を担う「こども庁」の創設までどこかへ消えた。揚げ句、アベ子飼いの高市政調会長に公約の取りまとめをさせたものだから、この国の経済をズタズタにしたアベノミクスがゾンビのごとく蘇り、「敵基地攻撃能力の保有」「防衛費の対GDP比2%超え」といった右翼色が全開だ。
異例のテコ入れが逆効果
そうして岸田の金看板であるはずの「新しい資本主義」で重視する「分配」も立ち消え。「分配」を強く訴える野党との差別化を狙う甘利牛耳る党側から「成長」を前面に出すよう要請されたためだという。どこまで操り人形に徹するのか。政界五本指に入りそうな「つまらない男」に岸田カラー打ち出しを求めるのは酷だとしても、あまりにもひどいザマである。ハト派リベラル政権による悪政修正への期待は木っ端みじんに吹き飛ばされた。「新政権のご祝儀で短期決戦逃げ切り」というナメたシナリオは崩壊寸前だ。
フタを開ければ短期決戦は与党に裏目。驕り高ぶる自民に鉄槌を下せるか。ラスト1週間は共闘態勢で挑む野党のみならず、心ある有権者との最終攻防でもある。
自民をぶちのめす雪崩現象を予感させるのが、総選挙の前哨戦に位置付けられた参院ダブル補選だ。岸田政権にとって初の国政選挙。いずれも元は自民議員の議席で、「完全勝利」が必達だった。ところが、結果はマサカの1勝1敗。しかも、野党が候補を一本化できず、新人3人で争った静岡で負けた。衝撃だ。
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)は言う。
「野党に追い風が吹かない中、自民党が逆風にさらされた結果です。保守王国で野党共闘が実現しない中、立憲民主党と国民民主党が推薦する候補が自民党公認候補に勝利を収めたのは、総選挙の先触れではないか。しかも、岸田首相は告示日の7日に続き、21日にも応援に入った。異例のテコ入れにもかかわらず、自民党が接戦を制せなかったのは、有権者の意識が『デタラメな自民党にお灸を据えたい』というレベルを超え、『やっぱり自民党はダメだ』という方向へ向かっているからでしょう」
9月中旬の党情勢調査で自民候補は10ポイント以上離していたのに、岸田が初めて応援に入った直後には7ポイント差まで詰め寄られていた。衆院選が公示された19日に、口利きワイロ疑惑を抱える甘利が自分の出陣式をスッ飛ばして応援に駆け付けたのも逆効果だった。
G20を飛ばして選挙にかまける国家の恥 |
そうでなくても、マスコミ各社が報じた序盤情勢は自民が首の皮一枚。「自民減 単独過半数の攻防」(読売新聞)、「接戦区 野党共闘の効果」(毎日新聞)などの見出しが躍った。立憲民主、共産、国民民主、社民、れいわ新選組の野党5党は全289選挙区の7割超に当たる213選挙区で候補者を一本化。事実上の野党統一候補である無所属候補が立つ4選挙区も含めれば、217選挙区で一本化が成立した。
このうち132選挙区は与野党一騎打ちの構図で、その6割が大接戦なのだ。静岡の流れが全国に波及すれば、自民はガタガタだ。
共同通信の世論調査(23、24日実施)では比例代表の投票先は自民29・9%、立憲11・6%。その差は前回調査(16、17日実施)より1・6ポイント縮まった。望ましい選挙結果は「与党と野党の勢力伯仲」が前回比4・2ポイント増の49・4%。野党4党の候補一本化について「評価する」が44・75%に上った。内閣支持率は前回と同じ55・9%、不支持率は3・1ポイント増の35・9%に広がった。
そうした中、岸田の初外遊が持ち上がっている。英北部グラスゴーで31日から開催されるCOP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)について、岸田は当初「リモートなどの技術で参加することも可能だ。そうした技術を使うことで日本の存在力を発揮していきたい」とか言っていた。それが首脳級会合にオンライン出席や代理出席は認められず、総選挙の投開票直後に駆け込もうとしているのだが、結果次第で訪英を取りやめるという。第2次安倍政権下で4年7カ月もの間、外相を務めたのが自慢なのに、随分ヌケサクじゃないか。もっとも、「外交の安倍」が前面に出て、外相はお飾りに過ぎなかったのも事実だ。そもそも、国際的に重視される外交日程を棚上げして、選挙日程を組んだものだ。
「岸田首相はローマで30、31日に開かれるG20首脳会議への出席も見送ると報じられています。国際社会が直面する課題が噴出しているこの時期にG20を打ち捨ててまで国政選挙にかまけるなんて、ハッキリ言って国家の恥です。優先順位を間違えた結果、前哨戦で負けるのですから世話はない」(五野井郁夫氏=前出)
それもこれも、総選挙を前倒す「奇襲」で野党を蹴散らそうともくろんだ結果だ。党利党略が最優先され、岸田政権も日を追うごとにドス黒く染まっていく。
迫る単独過半数割れ
言うまでもなく、この選挙の争点は政治を少しでもマトモに戻せるかだが、相変わらず抽象的でトンチンカンな演説で安倍・菅政治の愚を繰り返そうとしている岸田政権に上がり目なし。すでに一騎打ちで次々と与党の劣勢が伝えられているがこの差は広がるのか縮まるのか。選挙情勢分析に定評のある政治評論家の野上忠興氏はこう言う。
「お膝元の横浜市長選で惨敗し、政権の座から引きずり降ろされた菅前首相を彷彿させる流れになってきています。参院静岡補選の敗北は岸田首相の責任は大きい。発言内容がコロコロ変わり、チグハグは浮き彫り。問題人物を幹事長に就けるなど、いい加減な人事にかつてないほど世論は敏感になっています。それに、新型コロナウイルス第6波への不安も拭えない。情を押しのけ、知を働かせる。選挙が本来あるべき姿に近づいています。自民党は20〜30議席は減らすとみていましたが、それでは収まらない空気の変化を感じる。単独過半数維持も危ういかもしれません」
民主主義の行方がかかるこの1週間で、大波乱の展開を起こし得る。面白くなってきた。
関連記事
岸田首相自滅…参院静岡補選まさかの敗北で総選挙1週間前に「勝てない総理」の烙印(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/21/senkyo283/msg/758.html
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK283掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK283掲示板 次へ 前へ
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/
since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。