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岸田首相自滅…参院静岡補選まさかの敗北で総選挙1週間前に「勝てない総理」の烙印
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/296518
2021/10/25 日刊ゲンダイ
参院静岡補選は立憲・国民推薦の山崎真之輔候補が当選(C)日刊ゲンダイ
自民党の“選挙の顔”に黄信号だ。岸田政権にとって初の国政選挙となった参院静岡・山口両補欠選挙が24日投開票。いずれも自民党の前議員の辞職に伴う補選で、自民にすれば「勝って当たり前」。ところが、静岡は野党候補が猛烈に追い上げ、まさかの敗北。2度も応援に入った岸田首相は面目丸潰れで、天下分け目の総選挙に向けて自民に逆風が吹き荒れかねない。
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◇ ◇ ◇
「衆院選に先立って、1週間早く投開票を迎える。まず先陣を切ってもらうため、頑張ってもらわなければならない」
岸田首相は21日、浜松市内で自民公認の若林洋平候補の横に立ち、そう訴えた。告示日(7日)に続き、2度目の静岡入り。現職総理が短期間で立て続けに補選の応援に入るのは異例中の異例。その上、総選挙も始まったにもかかわらずだ。
2度も応援に入り前哨戦を強調
首相周辺も「2度も入って失敗はできない」と語り、岸田首相が自らつくり出した“絶対に負けられない”補選。しかも、応援演説で衆院選の前哨戦と強調したことにより、自分の手で自らのクビを絞める結果を招いた。
「共産党も候補を立て、野党側の共闘態勢は整わず、当初の情勢調査はウチがリード。告示日に総理が応援に入った時は『恥をかかせることはない』と踏んだのですが……」(自民県連関係者)
川勝県知事の“参戦”で有権者が目覚める
岸田首相自ら「絶対に負けられない」と、前哨戦強調していたにも関わらず…(C)日刊ゲンダイ
有権者を目覚めさせたのは、静岡県の川勝平太知事の“参戦”だ。出陣式に飛び入り参加した告示日以降、野党系無所属の山崎真之輔候補(立憲・国民推薦)を全力で支援。6月の知事選で自民推薦候補に大勝した余勢を駆って、自民に闘志ムキ出し。「リニア建設問題で菅政権以上に岸田政権は強硬姿勢」「熱海で土石流が起きたのに、リニア建設ではあの7倍の盛り土が出る」などと県民の関心事であるリニア問題に絡め、政権批判を全面展開した。
すると、「人口の少ない御殿場市の元市長で知名度は低く、若いのに新鮮さに欠ける」(地元関係者)と評判は散々な若林の陣営に追いつき、ついに逆転したのだ。
「初陣を飾れず“選挙に弱い総理”の烙印を押されそうな岸田首相だけでなく、衆院選を戦う県内の自民候補も戦々恐々でしょう。川勝知事は『県選出の自民党国会議員は誰一人として岸田政権の重役を担っていない。役に立たないということだ。自民党にお灸を据えよう』と挑発。県内の自民候補は全員落とすと息巻いています」(現地を取材したジャーナリスト・横田一氏)
“奇跡の勝利”に勢いづく野党だが、立憲は当初、「衆院選の前哨戦には当たらない」(福山幹事長)と距離を置き、幹部の静岡入りに難色を示していた。予想以上の善戦にシレッと豹変し、枝野代表が国民・玉木代表、連合・芳野会長と静岡市で集結したのは投開票の2日前。川勝人気が支える“勝ち馬”に後から乗ったに過ぎない。
「野党は自力で勝利したとは言えませんが、地元の関心の高いテーマで政権のおかしさをズバッと指摘すれば、自民候補に勝てると分かったはず。身をもって証明した川勝知事を見習うべきです」(横田一氏)
総選挙の投開票まで、野党は「勝って兜の緒を締めよ」ということだ。
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