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自民・甘利幹事長「政府の意思決定の中に共産党の意思が」執拗に野党共闘を“口撃”するワケ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/296222
2021/10/19 日刊ゲンダイ
200を超える選挙区で、与野党1対1の構図に…(自民党の甘利明幹事長)/(C)日刊ゲンダイ
「立憲さん、共産党さんが候補を一本化して、限定的といえども閣外協力をする。政府の意思決定の中に共産党の意思が入ってくる。自衛隊や天皇制に対する考え方が全く違う」
17日に放送されたNHKの「日曜討論」で番組冒頭、こう語気を強めていたのが自民党の甘利明幹事長だった。
この発言に対し、立憲民主党の福山哲郎幹事長は「限定した政策の中ですし、安全保障の問題について我々は現実的で日米安保体制を基軸としている。共産党さんとは異なる形ですので、ご安心を頂きたい」と反論。共産党の小池晃書記局長も「立憲、れいわ、社民の皆さんと国政全般にわたる共通政策を確認しました。独自の政策立場は持ち込まないと明言している」とかわしていたが、衆院解散直後のぶらさがりでも、「立共共闘」に警戒感を強めていた甘利幹事長。総選挙を仕切る自民党の幹事長として、野党共闘を繰り返し批判する姿は異例だろう。甘利幹事長はなぜ、執拗に野党共闘を“口撃”しているのか。
「『焦り』でしょうね。今までの選挙は自民党候補に対して野党候補が分裂して票が割れることで勝ってきました。ところが、今回は200を超える選挙区で与野党1対1の構図となったわけです。こうなると、どう転ぶか分からないし、共産票はかなり固い。だから、執拗に共産批判を繰り返しているのでしょう。自分が幹事長となって初めての国政選挙だけに動揺しているともいえますが、本来は政策を訴えるのが選挙。野党批判ばかりだとマイナスになると思うのですが……」(与党担当記者)
福田赳夫元首相の秘書を務めた中原義正氏もこう言う。
「歴代の自民党幹事長というのは公明党幹部らと太いパイプを築いてきたが、甘利氏はそれがない。しかも、自身にカネの醜聞があるため、公明党の支持母体である学会も動かない。焦るのは当然だろう。(安倍、麻生両元首相と一緒に)3Aと呼ばれ、党内は結束力があるかのように報じられていたが、それも総裁選まで。今や3Aは崩壊し、それぞれが皆、好き勝手に動いているようだ。となれば党内はガタガタでは国政選挙どころではない。だが、これは今の自民党の汚れた体質が招いたこと。この際、徹底的に壊れたほうがいい」
自民党議員の国政選挙といえば、かつては皆がドンと構えて横綱相撲の戦いだったが、今はそろって右往左往し、幕下以下の小粒のよう。どうりで甘利幹事長が「猫騙し」を多用しているわけだ。
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