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あの大物議員も大ピンチ…!「ド短期解散選挙」のヤバすぎる予測
https://friday.kodansha.co.jp/article/210525
2021年10月18日 FRIDAYデジタル
波乱の短期決戦に(共同フォト)
超短期決戦の「10・31総選挙」。新型コロナウイルス流行後初めての本格的な国政選挙に国民の関心は高いかといえば、必ずしもそうではない。低調な船出となった岸田文雄政権のスピード解散で、各党の公約を読み解く時間は限られ、スター候補の不在や対立軸など「コンテンツ不足」も重なる。
岸田政権発足後、マスコミ各社が実施した世論調査の結果は衝撃的だった。内閣支持率は朝日新聞45%、毎日新聞49%、時事通信40.3%…。「出だし好調」とは言えないなかで、懸念されるのは総選挙への関心である。
NHKが8〜10日に実施した調査によると、衆院選の投票に「必ず行く」と答えた人は52%。与党支持層で60%、野党支持層は73%と高いが、「支持なし」層は40%にとどまる。衆院選に「非常に関心がある」はたったの25%だ。2019年参院選前の調査では「必ず行く」49%、「非常に関心がある」19%で、その傾向は今回のそれと近い。ちなみに、この参院選の投票率は48.80%で、1995年参院選の44.42%に次ぐ低さだった。
国政選挙の投票率はずっと低調が続いている。2017年衆院選の投票率は53.68%と戦後2番目の低水準。2014年衆院選の52.66%は戦後最低だった。今回の総選挙も低投票率を否定できるだけの材料はない。
加えて、今回の衆院選で重視する政策課題に「経済・財政政策」「景気・雇用」を挙げる国民は多いが、読売新聞の調査では岸田首相が掲げる「新しい資本主義」に「期待できない」と回答した人の数は52%に上っている。
SNSを活用したトレンド分析が専門の佐藤健太氏は「大盤振る舞いの各党の公約が目立ちますが、必ずしも期待を持たれておらず、熱量は高くありません。一般的に低投票率になれば組織戦を得意とする自民党には有利に働くといわれてきましたが、最近では必ずしもそうではない。無党派層にそっぽを向かれれば結果は違ってくるでしょう」と解説する。
では、今回の総選挙の「本当の注目どころ」はどこにあるのか。筆者は、自民党が10月に、立民が9月に調査したとされる各選挙区ごとの情勢調査を入手。選挙担当の全国紙政治部記者に、それらの解析を依頼した結果、「まさか、あの大物が…」と驚いてしまう、衝撃の予測が浮かび上がってきたのだ。
東京8区で連続当選している自民党の石原伸晃・元幹事長に、立憲民主党の吉田晴美氏が挑む戦いは、「全国レベル」の注目を集める。れいわ新選組の山本太郎代表が一時立候補を表明すると、野党共闘を理由に出馬辞退を促されると見た吉田氏の支援者らを中心に同情する声が強まり、山本氏もこの選挙区での出馬を撤回。その過程がクローズアップされ、必然、同選挙区の有権者は今回の選挙に関心を持つようになった。石原派会長も、この「乱戦」のなかで厳しい戦いになる…との見方がある。
立憲民主党の菅直人元首相に、かつての「部下」が挑戦する東京18区。民主党時代に菅政権で防衛政務官を務めた長島昭久氏は、自民党から選挙区を「国替え」し、知名度の高い応援弁士を招くなど熱戦を繰り広げる。2009年の政権交代選挙では海部俊樹元首相が落選したが、その選挙の立役者だった菅元首相もまた、今回の選挙では決して油断をできないと予想されている。
週刊誌上で現職閣僚の当選予想に「A」評価が並ぶ中、岸田内閣で初入閣した自民党の西銘恒三郎・復興相兼沖縄北方担当相は沖縄4区で厳しい戦いを強いられているとの予測も。各種調査によると、立憲民主党の金城徹氏との接戦が見込まれている。
また、9月1日に発足したデジタル庁を担った自民党の平井卓也・前デジタル担当相は香川1区で、立憲民主党の小川淳也氏と互角の戦いとの予測。維新は町川順子氏を擁立予定で、これが混乱要素となるかどうか。選挙前から激しい攻防がみられている。
今年1月、新型コロナの感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令中に東京・銀座のクラブを訪問したことが批判され、自民党を離党した無所属の松本純・元防災相。麻生太郎自民党副総裁の最側近として知られる松本氏の神奈川1区は、立憲民主党の篠原豪氏が優位な戦いをみせる。衆院解散前の復党はかなわず、もしも敗れれば比例復活の道はない。
松本氏と同じく自民党の離党を余儀なくされた大塚高司氏は出馬を断念。田野瀬太道氏(奈良3区)は着実な戦いを進め、「銀座3兄弟」は三者三様となっている。
かつて権勢をふるった「伝説の議員」も激しく追い上げられている。自民党幹事長として剛腕をみせ、離党後は自民党からの政権交代を成し遂げた立憲民主党の小沢一郎氏だ。岩手3区で、前回は無所属で出馬しながらも連続17回当選を果たした。だが、今回は自民党の藤原崇氏も追い上げを見せる。苦戦することはないと言われる一方で、告示日を地元で迎えるのは初当選以来というから、小沢氏陣営の緊張感は高まっているようだ。
1976年の初当選から1度も負けたことがない中村喜四郎・元建設相。無所属での当選を重ねてきたが、今回は立憲民主党からの出馬だ。その「無敗の男」に自民党の永岡桂子・元文科副大臣が挑む茨城7区では、中村氏を推薦してきた公明党が今回は永岡氏に切り替え、地元首長らとの包囲網で大金星を狙う。擁立を見送る共産党との連携で「中村王国」を維持できるかが注目されている。
東京五輪開催後から1カ月近くを自民党総裁選でメディアジャックした割には、安倍晋三政権時代のような勢いがない自民党。対する野党も失言問題や候補者調整をめぐる混乱などで機運を削いでいる点は否めない。
コロナ禍の短期決戦に国民の関心が非常に高いとは言えない中、「まさか」は起こり得るのだろうか。
取材・文:小倉健一
ITOMOS研究所所長
写真:共同通信
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