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※2021年10月15日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2021年10月15日 日刊ゲンダイ2面
【争点は狂った政治か、まっとうな政治か】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) October 15, 2021
変わらず驕る自民党に鉄槌が必要
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/lSYfWhHPHW
※文字起こし
岸田首相が14日、予告通りに衆院を解散した。19日公示、31日投開票の総選挙に向け、失職した前議員らは与野党問わず、地元へ猛ダッシュ。事実上の選挙戦に突入した。新政権発足から10日間のスピード解散、解散から投開票まで17日間。いずれも戦後最短だ。
与野党9党首は「報道ステーション」(テレビ朝日系)や「news23」(TBS系)で早速、生討論。新聞各紙も含めた大メディアは案の定、与野党の衆院選公約を比較し、選挙情勢を流している。4年ぶりの政権選択選挙は野党共闘が前進し、与野党対決が鮮明になった。自民党と野党第1党の立憲民主党の公約を比べ、〈ともに「分配」を打ち出す経済政策は似通う〉などとシタリ顔で解説しているが、自民党の公約などはすべて過去9年間のデタラメ政治を糊塗する目くらましだ。
ホンの2カ月前、総裁選に名乗りを上げた岸田は今から思えば別人のようだった。弱肉強食を是とし、格差を拡大させた新自由主義政策の転換を標榜。「軽武装・経済重視」を掲げる宏池会のリベラル色を前面に押し出し、「令和版所得倍増」「成長から分配へ」と格差是正を訴えた。所得倍増はさすがに盛っているとはいえ、低成長・低賃金にあえぐこの国の惨状に向き合う気概を感じさせた。ところが、総理総裁ポスト欲しさで「3A」と呼ばれる安倍元首相、麻生前財務相、甘利幹事長にすぐさまひれ伏し、アッという間にふにゃふにゃになった。
アベノミクスに先祖返り |
フタを開けてみれば公約から「令和版所得倍増」は消え、数少ない歳入拡大策だった金融所得課税の強化も封印。岸田が言う「新しい資本主義」は悪質な言葉遊びで、その前提は「大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略の推進」なのである。この国の経済をズタボロにしたアベノミクスそのもの。骨抜きどころか、タチの悪すぎる先祖返りだ。新型コロナウイルス対策の目玉だったはずの「健康危機管理庁」は党内の雑音にかき消され、総裁選の突破口を開いた「党役員任期の1期1年、連続3期まで」の党改革案も消えた。
にもかかわらず、解散に当たって会見した岸田は「今回の衆院選は『未来選択選挙』だ」と命名。「国民一人一人が豊かで生き生きと生活できる社会をつくり上げるのはどの政権なのか。国民のみなさんに選んでいただきたい。新型コロナ対策、そして危機的な状況を乗り越えた先にどんな社会を見ていくのかが争点になる」と勇ましかったが、安倍・菅政治の失策焼き直しでどうすれば国民の暮らしが上向くというのか。
「成長も分配も実現を目指す。野党の言うように分配を行うだけでは、成長ができなくなり、分配するパイもなくなってしまう」とも言っていたが、それこそブーメランだ。
政治評論家の森田実氏は言う。
「野党の要求に応じて予算委員会を開き、衆院任期満了の21日まで国会審議に応じたならまだしも、国会から逃げて何の実績も上げていない岸田政権を評価のしようがありません。安倍・菅政治という過去も、負の遺産の総括もできない人間が未来を言うのはゴマカシです。この総選挙はゴマカシはやめてくれ選挙、日本はこれでいいのか選挙ですよ」
問うべきは小手先の政策論ではなく、自民党政権の腐敗体質。争点は狂った政治か、まっとうな政治か。変わらず驕る自民党には鉄槌が必要だ。
約220の小選挙区で野党共闘が実現 |
立憲民主党と共産党が進めていた候補者調整はほぼ決着。全国289の小選挙区のうち、野党候補の一本化は約220まで積み上がった。共産党を敵視する支援団体の連合の顔色をうかがう立憲民主党がモタモタしていたせいでギリギリまでもつれ込んだものの、反自民の受け皿は何とか整った格好だ。すると、1強多弱に支えられ、デタラメの限りを尽くしてきた自民党からは悪意に満ち満ちた野党批判が噴出である。
くすぶる口利きワイロ疑惑を強権で封じ込めようと躍起の甘利幹事長は、「衆院選挙は政権選択選挙で、勝ったほうが総理大臣をとることになり、われわれの自由民主主義の思想のもとに運営される政権と、共産主義が初めて入ってくる政権のどちらを選ぶかが最大の焦点になる」と論点ズラシのペテン攻撃。仮に政権交代が実現しても、共産党は「限定的な閣外協力」という立場。そうでなくても、どの口が言うという話だ。第2次安倍政権発足以降、自由を謳歌してきたのは安倍に連なるオトモダチばかりだった。国家私物化を極め、モリカケ桜をはじめとする数々の疑惑が噴出し、内閣人事局を通じた霞が関の支配によって、忖度官僚を量産。民主主義の根幹である公文書の改ざんや廃棄が横行する事態に陥った。
諸悪の根源と言っていい安倍まで「この解散は『コロナ脱却V字回復解散』だと思う。いかに新型コロナウイルスを脱却していくかの道筋を示し、どのように経済を再生していくかを訴えていく選挙だ」「立憲民主党が安全保障政策で全く違う考えの共産党と協力するのは、選挙のためだけの『談合協力』だ。もし政権を取れば、日米の信頼関係が根底から崩れ、そういう政権を許すわけにはいかない」などとペラペラ。コロナ禍に右往左往し、国民生活をドン底に突き落とした揚げ句、性懲りもなく再び政権をブン投げたのはどこのどいつだ。
「新しい資本主義」でディストピア |
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。
「総選挙の意義は大きく2点あります。まず、9年近く続いた安倍・菅政治に対する審判です。民主主義は徹底的にぶっ壊され、立憲主義も法治主義も壊された。そして、ポストコロナに向けてどんな社会をつくるか。岸田首相が掲げる『新しい資本主義』の本質はディストピアです。金持ちをさらに富ませ、貧困層はさらに貧しく、中間層をも貧困に沈ませかねません。例えは微妙かもしれませんが、『美しい人はより美しく、そうでない方はそれなりに』という名フレーズで1980年に話題になった樹木希林さん出演の富士フイルムCMを思い起こさせます。岸田首相は勝敗ラインを与党で過半数と低めに設定しており、これをクリアすれば信任を得たと胸を張るでしょう。過去を帳消しにするばかりか、下手をすれば悪政を繰り返しかねない。なにせ、3A頼みの傀儡政権です。自民党を勝たせればこの国はますます後退してしまいます」
党を変えられない変える気もない岸田政権を継続させても、狂った政治はマトモにならない。
「国民のことを考えない政治が長く続いたことで、しらけムードが社会に蔓延し、投票に行きたくないほど政治不信が深まっている危険を感じます。投票率が下がれば、民主主義は機能不全に陥る。そうなれば、体制側の思うツボです」(森田実氏=前出)
これほど一票を投じる価値がある選挙は、そうそうない。
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