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※2021年10月14日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2021年10月14日 日刊ゲンダイ2面
【権力の濫用、目くらまし】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) October 14, 2021
大メディアは1行も書かないが「この解散には1ミリも大義なし」
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/8AaeCdcSgD
※文字起こし
14日、衆議院の解散に踏み切る岸田首相。衆院選は19日公示、31日投開票の日程で行われる予定だ。
14日朝、官邸の囲み取材で、「これから国民の判断をいただかなければならない。大変厳粛な気持ちだ」とか言っていたが、よく言うよ――だ。
つい、この間の総裁選で、「生まれ変わった自民党を国民に示す」などと威勢よく叫んでいたのに、いざ政権が誕生してみたら、生まれ変わるどころか、悪しき安倍・菅政権の先祖返りの姿勢が浮き彫りになったからだ。野党が要求した衆院解散前の予算委開催にも応じず、シレッとして「国会が決めること」と言い放っていたから呆れてしまう。
このセリフ、どこかで聞いたことがあると思ったら、森友、加計問題や総務省の接待疑惑などをめぐり、安倍元首相や菅前首相が散々、繰り返してきた「疑惑隠しの逃げ口上」と同じ。総裁就任時に強調していた「丁寧で寛容な政治を行う」「国民の声を聞く」は一体何だったのか。まるで嘘八百ではないか。
12日から始まった衆参両院の代表質問も酷かった。総裁選で掲げていた目玉政策がどんどん後退し、雲散霧消してしまったからだ。例えば経済政策。岸田は総裁選で、預金や株式、投資信託などの金融商品で得た所得(配当金、利子、株式譲渡益など)に対して税金を課す「金融所得課税」の強化を看板政策のひとつにしていたが、なぜか詳しい理由を示さないまま先送りの流れとなり、同じく総裁選で訴えていた、格差是正で中間層を復活させる「令和版所得倍増計画」も所信表明演説では触れられもしなかった。
岸田は安倍・菅のマトリョーシカ
「言いたいことを言いっぱなしだ」
立憲民主党の安住国対委員長が岸田の言動をこう批判していたのも当然で、これでは「総裁選の発言は思い付きでした」と白状しているに等しい。政府・与党からは「総裁選公約と政権公約は違う」といった声が出ているらしいが、総裁選時は「政権与党の代表者を選ぶ重要な選挙だ」などともっともらしく言っていたのは誰なのか。
代表質問で「いきなりブレすぎではないか」と問いただした立憲民主党の福山幹事長に対し、岸田は「経済政策の基本的な方向性を申し上げた。旗は降ろしていない」と答えるのが精いっぱいだったが、誰がどう見ても「旗を降ろした」としか思えない。国民を愚弄するにもホドがあるだろう。
岸田は新型コロナ対策のひとつとして、政府権限を強化するための「健康危機管理庁(仮称)」設置を提案し、所信表明演説でも、「司令塔機能の強化や人流抑制、医療資源確保のための法改正、国産ワクチン治療薬の開発など、危機管理を抜本的に強化する」と言っていたにもかかわらず、自民党の政権公約を見ると、<司令塔機能の強化など、公衆衛生分野の危機管理能力を抜本的に強化する>とあるだけだ。
その一方で、自民党の公約には、なぜか高市政調会長が総裁選で訴えていた、<GDP比2%以上も念頭に増額を目指す>という防衛費拡大が前面に打ち出されていたからワケが分からない。一体、今の政権の「主」は岸田なのか、それとも高市なのか。あるいは高市のバックにいる安倍元首相なのか。いずれにしても、岸田政権は安倍・菅政権の傀儡というよりも、そのもの。同じ顔の「ワル」が少しずつ小粒になり続いている「マトリョーシカ」のようだ。
福田赳夫元首相の秘書を務めた中原義正氏がこう言う。
「おそらく岸田首相は主要ポストを他派閥に握られ、ニッチもサッチも動けないのだろうが、結局、安倍・菅と同じ。腐った自民党体質は何も変わっていない。総理総裁として国民のために泥をかぶり、汗を流し、身を挺してという覚悟もない。しょせんは首相の器ではなかったということだろう」
民主主義の危機を招いた責任はメディアにもある |
あれだけ声高に「党改革」を訴えながら、このザマでは、あの安倍破廉恥政権を「継承する」と胸を張っていた菅前首相の方がまだマシだったかもしれないが、岸田にとって念願の首相の座に就いた今、一日でも長く首相を続けることが最優先するべき仕事だと思っているのだろう。そのためには安倍・菅のマネをするのが一番。問題が起きたら役人が書いた作文を読み上げ、「知らぬ存ぜぬ」をオウムのように繰り返す。厳しい質問をされたら「すり替え」「はぐらかし」の言葉を多用しながら「答えを差し控える」と言って時間を稼ぎ、その間に公文書は隠蔽、改ざん、破棄だ。
それでも決定的な証拠を突き付けられたら、開き直って「適切に処理する」と言い、いよいよ最後のゴマカシ手段は、正体不明の第三者委に調査を委ねて「ハイおしまい」だ。
これは岸田が総裁選で訴えていた「国民の声を聞く」とはおよそ正反対なのだが、野党の予算委開催要求を無視し続け、政策論点も見せないまま解散という「目くらまし」の暴挙に出る姿勢は「民主主義の冒涜」「権力の濫用」と言っていい。安倍・菅政権時代から繰り返されてきた前代未聞の議論封じ、ボロ隠しの常套手段だ。
総選挙前に自民幹部だけがテレビ出演の愚
「衆院任期を超えた総選挙は憲法違反という野党の声に応じた」
岸田が首相就任から10日で解散し、解散から17日で投開票という戦後最短での選挙日程を示したことについて、政権与党の幹部はこう説明しているらしい。
「だから予算委を開いている場合じゃない」とでも言いたいのだろうが、そもそも総選挙日程が任期ギリギリとなったのは自民党の党利党略が原因だろう。
本はといえば、東京五輪のお祭りムードを利用して衆議院を解散し、総選挙で勝利を収めてから総裁選で無投票再選を果たす――という、菅が当初描いていた身勝手なシナリオが新型コロナウイルスの感染拡大によって目算が狂い、自滅に追い込まれたのが始まりだ。
その後の「菅降ろし」から始まった自民党内のゴタゴタは周知の通りで、要するに総裁選がずれ込むほど、総選挙日程がタイトになるのは当たり前。安倍政権の国難解散から始まり、“伝家の宝刀”の名のもとに解散権を好き勝手にしてきた自民党政権の憲法破壊が諸悪の根源なのだ。
それなのに大メディアはそんな悪辣政権の姿勢を批判もしない。
本来は「こんな暴挙は許されない」「この解散には1ミリも大義なし」と報じるべきなのに岸田政権のお先棒を担いでいるから何をかいわんや。テレビに至っては、岸田や甘利幹事長を相次いで招き、実現するかも分からない政策の説明や候補者調整の話を「あ〜だ」「こ〜だ」と説明させたりしているからクラクラする。
政権党とはいえ、すでに事実上の選挙戦に入っているのだ。特定政党の幹部のみにベラベラとしゃべらせていいわけがないだろう。岸田を出演させるのであれば、野党党首も登場させるのは当たり前。不偏不党は一体どうなったのか。
メディアがこんな不見識、体たらくだから、安倍・菅政権の焼き直しに過ぎない岸田がノウノウとしていられるのだ。
元NHK政治部記者で評論家の川崎泰資氏はこう言う。
「岸田首相は『民主主義の危機』を口にしていたが、その責任は自分たちにもあることをなぜ、メディアは分からないのか。ちょっと前は菅前首相を『パンケーキ好きのたたき上げ』と言ってもてはやし、今度は『新しい資本主義』などと大騒ぎ。岸田政権の政策の中身を見れば、何もないことが分かるだろうし、安倍・菅政権と変わらないと気付くはずなのに、問題点を指摘しないどころか、例によってヨイショ報道ばかり。全くどうかしています」
自民愚弄政権の民主主義の破壊行為にメディアも加担しているのだ。
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