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岸田政権不人気!自民が頭を抱える“甘利ファクター”の破壊力、衆院選まさかの単独過半数割れも
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/296027
2021/10/14 日刊ゲンダイ
学会と不仲(C)日刊ゲンダイ
岸田首相が14日午後、衆院を解散し与野党激突の選挙戦が事実上スタートした。19日公示・31日投開票の超短期決戦は戦後最短の日程で、早い方が勝てるという岸田自民の思惑が強く反映されている。だが、岸田政権が想定以上に不人気で、よもやの単独過半数割れも囁かれ始めた。
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永田町では、自民党が先週末の9、10日に行った全選挙区の情勢調査が出回っている。自民党は現有276議席から21減らし、さらに当落線上の接戦区が20あるとの結果だったという。
「野党候補が一本化されれば、さらに40から50選挙区が激戦区になるとみられています。岸田首相は、超短期決戦なら野党共闘の効果も間に合わないと考えたのでしょうが、この戦術は諸刃の剣になりかねない。岸田内閣の支持率は“ご祝儀相場”もなく、おおむね50%台と発足直後にしては低調ですが、それより特徴的なのは、支持するかどうか『答えられない』『わからない』の回答が多いことです。まだ何も仕事をしておらず、評価が定まっていないからで、そういうときは失言などのミスひとつが致命傷になり、流れが一気に変わる可能性があります。そして、それを挽回する時間もないのが超短期決戦の怖さなのです」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
野党共闘は13日、共産党が22選挙区、立憲民主党が3選挙区で候補者を取り下げることを決め、急ピッチで候補者調整が進んでいる。289選挙区のうち、230近い選挙区で野党候補の一本化が実現することになり、今後さらなる上積みもあり得る。
自公選挙協力もギクシャク
もし50議席減らして単独過半数(233議席)を割り込めば、岸田首相の進退問題に発展しかねない。そこに大きな影を落とすのが、甘利幹事長の存在だ。
選挙を仕切る幹事長は“党の顔”。公明党との関係が良好だった二階前幹事長、菅前首相に代わってカウンターパートになった甘利幹事長が「政治とカネ」の疑惑を抱えていることもあって、公明との選挙協力がうまくいっていないというのだ。
「選挙の実動部隊になる学会女性部は政治家のカネや女の問題を極端に嫌います。しかも、甘利さんはもともと公明党との関係が良くない。安倍政権で選対委員長を務めていた時、『なぜ公明党に名簿を渡さなきゃいけないんだ』『公明に査定されて候補者が言いなりになる』などと反発を深め、公明党が自民党支持層を奪っていると警戒感をあらわにしていました。2019年参院選の前には、選挙協力の合意文書にわざわざ『与党内部での集票活動の競合につながるような行為は互いに慎む』の一文を入れさせたほどで、学会で選挙責任者だった佐藤副会長とは犬猿の仲でした」(自民党関係者)
佐藤氏は退任し、当時のような実権は握っていないが、学会側の“選挙のプロ”として影響力を行使しているという。
野党の候補者一本化で与野党接戦区が増えるほど、自公選挙協力の重要性は増し、学会の動きが雌雄を決する可能性も高まるのだが、甘利幹事長のせいで激戦区を落としかねない状況だ。自民の過半数割れも十分、考えられる。
岸田首相は今ごろ、公明党の“甘利嫌い”の大きさに頭を抱えているかもしれない。
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