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日本の豊かさはどこへ? もはや「ナンバーワン」になれる可能性は消失した 三枝成彰の中高年革命
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2021/10/09 日刊ゲンダイ
(C)日刊ゲンダイ
まず、別表のランキングを見ていただきたい。このランキングを見て、どうお感じになるだろうか?
日本が「一億総中流」と言われていたのは1970年代の話だが、それから約50年が経過したいま、現実を見れば、そのイメージはもはや幻想の領域に近くなっている。
日本のGDPはアメリカと中国に次いで世界第3位……というのは、名目上は確かに正しい。実質的な国の豊かさを示す国民1人当たりの購買力平価で考えると、日本は世界30位。ドイツ、フランス、イギリスに及ばず、韓国にも抜かれているのが現実だ。
OECD(経済協力開発機構)の統計によると、世界各国の平均賃金は円ドル換算で約546万8000円。1位のアメリカが771万7000円なのに対して、日本は27位で428万3000円。アメリカの半分強しかなく、世界の平均にすら届かない。韓国の平均賃金も466万6000円で日本をしのいでいる。
日本より下はスペイン、イタリア、東欧諸国にギリシャ、チリ、メキシコなど。「GDPでは世界3位なのだから」と安穏としていられない現実が、ここにある。
一部の富裕層を除き、国民の大多数は、いまの生活が豊かだと感じてはいないはずだ。
「東京貧困女子。」というマンガを読んだ。これが実に切なく、いたたまれなくなる内容だった。学費を稼ぐために風俗で働く女子大生、災害で実家からの仕送りが途絶え、やむを得ず同性に体を売る男子学生、生活保護を受ける条件に適合せず、子どもたちを抱えて悩むシングルマザーなど、“貧困”をめぐる無残な現実を描き出している。これを読めば、私たちのすぐそこにある“貧困”を、感じることができるだろう。
このGDPのランキングにある現実を、多くの人は知るべきだ。日本の豊かさはどこにいったのか。もはや取り戻すことはできないのか。日本はいったいどこで間違ったのか。
国の舵取りを担う政治家や官僚には、“貧困”という見えない網にとらわれて苦しんでいる人たちを決して見捨てず、救い上げる手段を探り、早急に講じてもらいたい。
日本人が本来持っていたはずの「ナンバーワン」になれる可能性を再び芽吹かせるために、私たちは何をすればいいのだろうか。
三枝成彰 作曲家
1942年、兵庫県生まれ。東京芸大大学院修了。代表作にオペラ「忠臣蔵」「狂おしき真夏の一日」、NHK大河ドラマ「太平記」「花の乱」、映画「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」「優駿ORACIÓN」など。2020年、文化功労者顕彰を受ける。
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