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高市早苗の最側近は「生産性がない」杉田水脈でテレビ局にも同行! ソフト作戦の裏に女性差別主義者の顔、夫婦別姓賛成派にデマ攻撃も
https://lite-ra.com/2021/09/post-6028.html
2021.09.23 高市早苗の最側近は「生産性がない」杉田水脈でテレビ局にも同行! リテラ
高市早苗チャンネルより
投開票まで1週間をきった自民党総裁選だが、ダントツで勢いづいているのが高市早苗陣営だ。安倍晋三・前首相が支持に回り、ついには安倍・高市2ショットのポスターまで用意。安倍応援団も総動員状態で、「世界が注目! 第100代 初の女性首相へ」という言葉が躍るYouTube広告も高市事務所公認の私設後援会が出稿しているという。
この勢いがどこまで票につながるかは不透明だが、当初見込まれていた泡沫では終わらず、それどころか決選投票に高市氏が食い込むことになれば、本気で「女性初の首相」が誕生することも十分考えられる。
だが、本サイトでも繰り返し指摘してきたように、高市氏は超がつく極右思想の持ち主であり、選択的夫婦別姓に強硬に反対するなど、女性の当然の権利を阻害する言動を繰り返してきた人物だ。
そして、高市氏が次期総裁・次期首相になることがいかに恐ろしいかを如実に示す事実がある。というのも、今回の総裁選において高市氏の「最側近」となっているのが、あの杉田水脈・衆院議員だというからだ。
杉田議員は今月14日に自身のブログで〈私は高市早苗候補を応援しております〉と表明し、Twitter上でも高市氏との2ショット写真を投稿したり、メディア出演情報を発信するなど熱心な広報活動をおこなっているのだが、今週発売の「週刊文春」(文藝春秋)は、高市氏の最側近となっているのが杉田議員であると報道。テレビ出演時には慣例上同行者は1人だけと決められており、他の候補者は副大臣経験者を連れているというが、高市氏は要職に就いたことのない杉田議員を同行させている、というのだ。
たしかに、17日に杉田議員は〈フジテレビ「イット」これから始まります!〉とつぶやき、スタジオの模様や控室の様子と思しきカットを投稿していたが、まさかほんとうに高市氏が杉田議員を堂々と連れ歩いているとは、正気の沙汰とは思えない。
ご存知のとおり、杉田議員といえば「新潮45」(新潮社/2018年8月号、その後休刊)での性的マイノリティについて「生産性がない」などとする差別論文問題を引き起こしただけでなく、昨年9月にも自民党の内閣第一部会などの合同会議で性暴力被害の相談事業について語るなかで「女性はいくらでも嘘をつけますから」と発言。さらに、昨年1月には衆院本会議の代表質問で国民民主党の玉木雄一郎代表が夫婦別姓を選べず悩んでいる人のケースを紹介し選択的夫婦別姓について尋ねようとした際、「だったら結婚しなくていい」というヤジが飛ばされたが、このヤジの主も杉田議員だったとみられている。
女性や性的マイノリティを貶め、差別を助長する発言を連発してきた杉田議員が、これまで何ら処分も受けずに国会議員をつづけていること自体が安倍・菅自民党の異常性を表しているのだが、あろうことか、このような差別議員を最側近としてテレビ局に出入りしようとは、高市氏は杉田議員の数々の暴言を容認すると公言しているようなものではないか。
■『虎ノ門ニュース』で選択的夫婦別姓を求める市民運動家にデマ攻撃をした高市早苗
いや、高市氏と杉田氏の考え方は一致したものだ。実際、昨年12月、自民党内で選択的夫婦別姓制度の導入をめぐって高市氏が急先鋒となり議論を後退させた際、杉田議員は〈最終的に男女共同参画基本計画案から「夫婦別姓」の文言も削除させました。一安心です〉とツイートしていた。
この総裁選において高市氏は、選択的夫婦別姓について「家族の絆が壊れる」などという“本音”はあまり語らず、代わりに「通称使用の拡大」を訴えているが、通称使用の拡大では「氏の変更を強制されない権利・自由」が守られることはなく根本的な問題解決にはならない。それでもなお、ほとんどの場合で女性が強いられる通称使用を訴えるのは、女性差別思想の温床である家父長制に基づいた旧来的な家族観こそを重視している証拠だ。
しかも、テレビではにこやかに対応している高市氏だが、実際には選択的夫婦別姓を求める市民の声をシャットアウトするばかりか、極めて悪質な圧力やデマ攻撃をしかけているというのだ。
その問題を明らかにしたのは、選択的夫婦別姓制度の実現を求めている「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」事務局長の井田奈穂氏。井田氏は2020年12月に高市氏と『Abema Prime』(ABEMA)で討論をおこなった経験があるが、その後、数々の妨害に遭ってきた事実を「拝啓 高市早苗議員。自民党総裁選出馬の前に、国民に説明しなければいけないことがあるのではないでしょうか?」と題した前・後編の記事のなかで公表(前編・後編)。
「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」では、選択的夫婦別姓の実現を国に求めるよう地方議会に陳述する活動をおこない、対して高市氏は、今年1月に選択的夫婦別姓導入に反対する文書を自民党籍を持つ42道府県の議長宛てに自身の名前が入った封筒で発送するなどしてきたが、井田氏の記事によると、今年3月になって〈Twitterで突然、反対派の暴言が急増〉。その要因となっていたのが、〈『虎ノ門ニュース』に高市議員が出演し、どうやら私が自民党議員に「旧姓併記のパスポートで海外に行ったら入国拒否された」とレクをして回っていると発言した〉ことだった。
だが、井田氏によると〈私が「入国拒否」とレクして回った事実はありません。入国審査時、滞在時の個人認証トラブルが続出している事実を伝えているだけです〉という。つまり、高市氏がネトウヨメディアでデマを喧伝して攻撃の犬笛を吹いた、というわけだ。
しかし、高市氏による攻撃はこれだけにとどまらなかった。高市氏は日本会議の機関誌である「日本の息吹」5月号において、「昨年12月の党内議論では、外部の夫婦別氏推進運動団体が、自民党本部の会議室に“入り込んでいた”」などと主張したのだ。
だが、高市氏の「自民党本部の会議室に“入り込んでいた”」という記述は大間違いで、井田氏は自民党本部で開かれた女性活躍推進特別委員会に〈正副委員長の正式な許可を得てオブザーバー参加〉しており、〈私の席には名前札も用意〉されていたほど。それを高市氏はあたかも勝手に潜り込んでいたかのように書き綴ったのである。
■自民党の「選択的夫婦別氏制度を早期に実現する議員連盟」総会を潰そうと動いた高市早苗
さらに、今年8月26日には自民党内の「選択的夫婦別氏制度を早期に実現する議員連盟」が総会を開催することになっていたのが、突如、延期になったが、これも高市氏らの圧力によるものだったと言われている。
じつは、この議員連盟総会では、「旧姓の通称使用の限界とトラブル事例」を当事者から訊く場が設けられることになっており、「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」も参加することになっていた。ところが、直前になってコロナの感染拡大を理由に延期すると連絡がきたという。
しかし、じつはこの予定されていた議員総会の直前、高市氏と中曽根弘文・参院議員の連名の文書が所属議員に配布されていた。
その内容は、〈夫婦別姓推進派による今次会合開催は、党内の対立を惹起させるとともに、夫婦別姓に極めて前向きな一部野党との対比で、自民党内で政策面でのイデオロギー上の激しい対立があるかのごとく国民の皆さまから誤解されかねず、極めて問題である〉と、会議の開催そのものを非難する文書だった。
しかも、その直前には、国会議員会館内の自民党議員全員の事務所ポストに複数回、「怪文書」が投函されていたという。その「怪文書」は黄色地に黒字の明朝体で、こう書かれている。
〈新型コロナウイルスの感染拡大が続く国難の今、
選択的夫婦別姓に熱中する自民党国会議員がいる。
国民の意識から、あまりにもかけ離れている。
非常識きわまりない!〉
さらに別のページでは「選択的夫婦別姓を推進している人たち」として田嶋陽子氏や辻元清美・衆院議員、福島瑞穂・参院議員らの顔写真や発言が並べられ、〈戸籍制度が無くなれば、北朝鮮の工作員が「なりすまし」しやすくなる〉〈夫婦別姓推進の裏に、戸籍みたいな日本の制度とか文化とかを壊したい意図が見えて怖い〉などという吹き出しまで書かれていた。
怪文書に高市氏が関わっているかどうかはわからないが、少なくとも、総会開催に対する非難の文書に高市氏が名前を連ねているのは事実だ。
高市氏は、前述したようにその文書で〈自民党内で政策面でのイデオロギー上の激しい対立があるかのごとく国民の皆さまから誤解されかねず〉などと主張しているが、日本会議の機関誌にまで登場して反対を唱えている事実ひとつとっても、選択的夫婦別姓制度を「イデオロギーの問題」にしているのは高市氏ら極右議員だ。
しかも、その極右イデオロギーに突き動かされて、高市氏は自らデマを流し、一般市民による運動までをも標的にしている。
■高市早苗が総理大臣になったら、杉田水脈が重用される? 女性蔑視の恐怖の未来が
「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」事務局長の井田奈穂氏は記事のなかで〈「旧姓を拡大すべき」と法案まで書いた高市議員が、旧姓使用者の証言を聞くことから逃げ回るのはなぜでしょうか。ただひたすら生活上の困りごとを訴える当事者に対して、「イデオロギー上の対立」に持ち込んでいるのは、高市議員ら反対派ではないのでしょうか〉と訴えているが、この当事者の声を聞こうともせず攻撃をおこなう人物が、いま総裁選で次期総裁・次期首相の有力候補になりつつあるのだ。
いや、それどころか、万が一、高市氏が次期首相になれば、最側近として重用する杉田水脈議員のような差別議員が要職に引き立てられてもまったく不思議はない。当然、選択的夫婦別姓制度の導入や同性婚の実現が遠のくばかりか、政権の有力議員から女性や性的マイノリティに対する差別を肯定・助長する発言が出ても野放しとなるだろう。
もはや恐怖としか言いようがないが、その恐怖は現実になるのか。来週の投開票は、地獄のはじまりになるかもしれないのである。
(編集部)
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