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※2021年9月22日 日刊スポーツ21面
伊藤詩織さん「2次加害の扇動を行い続けた」裁判過程の苦しさ訴え
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202109210000910.html
2021年9月22日7時1分 日刊スポーツ ※タイトルは紙面による
控訴審終了後、取材に応じ、涙ながらに思いを語る伊藤詩織さん(撮影・村上幸将)
ジャーナリストの伊藤詩織さん(32)が、15年4月に元TBSワシントン支局長の山口敬之氏(55)から性的暴行を受けたとして、1100万円の損害賠償を求めて起こした民事訴訟の控訴審(中山孝雄裁判長)口頭弁論が21日、東京高裁で開かれた。
意見陳述で、伊藤さんが「訴えたかったのは、私が経験した性被害、被害者バッシングという2次被害が決して許されないというメッセージが広がることで、被害者が泣き寝入りしなくてよい社会になること」と主張したのに対し、山口氏は「ありもしないレイプ被害で私が社会的に殺された」などと反論。この日で結審し判決は22年1月25日に言い渡される。
伊藤さんは意見陳述で「事件が起きてから6年、裁判を始めてから約4年。過程は、とても苦しいもの。控訴人側が正当な反論を超えた中傷、二次加害の扇動を行い続けた」と訴えた。
一方、山口氏は証言台に立ち「伊藤詩織さん」と呼びかけると、伊藤さんが記憶がないと主張した会食、飲酒後から翌朝に起床するまでの、前後の時間帯の記憶に「ウソがある」と主張。「デートレイプドラッグを盛られたと喧伝(けんでん)し、世界中から私は卑劣な人間と思われた。ジャーナリストを自称するなら薬を盛った証拠を出してください」などと主張した。
伊藤さんは控訴審後、取材に応じ「誰しも一番目に入れたくない人物を目の前にしたいと思わないと思う。今日、それが私の身に起きました」と涙した。そして「デートドラッグに関しても、私は確証は持てないと、はっきり述べているにもかかわらず、法廷の中で私が決定的だと主張しているとおっしゃった」と山口氏の主張に反論。その上で「このことについて何が出来るか一緒に考えて欲しい。司法がどういった結果を出すのか、皆様に目を向けていただきたい」と訴えた。【村上幸将】
◆経緯 伊藤さんは米国の大学に在籍した13年に山口氏と知り合い、15年4月3日に帰国、会食した際、意識を失いホテルで暴行を受けたとして準強姦(ごうかん)容疑で警視庁に被害届を提出。一方、山口氏は合意に基づくと反論。東京地検は16年7月、嫌疑不十分で不起訴。伊藤さんは民事裁判を起こし、東京地裁は19年12月の判決で「虚偽の申告をする動機がない」と主張を認めた一方、山口氏の行為は「酩酊(めいてい)状態で意識がなくなった伊藤さんに意思に反して性交渉を行った」と認定し、伊藤さんが勝訴。山口氏は20年1月に控訴。
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