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※2021年9月18日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2021年9月18日 日刊ゲンダイ2面
【自民党の国民ダマシに気を付けろ】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) September 18, 2021
総裁選4候補 舌先三寸か打ち上げ花火か
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/35e4KLwIsH
※文字起こし
このバカ騒ぎが10日も続くのかとウンザリしている国民も多いのではないか。結局、自民党の総裁選は、河野太郎行革担当相(58)、岸田文雄前政調会長(64)、高市早苗前総務相(60)、野田聖子幹事長代行(61)の4人で争うことになった。
右翼路線を突っ走っている高市はともかく、河野、岸田、野田の3人は、国民の歓心を買おうと耳あたりのよい言葉を並べ立てている。どの政策も実現すれば結構な話だが、はたしてどこまで本気なのか。舌先三寸なのか、ただの打ち上げ花火なのか、国民はしっかりと見極めた方がいい。とくに、本命候補の河野と岸田の2人の訴えは検証が必要だ。
持論だった“脱原発”と“女系天皇容認”をトーンダウンさせ、変節したと批判されている河野が、持論を取り下げていないのが、使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル政策」の見直しである。
出馬表明後も「核燃料サイクルは、なるべく早く手じまいすべきだと思う」「最終的にやめることになる」と強調している。
これまで日本政府は「核燃料サイクル」を実現させるために巨額のカネを投入してきたが、いつまで経っても実現せず、計画が破綻していることは公然の秘密だ。将来、実現するメドも立っていない。
河野が訴えるように「なるべく早く手じまいする」のは、当然のことである。だが「核燃料サイクル」をストップすることは、脱原発とほぼイコールである。いま動いている原発すら稼働させるのが難しくなるからだ。
それだけに、もし本気で「核燃料サイクル政策」の見直しに着手したら、原子力村が強硬に抵抗してくるのは間違いない。早くも60人の自民党議員がメンバーとなっている原発の建て替えを推進する議連は、河野発言に猛反発している。
「日本の原発は、まさに“政官財”が巣くう利権の巣窟です。電力会社や経産省、自民党議員だけでなく、原発メーカーからゼネコンまで、多くの日本企業が既得権益を分け合っている。
もちろん、世界の流れは“脱原発”“自然エネルギー”ですが、この日本では“脱原発”に動いたら巨大な利権集団を敵に回すことになる。キングメーカーとされる安倍前首相も“原発推進派”です。総理総裁になった河野さんが“核燃料サイクル”をストップさせようとしたら、受ける抵抗は小泉純一郎元首相がやった“郵政改革”の比ではないでしょう。党を割るくらいの覚悟がないとできない改革です。河野さんは、そこまで腹をくくっているのかどうか」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
わざわざ安倍事務所を訪ねた河野は、脱原発について「ご懸念には及びません」と伝えている。これでは、とても主張をうのみにはできない。
河野も岸田も覚悟なし |
一方、「新自由主義的政策を転換する」とブチ上げている岸田はどうか。
典型的な新自由主義であるアベノミクスは、富める者をさらに豊かにし、貧しい者をドン底に落とした。貧富の格差を拡大させただけだった。
それに対して岸田は「効率や利益を優先して民間や市場に任せればいいという考え方は考え直すべきだ」「成長の果実を分配しないと社会の分断・格差が広がってしまう」と訴えている。
「適正な配分」「格差是正」という発言は、穏健な「保守本流」を掲げる宏池会を率いる岸田の本音なのだろう。至極まっとうではあるが、これまで安倍前首相に忖度してきた弱腰男に、アベノミクスを否定するような政策を実現できるのか。
そもそも岸田は、1年前まで党の政策立案を仕切る政調会長を3年以上も務めていたはずである。新自由主義からの決別を打ち出すタイミングは、いくらでもあったはずだ。なぜ、いま頃になって「新自由主義からの決別」をブチ上げているのか。総裁選での人気取りとみられても仕方あるまい。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。
「当選9回のベテランで派閥領袖の岸田氏は、政調会長時代、自分の信じる経済政策の実現に動けたはずです。動かなかったのは、親の地盤を引き継いだだけのお坊ちゃんで、実行力に欠けるからでしょう。加えて、安倍前首相の顔色をうかがうあまり、アベノミクスを否定するような政策を打ち出せなかった。岸田氏は今回の総裁選で『聞く力』を強調していますが、安倍前首相の声を聞きすぎているように見えます。仮に新首相に就いても、多くの声を聞きすぎて、いま打ち出しているビジョンを自ら骨抜きにしてしまうのではないか。実行できるかは甚だ疑問です」
森友問題の再調査を巡っても、当初、岸田は「国民が納得するまで説明を続ける」と勇ましかったのに、安倍が激怒しているという観測が流れると「再調査は考えていない」といきなりトーンダウン。安倍からの禅譲を夢見続けてきた軟弱男に、新自由主義との決別という大転換をやれるのか。
かつて、ドイツのメルケル首相は、所属政党の「キリスト教民主同盟」の党首であり、恩師でもあるコール元首相が「政治とカネ」のスキャンダルに見舞われた1999年、コール氏の責任を徹底追及し、引退を勧告している。当初は党内から「裏切り者」「世話になった恩人を追い出すのか」と批判されたが、重鎮と決別し、国民目線に立ったことで真のリーダーとして認められている。
キングメーカーにおもねる河野、岸田にメルケルほどの決意は見えない。
総裁選は自民党の“延命装置”
これから10日間、総裁選が終わるまで大手メディアをジャックした自民党は、その勢いのまま解散・総選挙に突入するつもりだ。候補者4人が連日、テレビに出演して派手な論戦を繰り広げれば、一気に支持率がアップすると踏んでいる。実際、すでに自民党の支持率は10ポイントも上がっている。
しかし、国民は絶対にだまされたらダメだ。政権が行き詰まるたびに総裁選を行い、新しい顔を選んで息を吹き返すのは、自民党の常套手段である。総裁選は自民党の“延命装置”みたいなものだ。
森喜朗首相の支持率が1ケタまで落ち込んだ時も、総裁選を実施して後任に小泉首相を選び、その後の参院選でまんまと大勝している。森政権の不祥事は、総裁選の熱気に吹き飛ばされてしまった。結局、自民党の体質は変わらなかった。
今回の総裁選も、誰が新総裁になっても自民党の腐敗堕落した体質は変わらない。自民党を変えるためにはアベ政治を否定する必要があるのに、河野、岸田の本命2人が、キングメーカーの安倍晋三に恭順の意を示しているのだから話にならない。
河野太郎は「自民党を変え、政治を変える」をキャッチコピーにしているが、安倍の顔色をうかがいながら一体なにを変えるというのか。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。
「総裁選を利用して権力を維持するのは自民党の十八番ですが、それでも、かつては金権政治の田中内閣からクリーンな三木内閣へと代わったように、振り子の理論が働いていました。常に主流派と反主流派が存在し、主義主張の違う主流派と反主流派が入れ替わることで、“疑似政権交代”が起きていた。でも、いま行われている総裁選はどうですか。もし、この8年間、安倍政治を批判してきた石破茂元幹事長が総裁選に出馬し、新総裁に選ばれるのなら、疑似政権交代とも言えるでしょう。でも、石破氏は総裁選にさえ出られない。劣化した自民党は多様性も柔軟性も失い、もはや“疑似政権交代”さえ演出できなくなっています」
9月29日に総裁選が終わった後、時間を置かずに衆院選が行われるはずだ。
誰が新総裁になろうと、有権者はアベ政治に決着をつける選挙だということは忘れてはいけない。
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