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安倍・菅政権で「政治は人」と痛感 国民にウソをつかない人を選ぶべきである 三枝成彰の中高年革命
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/294916
2021/09/18 日刊ゲンダイ
総裁選に出馬表明している(左から)河野太郎、岸田文雄、高市早苗の3氏(C)日刊ゲンダイ
紳士や聖人君子では一国の宰相は務まらない――このセオリーがいつできたのかはわからないが、今回の自民党総裁選にも、それはあてはまってしまうのだろうか。
最初に出馬を表明した岸田文雄さんは、いまどきの政治家には珍しいインテリだと思う。議員一家の3代目だが、どこかの誰かと違って嫌みがない。かつての池田勇人の「所得倍増計画」にならった「令和版所得倍増」を提唱して、小泉政権以来の新自由主義に基づく政策を転換すると主張している。コロナ対策では「健康危機管理庁」を設立し、省庁を横断した対応ができるようにするという。姿勢は明確だ。
昨年は自民党政調会長として減収世帯に限定した30万円給付を安倍前総理に進言したが、土壇場で公明党が出した一律10万円給付案にひっくり返され、株を下げた経緯がある。これも、おそらく育ちの良さなのだろう。クセがなくていい人だから、強硬に押されると受け入れてしまうのではないか。
クセがないのはいいことかもしれない。だが、“いい人”とは“都合のいい人”でもある。根回しや駆け引きがものをいう政界において、“いい人”がいい目を見たことはあまりない。“いい人”は他人のペースに乗せられがちで、何かと利用されたり競り負けることが多いように思う。トップに立つ人間は清濁併せのむところがないと、海千山千の連中を相手に伍していけないと思う。
自身の長所を「聞く力とチーム力」とする岸田さんは総裁=総理として、大所帯の与党をまとめきれるのだろうか。
同じく総裁選に名乗りを上げた河野太郎さんも議員一家の出だ。彼が以前から脱原発を主張してきたことは評価できるが、総裁の椅子が視野に入り明らかにトーンダウンした。「周りの声に耳を貸さない」とか「変人」という話も散見する。同じく「変人」と呼ばれた小泉元首相に似たタイプだともいえる。「変人」はともかく「耳を貸さない」が本当なら、岸田さんと対照的だ。ワクチン接種推進担当大臣としてワクチンが不足することを分かっていながら菅総理の目標を優先し公表も調整もしなかったとか、資源エネルギー庁の幹部を恫喝(どうかつ)したとされる音声が雑誌にスクープされるとか、芳しくない評判もある。
しかし、朝日新聞が今月行った全国世論調査では、新総裁に河野さんを推す人が33%。自民党支持層では42%だった。ツイッターのフォロワー数は241万人超。国民からの人気と注目度が強みだが、総理ともなれば世界からも注目されることになるだろう。
女性初の総裁=総理を目指して立候補された高市早苗さんは、失礼ながら、とても危なっかしい人に見える。高市さんは基本理念として「『大切なものを守り抜ける国』を創る」を掲げ、「守り抜きたいもの」のひとつに「国家の主権(独立統治権)と名誉」を挙げている。自衛隊法の改正を主張し、2012年の自民党改憲草案を引き合いに出して自衛隊を「国防軍としたい」とも話す。
そして「危機管理投資・成長投資」に財政出動するため、プライマリーバランスの黒字化目標を凍結するという。尖閣諸島に「自衛隊や海保がしっかりと動ける環境を整備したい」そうだが、それも「危機管理投資」の中に組み込むつもりなのだろうか。中国と張り合って日本が勝てるはずもなく、刺激しない方がいいと思う。
安倍〜菅政権の8年半を経て、政治は人だな、とつくづく思う。いろいろな主義主張があって当然だが、少なくとも国民にウソをつかない人を選ぶべきである。
三枝成彰 作曲家
1942年、兵庫県生まれ。東京芸大大学院修了。代表作にオペラ「忠臣蔵」「狂おしき真夏の一日」、NHK大河ドラマ「太平記」「花の乱」、映画「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」「優駿ORACIÓN」など。2020年、文化功労者顕彰を受ける。
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