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コロナ専門家の非科学的な発言は帝国陸軍幹部とうり二つだ どうする、どうなる「日本の医」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/294673
2021/09/14 日刊ゲンダイ
PCR検査を抑制したことが最初の大きな間違いだった(菅首相と岡部信彦氏)/(C)共同通信社
9月3日、菅総理が退陣の意向を明かした。敗因はコロナ対策の失敗だ。マスコミは、専門家の意見を聞かず、独善的と批判する。筆者は、このような論調に違和感がある。医系技官や尾身茂分科会会長らの専門家の対応を見れば、菅総理ならずとも不安になる。
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専門家の問題は、科学を軽視していることだ。コロナ流行当初、PCR検査は1%程度の偽陽性があり、信頼できないと主張し、検査を抑制した。これは、いつの時代の議論だろうか。7月、南京でデルタ株が確認されると、中国政府は約900万人の住民に対し、1カ月の間に3回のPCR検査を実施し、デルタ株を抑制した。これが最新の科学だ。
専門家の非科学的な発言を聞くと、筆者は司馬遼太郎が描く帝国陸軍幹部を思い出す。日露戦争のイメージのまま、ノモンハン事変に突っ込み、大敗した。そして、このことを隠蔽し、精神論を振りかざした。情報開示に後ろ向きで、人流抑制、若者批判を繰り返す専門家と、うり二つだ。
なぜ菅総理は、この程度の連中に足をすくわれたのか。それは、民主主義の根幹である、権力の相互チェックシステムが機能しなくなっているからだ。安倍・菅政権の負の遺産だ。
まず、議会だ。コロナ対策は高度に専門的。医系技官をチェックしてきたのは族議員だ。今回も、異議を唱え続けたのは塩崎恭久元厚労大臣だった。悲しいかな、安倍政権以降、彼らは力を失った。総選挙では、塩崎氏をはじめ、多くの族議員が引退する。
マスコミもチェック機能の役割を放棄した。第5波の入院病床不足で、尾身氏が理事長を務める独立行政法人地域医療機能推進機構が十分な患者を受け入れていないことをスクープしたのは、朝日新聞経済部の松浦新記者だった。しかしながら松浦記者は、このニュースを8月23日に東洋経済オンラインで発表した。朝日に記事が掲載されるのは、9月1日にアエラドットでも同様の記事が掲載され、話題になった翌日だ。朝日社内で、どんな議論があったかは想像に難くない。メディア統制のなれの果てだ。
学者については改めて言うまでもないだろう。学術会議問題に象徴されるように統制が進んだ。いまや菅政権には、御用学者しか残っていない。国立感染症研究所OBで、川崎市健康安全研究所の所長に天下った岡部信彦氏など、その典型だ。流行当初からPCR抑制を主導してきた人物だ。菅首相は、こんな人物を内閣官房参与に任命してしまった。
こうやって専門家の暴走を誰も止められなくなった。このあたり、統帥権を盾に暴走した軍官僚とうり二つだ。コロナ対策の迷走は、我が国の民主主義の衰退を象徴している。
上昌広 医療ガバナンス研究所 理事長
1968年兵庫県生まれ。内科医。東京大学医学部卒。虎の門病院や国立がん研究センター中央病院で臨床研究に従事。2005年から16年まで東京大学医科学研究所で、先端医療社会コミュニケーションシステムを主宰し、医療ガバナンスを研究。16年から現職。
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