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※2021年9月3日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2021年9月3日 日刊ゲンダイ2面
追い詰められた無能首相 ブン投げ辞任に至るデタラメの数々
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/294260
2021/09/03 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
連日、官邸に呼び出し(左から、菅首相と小泉環境相)/(C)日刊ゲンダイ
菅首相がきょう(3日)午前、今月末に予定されている総裁選に出馬しないことを表明した。現職首相が総裁選出馬を諦めるのは異例中の異例。菅は総裁選に備えて、二階幹事長や下村政調会長など党幹部人事の一新を決めていた。この日の臨時総務会で人事一任を取り付ける予定だった。それが直前の“退陣表明”だから、自民党内は騒然、海外メディアも驚きをもって伝えていたが、菅の場合、「やっぱり、そうなったか」と言われている。
新幹事長が誰になっても総裁選で菅が負けたら短命で終わる。そんな人事をなぜ、やるのか。明確な説明が求められていたし、そんな状況で新三役の引き受け手がいるのか。人事をやるとぶち上げたはいいが、できなければ、一気に求心力の低下を招く。結局、悪あがきは不発に終わり、総辞職に追い込まれるのではないか。そんな見方もあったからだが、果たして、世紀のポンコツにふさわしい末路となった。
国民はあらためて、この間の菅政権のデタラメぶり、ポンコツぶり、追い詰められた理由を復習する必要があるだろう。
まずは国会から逃げ回っていたことだ。6月に通常国会を閉じてから、菅はコロナ禍なのに2カ月半も国会を開いていない。憲法53条は、衆参両院のいずれかで、総議員の4分の1以上の求めがあれば、内閣は臨時国会の召集を決定しなければならないと定めている。この規定に基づき、野党4党が召集の要望書を出したのは7月のことだ。先月26日には立憲民主党の安住淳国会対策委員長が、新型コロナ対策の補正予算を審議するため、9月7〜16日に臨時国会を開くよう改めて求めた。
ところが、政府・与党は先月31日、召集に応じない考えを正式に伝達。憲法に基づく要求を1カ月半も放置した挙げ句、門前払いを食わせたのである。この振る舞いに野党4党は2日、抗議声明を提出。「明白な憲法違反であり、国権の最高機関としての役割を放棄するに等しい」と批判したのは当然である。
言うまでもなく、今は新型コロナ感染爆発の真っただ中だ。8月だけで50万人超が感染し、2日発表の全国の重症者数は再び過去最悪を更新。医療体制の逼迫も続く。自宅療養中に無念の死を遂げる悲劇が相次いでも、国会は延々閉じたまま。この間、適切な予算や立法措置で、備えを厚くしておけば救えた命もあったかもしれない。
菅だって「コロナ対策が最優先」と繰り返し、コロナ病床について「より迅速に確保するため、法整備の必要性を痛切に感じている」(先月17日の記者会見)と言及していた。だったら、サッサと国会を開き、コロナ対応の予算と立法措置を急ぐのが当然だ。大メディアは憲法違反と職場放棄を断罪するのが筋だろう。
とことん「論争回避」で禁じ手の連続
それなのに、菅の頭の中は総裁選で再選を果たす算段でいっぱいだった。何しろ、アフガニスタンの現地スタッフの退避作戦を巡り、与党議員が意見しても「ほとんど関心がなかった」と報じられるほどだ。そのため、自衛隊機派遣は出遅れ、約500人の現地スタッフは“見殺し”となった。
他人の命には無関心で、自分の延命にしか興味なし。これが首相の正体で「コロナ対策が最優先」なんて方便としか思えない。
その総裁選を巡っても、菅周辺の「議論からの逃走」は徹底している。その表れが「解散、総選挙後に総裁選」をベストシナリオとして模索していたことだ。オリパラ強行でお祭りムードのまま、衆院を解散、惜敗で総選挙をしのいで総裁選「無投票再選」にこぎつける――。つまり、ライバルとの論戦で再選を勝ち取る気概はゼロ。苦手な論争を回避し、「不戦勝狙い」だったのである。
そんなヨコシマな狙いも五輪開催と重なった感染爆発で幻に。五輪ありきのコロナ無策で政権浮揚どころか、支持率はつるべ落とし。とても解散どころではなくなった。それでも菅周辺は論争回避に余念はなく、「菅隠し」の禁じ手の数々を繰り出し続けた。
菅に近い二階幹事長や森山裕国対委員長らはこぞって総裁選の無投票を画策。告示日を9月17日に設定し、緊急事態宣言明けの13日から「空白の4日間」に解散断行の含みを持たせたのも、総裁選の論争回避の一環だ。
おかげで今ごろ、この日程だと新総裁・新首相誕生の場合、衆院議員の任期満了(10月21日)まで期間が短すぎて、衆院選が任期満了後にずれ込む可能性が分かり、慌てて総裁選の前倒し案が浮上するドタバタである。
権力維持は「先手」がアダで「死の行軍」 |
総裁選に岸田元外相が出馬表明。菅の無投票再選が絶たれたかに見えた後も、小ざかしい悪あがきは止まらなかった。歴代最長の5年以上も幹事長を務める二階を念頭に岸田が党役員任期の制限を掲げると、二階は菅に「自分には遠慮せず人事をやって欲しい」と進言。身を捨ててでも論争のネタを潰しにかかった。
揚げ句が、9月中旬の不意打ち解散、総裁選先送りの検討である。この「奇手」に菅も一気に傾いたとされるが、どう考えても世論や党内の反発は必至の「悪手」だ。
頼みの綱の安倍前首相に電話で直接反対され、小泉進次郎環境相にも「踏み切れば首相も自民党も終わる」とクギを刺されて菅は断念。自ら「解散ができる状況ではない」と打ち消したものの、党内で広がった「私利私欲の逃亡解散」への不信感は晴れず、「菅離れ」は加速の一途だったのだ。
コロナ対策は「後手後手」のクセに、権力維持は「先手先手」がアダとなり、あがけばあがくほど泥沼にはまる“死の行軍”。今や菅が二階と会うたび「辞任意向を伝達する」との臆測が党内に飛び交うありさまだった。
「現職の総理総裁が政策論争から逃げ回り、総裁選先送りのため、解散に傾くなんて前代未聞。言語道断です」と言うのは、政治評論家の森田実氏だ。こう続けた。
「かつての自民党は現職の総理総裁が堂々とライバルの挑戦を受けて立ち、議論を戦わせたものです。現内閣にガンガン批判をぶつけ、世間のガス抜きを図る狡猾さもありました。中選挙区制時代の議員は選挙でディベート力を鍛え上げ、いつも党本部で侃々諤々の議論。マトモに議論できない議員は自然と淘汰されもした。ところが、小選挙区制導入によって党首の人気で当落が左右されるようになり、論戦で選挙を勝ち抜く議員が消えてしまった。その結果、議員の力量は衰退し、政治は劣化。菅首相も中選挙区制を経験していません。一方的な会見しかできないのも鍛錬不足で、彼こそ小選挙区制がもたらした弊害の象徴です」
根拠なき自信で差し出す「毒まんじゅう」
自分の言葉でしゃべれない、発信しない、何をしたいのか分からない。昨年の総裁選のように「雪深い秋田の農家の長男に生まれ……」だけでは今回は乗り切れない。周囲が危ぶむ気持ちは日増しに強まる一方だったが、自分が見えない菅は「根拠なき自信」にあふれていた。党役員人事などの刷新で事態が変わると思っていたフシがある。
「俺は勝負に強い」「俺には指導力がある」「総裁選をやれば携帯電話料金値下げなど成果を示せる」「誰が俺に勝てるんだ」――。漏れ伝わってくるだけでも、周囲にそう語っていたという。
まるでお宝鑑定番組で偽物をつかまされたことに気づかず、「自己評価額は1000万円!」と言い張り、恥をかくオジサンと同じだ。
菅が敗れれば、新総裁の下で人事は改めてやりなおしになる。数週間の短命に終わりかねない「危ない橋」だ。党内のドン引きも意に介さず「皆、俺についてくる」と言わんばかりの錯乱首相と心中するモノ好きが、はたしているのか。メディアは人事の目玉として月曜から4日連続で官邸に呼び出された進次郎、河野ワクチン担当大臣、石破元幹事長らの名を伝えるが、彼らにしても「いい迷惑」だろう。水面下で打診され、断った可能性がある。こうして菅の万策は尽きた可能性がある。
「今なお菅首相が『人事で釣れる』と思っているのが大きな勘違いなんですよ。打診を受けたら、ポスト欲しさに『毒まんじゅう』を食べたと有権者に見なされ、後々まで禍根を残す。最悪、政治生命はオシマイです。総選挙を控え、そんな賭けに出られるのは、よほど選挙に自信があるか、菅首相と同じギャンブラー気質の議員だけでしょう。菅首相の楽観バイアスの極みのような新人事の狂騒曲に、このコロナ禍で党内抗争に入れ揚げている場合か、と国民は冷めた目で見ています」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
国会召集そっちのけで進む世にもバカげた新人事。どうして自民党は菅を羽交い締めにして引きずり降ろさないのか、摩訶不思議だったが、ようやく、菅も諦めた。
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