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週刊現代 2021年8月21・28日号 各紙面クリック拡大
【前編】はこちら「安倍晋三「菅おろし」の全内幕…「主人はお芝居がうまいから」と昭恵夫人は笑った」
安倍晋三「菅おろし」の全内幕…「主人はお芝居がうまいから」と昭恵夫人は笑った
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/86752
2021.09.03 週刊現代 :現代ビジネス
いま永田町の台風の目は、菅でも二階でもない。突然の退陣から一年を待たずして、気力と体力は万全だ。全国民を巻き込んだ、壮大な「死んだふり作戦」—すべては、この秋の決戦のためだったのか。
昭恵夫人の「軽口」
安倍家勃興の地である山口県長門市油谷。丘の上に建つ「安倍家の墓」の前に、約100人の支援者が待つ中、安倍晋三・昭恵夫妻が姿を見せた。昨年11月1日のことだ。
墓前で父・晋太郎や祖父・寛へ辞任報告をする安倍を見て、少なからぬ支援者が違和感を抱いた。
「夏には血を吐いた、介添えがなければ歩けないほど弱った、などと報じられたばかりなのに、やけに足取りが軽い。『元気そうなのはいいけど、なんで辞めたんだろうねえ』と皆、不思議そうでした」(地元後援会関係者)
持病の潰瘍性大腸炎の経過を気づかう声に、「新しい薬が効いているんで、もう大丈夫になりました」と安倍は笑顔で答える。すると、隣の昭恵夫人がこんな軽口を叩いた。
「主人はお芝居がうまいから。アハハ!」
菅政権の支持率が20%台に突入し、危険水域に入った。だがそれを尻目に、安倍は「病み上がり」とは思えないほどに行動を活発化している。昨年の辞任劇は「仮病」だったのではないか—そんな声すら上がり始めた。
安倍の体調不安が相次いで報じられたのは、今からちょうど1年前の'20年8月初旬だった。『週刊現代』の2021年8月7日発売号で、「嘔吐した」との情報をいち早く掲載したが、他誌には「吐血した」「意識を失った」との噂を報じるものもあった。
その後、8月17日に安倍は慶應義塾大学病院で受診。朝の10時半に入ったきり夕方6時まで出ず、「大腸炎ではなく、がんではないか」との憶測まで乱れ飛んだ。そして2週間も経たぬ8月28日、安倍は辞意を表明する。
だが一方で、議員らの間では当時からこんな証言も聞こえていた。
「直前の7月の会食ではコース料理を毎回平らげていたし、酒も飲んでいた。7月22日には二階(俊博)幹事長と、贔屓のステーキ店『銀座ひらやま』にも行っている。8月に入って急に『体調悪化で辞任間近』と言われ始めたのは不自然だ。辞めるほど悪かったとは思えない」(自民党ベテラン議員)
そもそも潰瘍性大腸炎で、嘔吐や吐血といった症状が現れるのだろうか。きよすクリニック院長の伊藤喜亮氏が語る。
「潰瘍性大腸炎は、症状の波が激しい。最近まで元気で食事もたくさん食べていた人が、急に苦しむこともありえます。ただし吐血や嘔吐の原因になることは、あまりないと言っていいでしょう」
ところが、マスコミも国民も安倍の「重病」説を信じた。そればかりか「病人に鞭打つな」との世論まで巻き起こり、それまでの「安倍にはもう、うんざり」という世論は一気に塗り変わったのだ。
もちろん、潰瘍性大腸炎という病気そのものが苦しく、治療も困難な病であることは疑いない。だが、安倍の辞任直前に流布した情報には、真偽不明のものも多かった。
「安倍さんは昨年から点滴薬『レミケード』での治療を始めた。この薬は投与に2時間以上かかり、しかも眠気を引き起こすので、安倍さんが『総理が2時間も動けなくなるのはまずい』と懸念していたのは事実です。
ただ昨夏には、血液をポンプで体外に取り出す『GCAP』という重症患者用の治療を受けているとか、大腸がん、膵臓がんの疑いもある、という噂まで出た。官邸幹部は否定しませんでしたが、ここまでいくと眉唾です」(官邸スタッフ)
総理の体調不良は、国家の一大事でもある。なぜ官邸は、これらの風説をあえて放置したのか。その理由を【後編】「菅義偉はハメられたのか…?安倍晋三“三度目の登板”に向けた「菅おろし」の全内幕」でお伝えする。
『週刊現代』2021年8月21・28日号より
菅義偉はハメられたのか…?安倍晋三の“再々登板”に向けた「菅おろし」の全内幕
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/86904
2021.09.03 週刊現代 :現代ビジネス
もはや「影の総理」
コロナ禍に加え、五輪延期を強いられた1年前の安倍政権は、支持率が3割台まで落ち込んでいた。総理を続けていたら、いまごろ国民から総叩きに遭っていたのは菅ではなく安倍だったはずだ。
だが、重病となれば話は百八十度変わる。志半ばにして、病によって再び倒れた悲劇の宰相。そんな印象を国民に残し、拍手で見送られながら舞台を降りられる—。
安倍にとって、「お芝居」を打つ動機は十分すぎるほどにあったというわけだ。
時計の針を現在に戻せば、安倍の残した山のような宿題を押し付けられた菅は、就任からわずか1年も経たないうちに、満身創痍でノックアウト寸前となっている。
一方の安倍はといえば、元気ハツラツだ。
総理官邸から、衆議院第一議員会館12階の狭い事務所へ戻った安倍のもとには、来訪者が引きも切らない。安倍の出身派閥・清和研の自民党議員が話す。
「議連の提言書を確認してもらったり、今はコロナで延期になっていますが(政治資金)パーティーの講師を頼んだり、地元の選挙応援に来てくれるようにお願いしたり。電話一本入れれば気軽に会ってくれるし、暇なのか二つ返事で引き受けてくれる。体調が悪い素振りも全くない。
官僚も、もう来年度予算の概算要求について安倍さんに根回しを始めています。いまや安倍さんが『影の総理』ですよ」
さらに、ある自民党幹部も明かした。
「総選挙に備えて、安倍さんとの二連ポスターを作ったんです。安倍さんは『私で大丈夫ですか?』と言っていたけど、早速地元で貼ってみたら大評判。やっぱり菅さんや河野太郎と一緒のポスターじゃ、こうはいきませんよ。菅さんと違って見た目が明るいしね」
このところ安倍はもっぱら、自派閥の議員たちの選挙対策に奔走している。元農水大臣・吉川貴盛の不祥事で強い逆風が吹く北海道へ3回も入ったほか、野党が強い新潟、保守分裂選挙となる見通しの群馬にも行脚した。
次こそ、俺が決める
さらに新聞などは報じていないが、先月中旬にはお忍びで地元の山口にも入り、自身の選挙区を回っている。自民党山口県連関係者が言う。
「SP付きで、下関の各所でミニ集会を開きました。お寺や漁協の前に人を集めて、ひとつの会場につき60〜70人ほどが来たかな。屋外とはいえ、こんなに密集して大丈夫かとも思いましたが、安倍さんはマイクも使わずに声を張り上げていた」
7月18日、安倍は迎賓館で行われたIOC会長トーマス・バッハの歓迎会に出席する予定だったが、この滞在が長引いて帰りの飛行機に間に合わず、欠席したという。死に体の菅や、嫌われ者のバッハと一緒になってカメラに映れば、国民にどう見られるか—本当の理由は、遅刻だけではなかったのだろう。
大叔父の佐藤栄作が築いた、総理連続在任日数の最長記録。昨年夏にその更新が確定したとき、安倍は「総理を続ける」ことと「辞める」ことのメリットを天秤にかけた。
総理を続ければ、コロナ対策に奔走し、医療崩壊を防ぎ、さらに五輪を成功させて総選挙まで戦わねばならない。しかもこれらの要素は、一つしくじるとドミノ倒しのように連鎖する。待つのは「コロナに敗れた総理」という汚名と、政治的な死である。
対して、ひとまず退けばすべての責任はチャラになる。そのうえ、総理大臣が決して持つことのできない「自由」も手に入る。
ここは名を捨てて実を取り、5年後、10年後も自民党の最高実力者であり続けるための準備に費やすのが得策だ。1年前、安倍はそう結論した。
「総理を退けば、派閥のトップにもなれる。すでに安倍さんは清和研の領袖も同然。9月にも細田派から安倍派に衣替えし、党内最大勢力の96人を意のままに操れるようになる」(自民党中堅議員)
政治における力の源泉は、言うまでもなく「数」だ。清和研=新・安倍派に加えて、盟友・副総理の麻生太郎が率いる志公会53人、目をかけてきた前政調会長・岸田文雄率いる宏池会47人を合わせれば、386名の自民党議員の過半数を超える。
これが意味するのは、安倍が「次の総理」を決める権限をほぼ手中にしているということだ。
総裁選まで1ヵ月あまり、カードも揃ってきた。
「安倍さんのお墨付きを得ようと必死の岸田、嫌われ者だが仕事はできる『隠し球』茂木(敏充外相)、保守派の子分・下村(博文政調会長)、そして元清和研で『安倍ガールズ』の高市(早苗前総務相)。どれも強くはないけれど、派閥をまたがっていることに意味がある」(前出・自民党ベテラン議員)
このうち誰が総理になっても、安倍は構わない。別にリーダーシップを発揮してくれる必要もない。自分の言うことを聞きさえすればいいのだ。
安倍にとって唯一にして最大の不確定要素は、昨年9月、菅を総理に押し上げた張本人の二階が、今回はどう出るかである。
あのとき二階は、菅を「あんたしかいない」と言って担ぎ、流れを作った。途中まで岸田を推していた安倍は、方針転換せざるを得なくなった。いまなお菅の後見人とされる二階のこと、安倍があからさまに「菅おろし」を画策すれば、必ずや邪魔をしてくるだろう。
もっとも現在、あのとき皆がこぞって支持した菅は見る影もない。二階はこの期に及んで「次も菅」と言っているが、それでは党内も国民も納得すまい。
菅も二階も生き埋め
二階の手元に残されたのは、東京都知事・小池百合子というカードだけだ。小池はタイミングよく場に出せば戦局をひっくり返せる「ジョーカー」だが、都合よく機能する確率は低い。小池本人がその気にならなければ、カス札だ。
あとは、来る総選挙でうまく立ち回れば、二階は身動きが取れなくなり、菅は孤立する。
安倍が狙うのは「勝ちすぎず、負けすぎず」だ。
「安倍氏が自ら選挙の顔を買って出て全国を走り回れば、自民党の負け幅は30〜40議席に抑えられる。すると、『安倍さんが頑張ったからなんとか政権を維持できた』『それに比べて菅さん、二階さんは情けない』という空気が醸成されてくる。
そうなれば、選挙の総責任者である二階氏も、小池氏を引っ張り出すなんて大立ち回りはできない。安倍氏は満を持して菅おろし・二階おろしに着手できるわけです」(全国紙政治部デスク)
これ見よがしに、息のかかった総裁候補をちらつかせる安倍の妄動に、二階は怒っている。ある側近に、こう漏らした。
「私は安倍さんを助けてきたんだ。(安倍も)その恩を忘れるはずはない」
安倍政権を支えた菅や二階を潰そうと走り回り、国難の中で政局にかまける安倍を「恩知らず」だと言っているのである。自民党二階派議員が言う。
「6月30日に安倍・二階で会食したときも、二階さんはほとんど安倍さんと口をきかなかった。『お前が辞めたせいで、菅は政治家として死にかけているんだぞ。支えてやらないとは何事だ』と言いたかったのでしょう。
安倍さんと完全に決裂した以上、二階さんは菅さんに内閣改造をさせ先手を打つかもしれません。麻生さんや甘利(明税調会長)さん、茂木さんなど、安倍銘柄の閣僚や幹部を菅さんに片っ端から切らせ、反撃に出る」
五輪が終わり、政局の季節が始まった。菅を挟んで、安倍と二階という新旧のキングメーカーが間もなく雌雄を決する。
(文中一部敬称略)
『週刊現代』2021年8月21・28日号より
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