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岸田の攻撃に菅がキレた!「総裁選断固中止、総理の座は渡さない」
https://friday.kodansha.co.jp/article/202594
2021年09月02日 FRIDAYデジタル
「なぜ国会を開かない?」憲法違反の蛮行に国民無視の党内抗争が激化する…
「こんな岸田は見たことない」
総裁選出馬を早々宣言した岸田の猛攻。岸田文雄という政治家は「行儀の良いおとなしい子」「スマートな政治家」と、どこか物足りなさを感じさせていた。ところが、26日の総裁選正式立候補表明以来、まるで別人のようなキレと迫力を見せていた。
怖くて誰も手出しができなかった二階俊博幹事長をばっさり切り捨て、これに圧倒された菅義偉首相を党役員人事へと追い立てた。岸田のロケットスタートに、菅はかなり動揺したのだ。
「新型コロナの対策に国会を開会せよ」という野党の声を完無視。今、菅総理は総裁選で頭がいっぱいだ。国難を察知するや逃げ出した前政権と現政権。悪いのはどっちだ(両方)
出馬表明の後、安倍晋三前首相の議員会館事務所に挨拶に行った岸田を、安倍は「よい会見だった」と評価した。菅、二階にとっては、安倍の裏切りとも取れる発言だ。
「二階おろし」成功で得をしたのは
「オレから首相に、幹事長を辞めるといった覚えはないよ」
飼い犬に手を噛まれた二階は悔しそうにこう漏らした。一方、「二階おろし」の人事をせざるえなかった菅は、二階派が岸田支持に回る可能性に恐怖している。官邸で記者団に囲まれた二階は悔し紛れに本音をぶちまけてしまった。
「自民党は、発言は自由だ」
と前置きして、こう続けた。
「岸田が言ったから(幹事長交代を)どうしなきゃいかんって、そういうことではないのじゃないか」
公の場で、二階が「岸田」と呼び捨てたのは初めてだ。憎悪が隠せなくなった瞬間だった。
菅首相の「自信の源」は、まさかの…
8月最後の日曜日、菅首相は、小泉進次郎を赤坂議員宿舎に呼び軽い昼食を共にしたという。現状から逃げだしたい気分だった菅に、進次郎がエールを送ったのだ。
「『降ろすなら降ろせ!』と戦う姿勢をもって挑んでもらいたい。首相自身の言葉で戦いきってもらいたい」
進次郎らしい、エモーショナルなエールだった。
首相周辺にいた若手議員たち「ガネーシャの会」、「韋駄天の会」、「令和の会」などは、活動停止状態だ。菅の周辺は閑散としている。進次郎の言葉は、菅をおおいに励ました。ここから、菅は持ち前の気力で反転攻勢に出たのだ。
30日から、二階切りの決断、総選挙閣議決定案リーク、内閣改造と、岸田への攻勢が次々と繰り出されている。31日夜には、ささやかれていた「9.14解散」の情報を流すに至る。
危機意識からなりふり構わぬ攻勢に「振り切った」菅。高揚するあまり、ここのところ一睡もできない日が続いているという。自民党幹部議員が言う。
「小泉政権で安倍幹事長という抜擢人事があったように、菅政権のサプライズは小泉進次郎です。しかし、進次郎をどのポストで起用するのか難しい。内閣支持率の低下に窮して、禁じ手の人寄せパンダを使ったと揶揄されるのは明らかですから」
そういえば閣僚だったっけ?と、忘れられかけた進次郎が、菅政権の切り札となるのかは疑問だ。
なりふり構わない菅に岸田の目が泳いだ
31日夜、テレビのインタビューに答えた岸田は、菅の「解散ブラフ」に当てられたのか、出馬当初のキレ、冴えはなかった。
「菅政権のコロナ対策は、そう大きく間違っていない。疫病は政府の責任ではないですから。この1年は、誰がやってもたいへんな時期だったんです。その国難を前にさっさと放り出して逃げた前首相の責任こそ問われるべきでは」(自民党関係者)
疑惑の解明から逃げた前首相と、盟友・元首相は「高みの見物」を決め込んでいるが、党の危機に内心穏やかではないだろう。今、国民が求めているのは有効なコロナ対策と日常の回復だ。真のリーダーは、どこにいるのだろうか。
取材・文:岩城周太郎
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