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安倍晋三氏が自民党総裁選で異様に元気なワケは“胸中ビクビク”の裏返し 首相は誰でも構わない?
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/294118
2021/09/01 日刊ゲンダイ
河井前法相夫妻起訴でコメントする安倍前首相(2020年7月)/(C)共同通信社
「なんか異様に元気なんだよな」
9月17日告示、29日投開票と報じられる自民党総裁選が迫る中、党内議員からこんな声が出ているのが安倍晋三前首相(66)だ。最大派閥・細田派出身の安倍氏は、総裁選出馬を表明している岸田前政調会長(64)と面会した際、「頑張れ」と激励。党役員任期について「連続3期3年に限定する」と掲げた岸田氏の会見について「評判いいね」と上機嫌で語った、と報じられている。
安倍氏は首相(党総裁)だった2017年3月の党大会で、それまで「連続2期6年」だった総裁任期を「連続3期9年」に延長。総裁任期の制限を取っ払う党則改正案を“推し進めた”人物が、任期制限の公約に「いいね」なんて、よくぞ言えたものだが、安倍氏が精力的に動き回るのは、「キングメーカー」となって党内覇権を手中に収めたいからだろうか。
福田赳夫元首相の秘書を務めた中原義正氏がこう言う。
「彼(安倍氏)は細田派というが、派閥内で支持している有力議員は誰もいないし、キングメーカーなんて話も聞いたことがない。おそらく彼にとっては、総裁・首相は誰でも構わない。目的はただ一つ。次の総裁が『あの問題から自分を守ってくれるのかどうか』という一点に尽きるだろう」
中原氏が指摘している「あの問題」とは、2019年の参院選広島選挙区を舞台にした大規模買収事件のことだ。
事件では、河井案里元参院議員(47)=公選法違反で有罪確定、当選無効=の陣営に公示前、自民党本部が1億5000万円を提供していたことが発覚。税金が裏金の原資になったのではないかと問題視され、二階幹事長は今年5月の会見で、資金提供を最終決定した責任者として「党総裁および幹事長」と説明。会見に同席した林幹事長代理は、事件を捜査している検察当局から関係書類が戻り次第、使途などを報告する考えを示した上で、「(書類が)返って来たらどれだけの広報活動に使ったのかというのが実証できる」と語っていた。
案里氏の夫で、公選法違反で実刑判決を受けた元衆院議員の克行被告(58)=控訴=も、「資料がちゃんと戻ってきてから(党本部が)示せばいい」と言い、当時、党総裁だった安倍氏も中国新聞の取材に対し、「党本部が説明しますから。幹部が整理をしているから」などと答えていた。
「検察捜査はとっくに終わり、関係資料はすでに党本部に返却されているはず。本来は安倍前首相、二階幹事長がそろって会見し、誰がいつ大規模な資金提供を決めたのかや、配布された裏金の原資となったのかについて、きちんと中身を明らかにするべきだろう。だが、それをしないのは理由があるはず。つまり、表に出てはマズイということで、次の総裁が誰だろうが、この問題にふたをしてくれる人じゃないと困るのだろう。彼(安倍氏)は元気に見えるが、裏を返せば、居ても立っても居られないというのが本当のところではないか」(中原氏=前出)
安倍氏をめぐっては、元公設第1秘書が略式起訴された「桜を見る会」の問題もあるだけに、必死なのかも。
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