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モデルナ異物混入発表当日、河野太郎のTwitterがワクチンめぐる混乱を完全無視、自分の著書の出版に大はしゃぎするツイート!
https://lite-ra.com/2021/08/post-6002.html
2021.08.28 モデルナ異物混入も、河野太郎がTwitterで自分の著書の出版に大はしゃぎ リテラ
河野太郎Twitterより
新型コロナのワクチンをめぐってトラブルが相次いでいる。26日には米モデルナ製ワクチンに異物が混入していたと公表されたかと思えば、「予約なしで受けられる」という謳い文句で27日からスタートした東京都の若者向け接種では渋谷の接種会場に希望者が殺到、本日分は現場で抽選券を配るという前時代的な方法を採用したために1キロもの長蛇の列ができあがり、ネット上では「人流増やしてるし」「東京都はアホなのか」とツッコミが溢れた。
だが、こうしてワクチンをめぐる騒動が巻き起こっているにもかかわらず、どこ吹く風とばかりに知らんぷりしていた人物がいる。ワクチン担当の河野太郎・行政改革相だ。
たとえば、モデルナワクチンに異物が混入していた問題は、26日未明に厚労省が公表。厚労省は約163万回分の接種を中止すると発表。この突然の発表によって、異物混入が判明したロット番号のワクチンを接種した人たちから不安の声があがっただけでなく、接種を中止する会場が続出するなど大混乱に陥った。
ところがこの日、当のワクチン担当である河野大臣からは、モデルナワクチンにかんする情報発信はなし。Twitterでも、朝には地元の神奈川県平塚市の市立小中学校が9月3日まで臨時休業になったことを報じた神奈川新聞の記事をツイートしただけで、夕方には「総合科学技術・イノベーション会議」にリモート参加している様子を写した写真を投稿。
しかし、絶句したのは同日夜の投稿だ。この日は『日本を前に進める』と題した河野大臣の著書の発売日だったのだが、河野大臣は著書が面陳されている書店の棚の写真をアップし、〈ウルトラマンの上にある!どこの本屋さんかな〉と投稿したのである。
かたやSNS上では、異物混入による健康被害はないのか、163万回分の接種が中止となったことの影響でワクチン接種が受けられなくなるのではないかといった不安の声が数多く寄せられていたというのに、何事もなかったかのように自著の発売にはしゃぎ、宣伝に勤しむ……。異物混入発表から丸1日以上経った27日になってようやく河野大臣は閣議後会見などでこの問題について説明をおこなったが、それでもTwitterでは一切ワクチン問題には言及せず。その一方、自著にかんする投稿にはしっかりリアクションを返していた。
「令和の運び屋」などと自称しておいて、接種中止で不安が広がっていても見て見ぬフリで、発売されたばかりの著書のアピールばかり……。結局、河野大臣にとっては、ワクチンをめぐる問題の解決や不安の解消よりも、自分の宣伝のほうが重要だということだろう。
いや、それどころか、河野大臣の過去の発言を考えれば、ワクチンをめぐる問題さえも自己宣伝の道具にしているのはあきらかだ。
■ワクチン供給不足の中、きゃりー、YOSHIKI、はじめしゃちょーらとのコラボに夢中だった河野大臣
河野大臣といえば、モデルナワクチンの6月末までの供給量が当初の4000万回分から3分の1の量である1370万回分になったことをゴールデンウィーク前には把握しながらその事実を都議選が終わるまで“隠蔽”しつづけたが、その一方、Twitterでは諸外国と日本のワクチン接種状況を比較した表を貼り付けて〈Vaccination in Japan. Not bad, isn’t it?〉(日本のワクチン接種。悪くないでしょう?)などと投稿していた。
だが、本サイトでも指摘したように(既報参照→https://lite-ra.com/2021/07/post-5939.html)、その表は「人口100人あたりの1日のワクチン投与量」の比較であり、今年1〜2月の段階から接種をスタートさせていたアメリカやイギリスはその時点ですでにかなりの量を接種し終えていた。対して日本はそれらの国から遅れに遅れて接種をスタートさせ、その時点で急激に右肩上がりとなっていたというだけ。これには英語でツッコミが相次いだが、しかし、その後も河野大臣は懲りることなく、一見すると日本の接種状況が良く見える恣意的なデータをもって“日本スゴイ”を煽りつづけたのだ。しかも、自治体から「ワクチン供給が足りない!」という悲鳴があがっている最中に、である。
これを見れば、河野大臣がいかにワクチン情報を自己宣伝の道具としてしか考えていないか、明らかだろう。
自己宣伝といえば、例の「若者のワクチン接種を進める」「正確な情報を若者に届ける」という名目で積極的におこなってきた有名人とのコラボレーションもそうだ。
河野大臣は、6月にLINE NEWSの動画コンテンツであるきゃりーぱみゅぱみゅがMCを務める番組に出演して若者に接種を呼びかけ、7月に公開された人気YouTuberのはじめしゃちょーとのコラボ動画は現時点で再生回数が400万回を突破。コメント欄でも〈河野大臣の学校にいる一見厳しそうだけど本当は優しくてノリがいい先生感すこ〉〈とんちんかんなこと言っても優しく丁寧に返答してくれる河野太郎さんが面白い〉と高評価を得ている。
また、7月30日にはTwitterの音声会話機能「スペース」で、X JAPANのYOSHIKIと対談。8月5日にはNEWS PICKSの動画「WEEKLY OCHIAI」に出演して落合陽一氏と対談し、「やっぱり若い世代にワクチン啓発活動をどこまでやれるかというのが最後の勝負」などと語っていた。
さらに、見切り発車でスタートさせた職域接種をめぐっても、河野大臣は申請を一時ストップしたあとであるにもかかわらず吉本興業やKADOKAWAの職域接種を視察。吉本の視察後にはペナルティのヒデやサバンナの高橋茂雄、おばたのお兄さんと並んで記者団の取材に応じ、「若い方にいちばんメッセージを届けることができる吉本のみなさんのお力をぜひお借りしたい」と語っていた。
■「若者はワクチン打ちたがっていない」は嘘!「打ちたがっている若者に打つワクチンがない」が真実だった
ワクチン供給のためのシステムづくりなど二の次で、こうした若者ウケを狙うようなパフォーマンスにばかり力を入れてきたわけだが、河野大臣らは前述のように、その理由を“若者がワクチンを打ちたがっていない”ためであり、“打ちたがらない若者に打たせるための啓発活動”としてきた。
しかし、これってほんとうに他の仕事を放り出してまで取り組むようなことだったのか。
「若者がワクチンを打ちたがっていない」というのは当初からメディアでも大合唱されてきた話だが、じつは、26日の東京都のモニタリング会議で公表されたアンケート結果によると、「接種しない」と回答したのは20代では男性19.0%、女性18.8%、30代では男性16.7%、女性19.1%と、2割にも届いていないからだ。たしかに、50代男性の12.1%や40代女性の10.5%と比較すると多いが、「若者はワクチンを打ちたがっていない!」と言えるほどの数字ではまったくない。
何よりそのことを証明しているのが、冒頭でも触れた東京・渋谷の若者向けワクチン接種で出現した長蛇の列だ。これ、たんにやり方が下手というだけの話ではない。
本日の若者向け接種は「抽選券を現地配布」というミレニアル世代・Z世代には理不尽極まりないものであったにもかかわらず、受付終了の10時30分までに2226人が並んだ。当選者はわずか354人だったというから、その倍率は6.28倍。6人に1人しか打てないということだ。
菅政権は「若者はワクチンを打ちたがっていない」と必死に喧伝し、さらには若者の意識が低いばかりに感染を広げているといったように扱ってきたが、起きている事態は真逆で「打ちたがっている若者に打たせるワクチンがない」のである。
しかも、これは当の河野大臣も認めている事実だ。20日の会見で「若い世代は自治体による接種で打つにはもう少し時間がかかるかもしれない」と語っていたからだ。
■ワクチン供給より自己アピールの河野太郎 橋下徹や吉村大阪府知事と同類のパフォーマンス政治
若者もワクチン接種を希望している人が大半で、むしろワクチン供給がまったく追いついていないという現実。にもかかわらず、河野大臣は有名人とコラボし、若者に「ワクチンを打って」と呼びかけてきたのである。
あまりにも支離滅裂、無責任だが、しかし、これも目的が最初から違うところにあったとすれば、納得がいく。
ようするに、河野大臣が本来ならばワクチン供給の安定化に尽力すべきときに「若者のワクチン接種を進める」というお題目でコラボ動画に精を出してきたのは、たんにワクチンにかこつけて若者の支持層取り込みをはかろうと考えただけではないのか。まさに、ワクチンを自己宣伝に使ったとしか言いようがない。
河野氏といえば、外相時代の2019年、徴用工訴訟をめぐって南官杓・駐日韓国大使を外務省に呼び出し、メディアのカメラの前で「極めて無礼!」などと罵倒した場面がネトウヨから称賛を浴び、すっかり人気を集めることとなった。こうしたパフォーマンスによって釣ろうとするのは橋下徹・元大阪市長や吉村洋文・大阪府知事とそっくりだが、結局はワクチン担当という立場にかこつけて積極的に展開してきた有名人とのコラボもパフォーマンスにすぎず、目的は若者の支持層を広げようという魂胆だったのだろう。
しかも、このタイミングで自著を出版したことからも、河野大臣が今後、総裁選に名乗りをあげるのではとも指摘されている。出馬するかどうかは不透明だが、河野大臣がワクチン問題を自分の宣伝に利用しようという不届き者であり、小泉純一郎、安倍晋三というこの国を壊してきた政治家たちと同じ「パフォーマンス重視のポピュリスト政治家」であることは間違いない。そんな男が総理の座を狙っている、この事実こそ最警戒すべきだろう。
(編集部)
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