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※2021年8月26日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2021年8月26日 日刊ゲンダイ2面
【いつまでこんなシュールな光景を続ける気なのか】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) August 26, 2021
菅・尾身同席会見の国民愚弄
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/NyO0coyJHv
※文字起こし
この国の新型コロナウイルス対策は、菅首相の認識によるとうまくいっているらしい。東京五輪強行が招いた感染爆発で医療提供体制は見るも無残に崩壊。感染しても入院できず、「自宅療養」の名目で放置されている患者は全国で12万人を超えたのに、一体どういう感覚なのか。
緊急事態宣言の対象地域に8道県、まん延防止等重点措置に4県の追加決定を受けた25日の会見も訳が分からなかった。原稿を読むのもままならず、マトモに話せない菅は当初、ぶら下がり取材でお茶を濁そうとしたものの、説明不足批判を気にして一転。イヤイヤ臨んだのだが、27日から宣言は21都道府県、重点措置は12県に拡大する深刻な事態なのに、目新しい対策はナシ。それでいて、「明かりはハッキリと見え始めている」と根拠不明の楽観論を振りまき、何かといえば「ワクチン」「ワクチン」「ワクチン」。
「ワクチン接種は8月も1日100万回以上のペースで進み、25日までに全国民の54%が少なくとも1回の接種を行い、43%が2回の接種を完了し、総接種回数は1億2000万回に達している」
「今月末には全国民の半数近くが2回の接種を行い、来月末には6割近くが接種を終え、現在の英国や米国並みに近づく見通しだ。特に目立って重症化の傾向が見られる50代については、これまでにおよそ5割が1回の接種を行い、2回の接種を終えた人は3割となっている」
そして、「ワクチン接種証明書の積極的な活用を含め、飲食店の利用、旅行、イベントなど社会経済活動の回復もしっかり検討する」ときた。
接種率95%でも「集団免疫は無理」 |
米感染症学会は感染力が強いデルタ株について、「集団免疫獲得の目安は接種率80%を優に超え、おそらく90%近い」と分析。全米で最も優れた病院のひとつとされるメイヨークリニックの研究班は「変異株の出現と接種率向上のイタチごっこで、95%でも無理だ」と厳しい評価をしている。全人口の約75%が接種を完了したアイスランドでは7月以降、ブレークスルー感染が広がり、保健当局者はロイター通信に「感染者の77%は接種者」と話していた。ワクチン頼みでは経験したことのない規模の第5波を抑え込むのは不可能だと認めざるを得ない状況なのに、菅は意に介さない。情報が一切アップデートされていないのか、あるいはパラレルワールドの住人なのか。
新型コロナ対策に関する基本的対処方針分科会の尾身茂会長とのチグハグは、もはや隠しようがない。会見では発言回数が減らされていたが、先立つ衆院厚労委員会では東京パラリンピック開幕に合わせて再来日したIOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長について、「なんでわざわざ来るのか。常識で判断できるはずだ」と非難。菅政権の新型コロナ対応をめぐっても「専門家の分析より、やや楽観的な状況分析をされた」と批判し、経済活動と感染対策の両立についても「一定方向にメッセージが集中すればいいが、矛盾したメッセージがあった」とボルテージを上げていた。
ついに口を開けば菅批判の専門家だが、見ている国民はチンプンカンプンだ。楽観論にとりつかれたままの首相と、“戦う専門家”に衣替えした御用学者の矛盾。保身という共通項はあれど、菅と尾身が同席する会見は国民愚弄でしかない。いつまでこんなシュールな光景を続ける気なのか。
感染大爆発を招いたトランプ政権末期を彷彿 |
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)は言う。
「菅首相と尾身会長の方向性には明らかに食い違いが生じている。甘い見通しと緩い対策で米国の感染爆発を招いたトランプ政権の末期を彷彿とさせます。もっとも、米国ではトランプ米大統領が誤ったメッセージを発するたびに、大統領首席医療顧問を務めるファウチ国立アレルギー感染症研究所所長が修正を試み、政権交代したことでコロナ対策が軌道に乗った。尾身会長も発言のトーンを強めてはいますが、国民に浸透しているとは言い難い。どれほどの覚悟を持っているのか。国民は中ぶらりんです。ワクチン一本足打法から抜け出せなければ、緊急事態という例外的状況が常態化してしまう」
それにしても、菅の楽観論は筋金入りだ。「爆発的な感染は絶対に防ぎ、国民の命と健康を守り抜く」と自信たっぷりに語ったのは、昨年10月の所信表明演説だった。間もなく第3波を招き、今年1月に東京都などに2回目の宣言を発令。「1カ月後には必ず事態を改善させる」とタンカを切ったものの、宣言は再々延長され、計73日間に及んだ。3月には「感染拡大を二度と起こしてはいけない。その決意を自らにも言い聞かせている」とまたも大見えを切ったが、第4波になす術はなく、4月末に3回目の宣言発令。それでも東京五輪開催による熱狂で政権浮揚を果たし、総選挙に勝って自民党総裁無投票再選という「必勝シナリオ」に固執し、沖縄県以外の宣言を6月下旬に解除した。
見切り発車が第5波を招いたのは周知の事実だが、この間も唐突にブチ上げた「ワクチン接種1日100万回」の目標を達成すると、「俺は勝負に強い」などと周囲に語っていたという。逆に言えば、菅の新型コロナ対策は何の目算もない思い付きなのだ。
「次は勝てる」と思い込み、負け続けるギャンブル依存症のような首相と、保身のために口だけ批判はするが体は張らない専門家。どうしようもない連中に国民の暮らしと命は委ねられ、この国の命運も左右されている。局面を打開するには菅政権退陣、それしかない。
にもかかわらず、自民党内ではコロナを理由に“菅降ろし”を潰す醜悪派閥が幅を利かせるデタラメである。
「誰がやっても難しい」のおためごかし |
26日の総裁選挙管理委員会で「9月17日告示、29日投開票」の日程が正式決定。党員・党友投票も含めたフルスペックで実施され、前回、菅に敗れた岸田前政調会長が名乗りを上げている。しかし、菅政権の生みの親の二階幹事長は「国民の皆さんの命を守る、暮らしを守るという原点に立って、しっかりとした対応をやっておる」「誰がやっても難しい時です」とか言って、第4派閥の二階派として菅再選を全面支持。牽制を強めている。最大派閥の細田派出身の安倍前首相、第2派閥の麻生派を率いる麻生財務相も引き続き菅を支持する構え。桜を見る会をはじめとする数々の疑惑を抱える安倍にしてみれば、グリップが利かない政権が誕生すれば、政治生命どころか余生も危うくなるからだ。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。
「菅首相はいわば、感染拡大を促進した張本人。世論の大半が『菅首相以外なら誰でもいい』と悲鳴を上げるのは当然です。ところが、安倍政権時代につくり上げた1強支配の構造の下、甘い汁を吸ってきた面々はそれを許さない。党内も多数派に流され、菅首相の次は菅首相でいい、最後まで泥をかぶってもらおうという内向き論理が働き始めている。自民党は多元的競争メカニズムを失った。衆院選が迫る中、敗北覚悟のバンザイ突撃で腹を決めるのであれば、それはそれで結構ですが、無能無策が証明された菅首相が一日でも長く居座ればコロナ克服は遠のく。それに巻き込まれる国民はますます不幸になる」
このままでは永久に緊急事態は続くだろう。それを止めるのは世論のうねりしかない。
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