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※2021年8月25日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2021年8月25日 日刊ゲンダイ2面
【頭にあるのは自分だけ】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) August 25, 2021
小此木の政界引退に「ご苦労さん」の冷血 こうして菅から人が離れていく
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/UJ9Qyqk5wY
※文字起こし
「ご苦労さん」――。自分のせいで大惨敗を喫し、失意のどん底にある子分へのねぎらいの言葉がこの一言だとは。落選が決まった直後のショートメールでのやりとりとはいえ、盟友関係が聞いて呆れる。菅首相のあまりの冷酷さに背筋が寒くなった国民が少なくないのではないか。
22日投開票だった横浜市長選は、告示前までは小此木八郎前国家公安委員長が優勢だった。小此木がIR(カジノを含む統合型リゾート)反対に転じ、自民党内が小此木と現職の林市長とで分裂選挙になった時点で、IR推進の菅は「これは地方選」だと理屈をつけて選挙から手を引いてもよかった。だが、「小此木勝利は堅い」と踏んで全面応援。地元タウン誌にまでツーショットで登場し、横浜市民に「小此木イコール菅」を植え付けたのだ。
内閣総出でコロナ対応に当たらなければいけない非常時に、無責任にも大臣職をブン投げた小此木に同情の余地はないが、市長選敗北は間違いなく菅のせい。自宅療養者激増で、救える命がどんどん救えなくなる中、国民の怒りを代表したかのように、横浜市民が菅に鉄槌を下したのだ。小此木惨敗は「菅NO」の直撃を受けた結果だった。
利用して、切り捨てる
落選当日に、「もう選挙には立候補しない」と政界引退を表明した小此木は哀れだが、小此木に限らず、菅に関わった者はみな死屍累々だ。
筆頭は菅の“天領”とされる総務省。菅の長男が勤務する東北新社などからの違法接待問題では、国家公務員倫理規程違反で処分された職員が32人に上る。中でも菅が総務大臣時代から覚えめでたかった谷脇康彦元総務審議官は、次官候補にまで上り詰めたのに引責辞職。菅が目をかけ、首相就任と同時に官邸に引っ張った山田真貴子前内閣広報官も、総務官僚時代の接待が発覚し、追い詰められた末、体調悪化を理由に辞職した。
不祥事で議員バッジを外した国会議員もみな菅人脈に連なる。選挙買収の河井克行元法相と公選法違反の菅原一秀前経産相は、それぞれが菅を支える無派閥グループを率い、菅に引き上げてもらって大臣にしてもらったようなものだった。鶏卵汚職で在宅起訴された吉川貴盛元農相は菅と当選同期で、昨年の自民党総裁選では菅陣営の選対事務局長を務めたほど近しい仲だった。3人とも自業自得とはいえ、彼らにとって菅はまるで“死に神”のようなものである。
元朝日新聞政治部次長でジャーナリストの脇正太郎氏が言う。
「『ご苦労さん』のメールには、人を利用するだけ利用して、ダメだと切り捨てる、菅首相の人間性が透けて見えるようです。自分の師匠の息子である小此木氏を、自分の支援が裏目に出た結果、苦境に追い込んだわけです。それなのに、あんなメールひとつで。過去の典型的な例は、内閣広報官を辞職した山田真貴子氏の一件。事務次官ポストである内閣広報官に大抜擢し、『女性初』を売りにした。しかし、自分の息子絡みの不祥事が分かるとスパッと切ったのですからね。自分にとって都合のいい情報を持ってくる者はかわいがるが、使えなくなれば容赦なく切り捨ててきた。菅内閣で首相の側近とされる河野太郎ワクチン担当相ですら、いつ同じ道をたどるか分かりませんよ」
情のないマキャベリスト 他人を犠牲にして心痛まず |
しょせん、菅の頭の中にあるのは自分だけなのだ。
それは横浜市の“影の市長”と呼ばれた市議時代にしても、衆議院が初の小選挙区制選挙となった1996年にまんまと候補者に収まり、国会議員になった後もそう。権力と出世のにおいを嗅ぎ取り、機を見るに敏な行動で、のし上がってきた。
最初は小渕派(平成研究会=現在の竹下派)に所属していたが、派閥に反旗を翻して総裁選を戦った梶山静六を支持して退会。次に宏池会(現在の岸田派)に入り、「加藤の乱」で加藤紘一に付いた。加藤失脚後、小泉政権で総務副大臣として竹中平蔵総務相の下で働くと新自由主義に傾倒。そして、第1次安倍政権で当選4回ながら総務大臣に起用されて以降は、安倍シンパだ。右派でも保守系でもないのに安倍にくっついていることに、党内では、菅の強烈な「権力志向」を感じ取った向きもいた。
トップリーダーとして政治家として必要不可欠な国家観が欠けているから、その政治手法は人事を使ったアメとムチ。総務大臣時代に自分に歯向かった課長を更迭したことを自著に自慢げに記したことには神経を疑ったが、そうした強権行使について「課長を飛ばしたよ。飛ばしてやったよ」と興奮を隠せない様子で語ったというのには、狂気すら覚える。
人望がないから、無派閥で仲間もいない。昨年の自民党総裁選。二階幹事長が菅後継で流れをつくり、各派閥が雪崩を打ったのは、利害の一致であり、本気で菅の能力を評価して推した結果じゃない。側近と呼べるのは当選4回の坂井官房副長官以下、若手の雑魚ばかりで、総裁選で菅陣営の選対本部長を務めた小此木も、ついに去った。
冷血で思いやりなし、は国民への態度でも分かる。新型コロナの感染拡大が止まらない中、政府分科会の尾身会長ら専門家に相談することなく、「重症患者以外は、今後は自宅療養が基本」と突然、方針転換。猛批判を浴びて修正したが、菅には国民の抱える苦しみや恐怖が全く見えていないし、見ようともしない。今ごろになって(24日)、「自宅療養に万全な態勢づくりを進める」「臨時の医療施設も準備する」とか言い出したが、取ってつけたようなしらじらしさである。
政治評論家の森田実氏がこう言う。
「菅首相というのは、政治家の基本的な条件である『情』がなく、悪い意味でのマキャベリスト。梶山→加藤→小泉→安倍と次々乗り換え、人を食って強くなってきた。他人を押しのけて成功してきたから、自己に対するブレーキが働かず、人を踏み台にしても心が痛まない。自己の利益のためなら権謀術数を駆使し、手段を選ばない。あらゆる人を犠牲にして、自分だけが総理になった。『一将功成りて万骨枯る』です」
イチかバチかの野望
安倍前首相が昨秋、政権をブン投げた時、まさか菅が「自分がやる」と言い出すとは思わなかった、と驚いた自民党議員は少なくなかった。
官房長官止まり、番頭止まりで、「総理の器」じゃないことは自分でも分かっているだろうに、それでも成り上がった面の皮の厚さ。だから、世論の7割近くが「9月末で辞めてくれ」と切望しても、「時期がくれば総裁選に出馬するのは当然」と言ってはばからない。
26日には総裁選の日程が固まる。岸田前政調会長らが名乗りを上げてフルスペックの総裁選になれば、不人気の菅は党員票で負けることもあり得る。その前に、自分の手で解散総選挙に打って出る野望もまだ消えていない。
24日菅は、緊急事態宣言中の解散総選挙について、「法律上はできる」とわざわざ口にした。コロナ対策に使われなかった30兆円規模の予備費がいまだ残る。経済対策で大盤振る舞いして、イチかバチかのバクチ解散に国民を道連れにするのか。独善で突っ走るだけの不気味な首相に国民は戦慄している。
「総裁選で勝てないからと先に解散なんてしたら、菅首相にまともな判断力がなくなった、ということ。横浜市長選で示された結果と同様、自公連立政権は沈没するでしょう。政党政治では、まず新総裁を選ぶのが筋です。もっとも、それでも菅首相が総裁に再選されれば、自民党が終わる。来る衆院選で自民党が厳しい審判を受けることになるでしょう」(森田実氏=前出)
とにかく国民は、自分の一票が行使できる日を待つしかない。それは3カ月以内に必ずやってくる。
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