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新型コロナ死亡率「0.12%」の落し穴 累計はアメリカ、インドに次ぐ高さ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/293701
2021/08/23 日刊ゲンダイ
医療従事者の貢献があってこそ、だ(C)共同通信社
〈いまの日本の状況は決して最悪ではない〉〈医療崩壊なんて起きていない〉――。新型コロナウイルスの死亡率を巡り、ネット上では、こんな“楽観論”が噴出している。
キッカケは、ヤフーニュースに配信されたFNNプライムオンラインの記事(20日付)。「『0.12%』…数字が語る世界の中の日本のコロナ」と題し、日本国内と世界各国の感染状況を比較した。
その中で「新規感染者数(直近1週間)における新規死亡者数(同)の割合」として、日本は「0.12%」と紹介。米国(0.49%)や英国(0.32%)、ドイツ(0.29%)などと比べ、「日本は低い水準に抑えられている」と主張した。
楽観論は禁物
その結果、ネット上では「0.12%」が独り歩き。感染爆発の惨状にもかかわらず、〈日本スゴイ!〉などの的外れな称賛も出ている。昭和大医学部客員教授の二木芳人氏(臨床感染症学)がこう言う。
「直近1カ月で見ると、日本国内の感染者の死亡率は欧米に比べて低いのは確かですが、直近1週間で算出するのは乱暴でしょう。直近1週間で確認された死者が必ずしも直近1週間の感染者というわけではありませんし、感染してから亡くなるまでタイムラグがあります。少なくとも1カ月程度の期間を参考にしないと、意味がありません。欧米に比べて死亡割合が低いとしても、それは医療従事者が必死で治療に当たっているからであり、現状の感染爆発を過小評価してはダメです」
加えて、累計感染者における累計死者数の割合は、決して「低い水準」ではない。累計感染者数の多い上位20カ国と日本の死亡率を比較すると、日本は1.21%で、アメリカ(1.66%)、インド(1.33%)に次ぐ高さだ。
厚労省によると、季節性インフルエンザの年間の感染者1100万〜1500万人のうち、亡くなる人が2500〜3400人。死亡率は単純計算で0.02%だから、コロナの方が約60倍危険なのだ。
コロナで100人に1人は亡くなっている。気を緩めてはダメだ。
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