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菅首相の思考の最大特徴は「希望的観測」という認知バイアス 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/293502
2021/08/19 日刊ゲンダイ
その通りになったことは一つもない(東京五輪閉会式での菅首相と小池都知事) (C)真野慎也/JMPA
菅義偉首相の思考の最大特徴は「希望的観測」の連鎖にある。何事につけても、自分にとって都合のいいことが次から次へとつながっていって、最良の結果をもたらすはずだと信じ、国民にもそのように言い続けるのだが、実はその通りになったことは一つもない。
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7月末までに高齢者のワクチン接種をほぼ完遂すればコロナ禍は落ち着いてきて、五輪を有観客で開催することができると信じ、それを呪文のように唱えてきたが、実際にはその時には若い世代を中心に変異株による感染が爆発的に広がり、無観客にしてもそれは抑えようもなく、首都圏をはじめ全国各地で感染者の「史上最多」を更新し続ける中で五輪を開くという失態に陥った。
それでもまだ、「五輪が始まって日本人選手が金メダルをどんどん取れば国民は熱狂して雰囲気は変わる」と希望的観測をつないだが、終了後の内閣支持率は「史上最低」、不支持率は「史上最高」を記録。これでは、パラ閉会後の熱気が冷めない中に総選挙に打って出て自民単独で過半数を破らないラインに踏みとどまれば、自民党総裁選で「無投票再選」、そこを突破できれば「長期政権」へ――という究極の楽観シナリオはすでに崩れ去った。
本当ならここで立ち止まって、「いくらなんでもパラ開催は無理だな」と判断、一転して8月下旬から9月上旬にロックダウン的な強硬措置を含む事実上の非常事態を宣布して短期決戦でこの泥沼から脱出するという決断もありだと思うのだが、過去の思考の延長で「オリパラを何とか開ければ国民の雰囲気は変わる」と希望的観測の延長に懸けているかのようである。
「認知バイアス」という認知科学の分野がある。認知症は疾病だが、そこに至らない若い人を含む誰にでも日常的に起きるのが思い違い、記憶違い、言い間違い等々で、それには実はいろいろな型があり、情報文化研究所編「認知バイアス事典」(フォレスト出版、2021年4月刊)はその60類型を紹介している。そのひとつが「希望的観測」であり、これは「物事を自分にとって都合のいい方向に考えやすい傾向」で、自分の主張に明確な証拠が与えられていないのに、あたかも正しい推論が行われているかのように議論を進めることであるとされる。
さて、すべての希望的観測が打ち砕かれて菅が権力の座から滑り落ちるのは、パラの前なのか後なのか。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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