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ペルーで流行「ラムダ株」恐怖の感染力…日本に五輪関係者が持ち込んでいた事実を政府ヒタ隠し
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/293341
2021/08/14 日刊ゲンダイ
205カ国・地域から参加(C)真野慎也/JMPA
東京五輪はやはり新型コロナウイルスの流入を招いていた。変異株で南米ペルー由来とされる「ラムダ株」が先月上陸していた問題で、感染者が東京五輪関係者だったことが13日、判明した。案の定の展開に、菅政権はどう申し開きするつもりか。
◇ ◇ ◇
ラムダ株に感染していたのは30代女性。ペルーでの滞在歴があり、五輪開幕直前の先月20日に羽田空港に到着。大会の許可証を所持していた。陽性が判明したものの無症状で、そのまま宿泊療養施設に移送されたという。
厚労省も内閣官房も先月20日時点でラムダ株の上陸を把握していたにもかかわらず、ヒタ隠し。米メディアが今月6日に報じるまでシラばっくれ、厚労省は追認する形で国内メディアに公表したのだ。しかし、五輪関係者であることは伏せたままだった。医療ガバナンス研究所の上昌広理事長がこう言う。
「科学においては情報開示が世界のスタンダード。政府の新型コロナ対策を助言する専門家は真っ先に隠蔽体質を批判しなければいけないのに誰も批判しない。新型コロナ対策分科会による『都内の人流5割削減』との呼びかけにしても、その根拠も言わない。あらゆる情報をオープンにしながら対策を講じていくのが科学なのに、政府も分科会も真逆の姿勢です」
WHO(世界保健機関)はラムダ株を「注目すべき変異株」(VOI)に指定している。英国株やインド株(デルタ株)はワンランク上の「懸念される変異株」(VOC)。政府はラムダ株について「(日本でも)VOIとするかは、今後の検出状況を見て検討する」(厚労省専門家組織座長の脇田隆字感染研所長)との立場だが、悠長に構えている場合なのか。すでにラムダ株は世界44カ国にまで広がっており(13日時点)、その感染力は脅威だ。
「次の流行のシーズンにあたる冬場は要注意」と専門家
震源地のペルーでは昨年8月の初確認以降、年末から新規感染者数に占めるラムダ株の割合が増え始め、今年1月末から2月半ばにかけて4割まで上昇。2月末に2割近くまで下がったものの、再び急上昇し、3月末に7割を突破。4月末には9割を超えた。感染が拡大し始めてから半年足らずで従来株から置き換わったのだ。
日本の研究チームも先月28日に発表した査読前論文で、〈ラムダ株はワクチンによる抗体への抵抗力があるため、(ワクチン接種済みでも感染する)ブレークスルー感染を引き起こす可能性がある〉と警鐘を鳴らしている。
「ラムダ株がどの程度影響しているかは分かりませんが、ペルーは人口当たりの死者数が世界最悪です。日本は英国株やインド株を過小評価して大流行を招きました。次の流行のシーズンにあたる冬場は要注意です」(上昌広氏)
政府のスカスカ水際対策で英国株やインド株の流入を許し、感染拡大を招いた。また同じ轍を踏むことになるのか。
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