http://www.asyura2.com/21/senkyo282/msg/499.html
Tweet |
日本のコロナ感染拡大 万能ではないワクチンと菅政権の失政 日本外交と政治の正体
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/293236
2021/08/13 日刊ゲンダイ
街は人でいっぱい(C)共同通信社
新型コロナウイルスのワクチンが感染を抑制するのは、多くの人の認めるところである。米国では今年の1月8日に1日当たりの新規感染者数が約30万人だったが、6月20日には4000人となった。英国でも1月8日に6万8000人だった感染者数は5月16日に1926人となった。この減少は両国でワクチン接種が進んだためとみられた。
日本でも「ワクチン接種が行き渡ればコロナが抑制される」という見方が広がり、菅首相は7月17日に「最終的には、10月から11月までの早い時期に、ワクチン接種を希望するすべての方の接種を終えたい」と述べ、ワクチン接種でコロナを終焉させる見通しを示した。
しかし、コロナウイルスは変異し、より感染力の強いデルタ株が現れ、情勢は一変した。米国では8月6日に25万人、英国でも7月17日に約5万4000人のそれぞれ新規感染者を記録した。
さらに、ファイザー社ワクチンの感染予防への効果に限界があることも次第に明確になってきた。ブルームバーグは「ファイザー開発のワクチンはデルタ変異株に対する感染予防率は39%にとどまる」というイスラエルの調査結果を報じ、米CDC(疾病対策センター)も7月30日、「米マサチューセッツ州で発生したコロナウイルスの感染集団で、感染者の4分の3がワクチン接種済みだった」との調査結果を公表した。
つまり、ワクチンは感染抑止に万能ではないということだ。コロナの感染予防には@ワクチン接種A人的接触の軽減、という2つの策の併用が必要となる。
日本における最近のコロナ感染拡大は、明確に菅内閣の失政と関連する。ひとつにはワクチン確保のための十分な措置を取ってこなかったこと、もうひとつは人的接触の措置に消極的であったことである。特に緊急事態宣言を発令し、人的接触の抑制をしなければならない時に東京五輪を開催したのは大きい。「五輪を開催しているなら、これぐらいは平気だろう」と、一部の国民に気の緩みをもたらしてしまったからだ。
コロナの感染拡大を防ぐためには国民の抑制された行動が必要である。コロナ感染の度合いと人的接触の度合いのバランスについて国民の理解、納得が欠かせない。密室で論議した政府の政策に対し、国民が「ハイ分かりました」と従う状況ではないのだ。
言うまでもなく政府が真摯な議論を行った上で、それを国民に示す必要がある。
孫崎享 外交評論家
1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK282掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK282掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。