http://www.asyura2.com/21/senkyo282/msg/370.html
Tweet |
※2021年8月4日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2021年8月4日 日刊ゲンダイ2面
【これは医療崩壊、白旗宣言】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) August 4, 2021
「入院拒否」で「五輪続行」という狂気
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/rVJzi2XVZa
※文字起こし
「これは事実上の棄民政策」「首相が自ら医療崩壊を認めた」――。SNS上には悲鳴と憤怒が飛び交っている。
まさに唐突に出てきたと言っていい。菅首相が2日夕に開かれたコロナ対策の関係閣僚会議で打ち出した新たな入院基準のことである。「感染症が急増している地域では、自宅療養を基本とし、入院は重症者や重症化リスクの高い人に限る」というもので、これまで中等症以上は原則入院だったのに、重症化の恐れが低いとみなされれば入院できなくなるのだ。
肺炎や呼吸困難のある中等症でも自宅療養を余儀なくされるケースも出てくる。これまで原則入院だった高齢者や基礎疾患がある人も自宅療養とされる可能性がある。
無症状や軽症者を対象としてきたホテルなどでの宿泊療養も縮小され、家庭内感染がある人などに限定。つまり、コロナ療養は「自宅」が基本となるのである。
背景には、首都圏から全国へと拡大する「第5波」の感染爆発と病床の急激な逼迫がある。だが、今春の第4波の大阪で自宅療養中に容体が急変し、命を落とす人が相次いだ。自宅療養への不安は尽きないのに、それでも容赦なく、原則自宅とは、あまりに乱暴じゃないか。
ところが菅は、「重症者らに確実に入院していただけるよう必要な病床を確保する。それ以外の人は症状が悪くなれば入院できる体制を整備する」と会議の場で表明しただけ。これほどの重大な方針転換なのに、なぜ記者会見を開いて丁寧に国民に説明しないのか。
「入院拒否」を「病床確保」と言い換えた政府のオタメゴカシを大メディアは大本営報道だが、立憲民主党の枝野代表が言うように、これは自宅療養ではなく「自宅放棄」。政府による“棄民宣言”に等しい。
病床逼迫が手に負えなくなり、ポンコツ政権が慌てて「入院拒否」に方針を変えたことは容易に想像がつく。批判を受け、田村厚労相は3日、「申し訳ない」と陳謝し、「走りながら体制を整えている」と本音を漏らした。打つ手なしの白旗だということだ。
無策の正当化で大混乱必至
菅は昨夕、日本医師会など医療関係団体と面会し、「患者に身近な地域の診療所に、適切な医療提供をお願いする」と協力を求めた。自宅患者に血中酸素濃度を測る「パルスオキシメーター」を配布し、往診やオンライン診療で状況を把握するというが、それで大丈夫なのか。機能するのか。
「東京では、既に自宅療養者が1万4000人、入院・療養等調整中が8000人いますが、オンライン診療の体制は十分ではなく、医師会との協力体制もまだできていない。自宅療養者を診るシステムが整っていません。自宅に酸素を持って行き、自宅で点滴をするのは大変な準備が必要です。突然の大きな方向転換で、いますぐ実施しようとすれば大混乱を招くでしょう。これほどの転換は、本来、感染が落ち着いている時に進めるべきもの。感染者を全員入院させる当初の方針を変えて、なし崩しに自宅療養を認めた時と同様で、追いつかなくなった制度を、現状に合わせるために後付け、後追いで変えているように見えます」(昭和大医学部客員教授・二木芳人氏=臨床感染症学)
中等症で自宅療養した人が3日、テレビの情報番組で苦難の体験談を語っていた。
「解熱剤の効果が切れた後に熱がドンと跳ね上がった。自宅から一歩も出ないでくださいと言われ、市販の解熱剤を買いに出ることもできず、すぐに医者を呼ぶこともできなかった。死んでしまったらどうしようかと、ネガティブなことを考えてしまった」
自宅療養は「急変が怖い」というのは、いまや常識。コロナ感染した医療関係者は、「分類上は中等症とされたが、実際は息をするのもやっとだった。あれで自宅療養だったらどうなっていたか」と心情を吐露する。
ポンコツ政権の方針転換によって、自宅療養中の犠牲者が続出したら、どうするつもりなのか。
重症化リスクの判断だって簡単ではない。誰を入院させ、誰を入院させないのか。政府に対応を“丸投げ”された自治体は、「自宅での万が一の急変を避けるため、国が基準を示すべきだ」(埼玉県の大野知事)、「保健所が全ての健康観察や病状変化は見られない」(大阪府の吉村知事)など早速、反発。全国知事会の飯泉会長(徳島県知事)が3日田村に、これまで入院対象だった「中等症」のうち、対象から外れる患者の基準を明示するよう求めた。
ところが、東京都の小池知事は「新方針に従い効率的な病床の確保を徹底していく」と、ポンコツ政権の方針にアッサリ同調。必要な対策を取るよう、早々と担当局に指示したという。
今回の第5波での病床逼迫が深刻なのはまさに東京都で、小池は既に先月28日に「自宅病床」なる造語を繰り出して、病床不足から逃れようとしていた。つまり菅と小池は同じ穴のムジナ。揃って五輪開催を強行し、感染拡大を招いた戦犯だ。「入院拒否」という大方針転換を、菅が会見せずこっそり発表したのは、閉幕まで残り5日間となった五輪に影響を与えたくないという狙いがあるのだろう。
経済評論家の斎藤満氏が言う。
「メダリストに祝福のツイートを送り続けていることで分かるように、菅首相は感染者や国民の健康よりも五輪に夢中。その結果、東京は感染爆発となり、入院できなくなった。『原則自宅療養』にしたのは、自らの無策の結果を正当化するための理屈でしかありません。自宅療養者が重症化し、犠牲になるケースが繰り返されているのに、何も学んでいない。危機管理の欠如であり、メダルぼけですよ」
安全安心はもはや完全崩壊した。それでも五輪バカ騒ぎは続行の倒錯。狂気としか言いようがない。
政治的思惑で科学を軽視した末路
とどのつまり、この国のコロナ失政は、東京五輪開催と政治的思惑を優先し、楽観シナリオ頼みで、科学を軽視してきた結果だ。
前出の二木芳人氏が言う。
「昨年の第1波の時から私は、とりあえず大規模療養施設をつくって、感染者をまずそこに入れてから判断するようにすべきだと言ってきました。五輪の選手村なら、格好の療養施設になった。きちんとした医者のケアがなければ、点滴ひとつできません。重症化のリスクがあるかどうか、毎日診察し、病状の変化を検知し、その先の予測を立てる。先手先手で対応すれば、重症化は避けられます」
医者に診てもらいたいのに病院にかかれないというのは、この国が誇ってきた国民皆保険の放棄のようなもので、異常事態以外の何ものでもない。
ワクチン一本足打法の菅政権は、「国民の命と健康を守る」と繰り返しながら、医療体制を充実させることに、どこまで真剣に向き合ってきたのか。そのワクチンにしても、供給計画は見直し続きで、まれとはいえ血栓ができる副反応があるため国内での使用が見送られてきたアストラゼネカ製を、先月30日に「臨時接種」として一転、認めた。河野担当大臣は「変異株で重症化する割合の多い40代や50代の接種を加速させる」と言ったが、モデルナ製の不足分を補うための窮余の策なのはミエミエ。アストラ製を積極的に使用している欧州のように、科学に基づいたワクチン接種になっていないから、今さら「アストラ製を打って」と言われても、日本では多くが尻ごみしてしまう。
「効果的なコロナ対策を打てず、無策の菅政権の言うことには、もう誰も耳を傾けない。営業自粛に従わない飲食店が増えるのもそうです。まさに無政府状態。絶望感をもたらすだけの政権は、一日でも早く退陣して欲しい」(斎藤満氏=前出)
ポンコツ首相が今すべきことは、「私はコロナ対策に失敗しました」と謝罪したうえで責任を取って退陣し、改めて国民に協力を求める以外にない。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK282掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK282掲示板 次へ 前へ
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/
since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。