http://www.asyura2.com/21/senkyo282/msg/254.html
Tweet |
※2021年7月27日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2021年7月27日 日刊ゲンダイ2面
【狂った「挑戦」の結果はもう出ている】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) July 27, 2021
感染大爆発 誰が責任を取るのか なぜ五輪を続けているのか
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/ZfpfuiEVss
※文字起こし
新型コロナウイルス禍の下、強行された東京五輪は27日で、大会5日目。メディアは連日、日本選手のメダルラッシュを大々的に伝えているが、そのニュースに複雑な心境の人々もいる。医療従事者だ。
医療体制が逼迫する都内の病院は、ハッキリ言ってオリンピックどころではない。急増する感染疑いの患者が発熱外来に押し寄せ、熱中症や脳卒中の患者が搬送されても受け入れられなくなってきているという。要は医療崩壊の寸前だ。
そんな厳しい医療現場を尻目に、感染拡大はとどまるところを知らない。26日の都内の新規感染者は1429人。先週の同じ曜日から2倍近くも増え、7日連続の1000人超え。比較的少ない傾向にある月曜としては1月11日の1252人を抜き、過去最多となった。
都の独自基準の重症者数は78人。集中治療室や高度治療室にいる患者も含めた国の基準では676人(25日時点)に上る。従来最多だった567人(1月27日)をはるかに上回る状況が続き、重症病床利用率はずっと最も深刻な「ステージ4」のままだ。
都内から染み出すように生活圏の重なる首都圏3県にも感染は広がっている。26日千葉では509人の陽性が新たに確認。1月16日の506人を上回り、過去最多を更新してしまった。
専門家が声を揃える通り、「第5波」はこれからが本番だ。五輪開催前、誰もが危惧した感染大爆発と医療崩壊へと日を追うごとに近づいていく。それなのに都内の人出を増加させたのが五輪の開会式だ。
当日は国立競技場の周辺に少しでも雰囲気を味わいたいという人々が集まり、「密」を生み出していた。
直電で悦に入る医療イジメ自慢
携帯電話の位置情報データによると、開会式が行われた23日、競技場に程近い渋谷の人出は激増。3回目の緊急事態宣言(4月25日〜6月20日)の土日、祝日の平均と比べて日中は52%、夜間は67%もそれぞれ増加していた。
うだるような暑さでも詰め掛けた大勢の人々はご苦労なことだが、感染大爆発が近づく中、医療現場にすれば迷惑千万。ごった返す人出なんて、たまらない。世の中と医療従事者との温度差は広がるばかりだ。コラムニストの小田嶋隆氏はこう言った。
「医療従事者には、まるで『パラレルワールド』の出来事でしょう。人流を抑える緊急事態宣言の発令と、海外から数万人の関係者が訪れる五輪開催は大いなる矛盾。その上、『一生に一度の自国開催』とあおり、ブルーインパルスまで飛ばせば『一目見よう』という人が増えるのも無理はない。開会式では医療従事者を競技場内の聖火ランナーに起用するなど、形ばかりの『感謝の気持ち』に明け暮れましたが、おためごかしもいいところ。コロナ禍の大会は医療従事者イジメ。日本勢第1号の金メダリストへの直電で悦に入る菅首相の精神性は、辞任した開会式の楽曲担当者と同じ。単なる“イジメ自慢”です。誰かの犠牲の上に成り立つ五輪は、根本的に間違っています」
開会式に象徴される、毎度毎度の「やっているだけ」のポンコツぶり。大見えを切った「バブル方式」もあっさり崩壊。大会関係者のコロナ陽性は通算150人に達する目前で、選手村に滞在する選手たちの陽性も次々と確認されている。
政権が念仏のように繰り返した「安全安心な大会」は、やはり空言に過ぎなかった。菅の政治利用のせいで、五輪開催に神経をスリ減らす医療従事者は本当に気の毒だ。
今の世にシゴキを強いる異様な感覚 |
開催直前に菅は米有力紙ウォールストリート・ジャーナルのインタビューに「やめることは、いちばん簡単なこと、楽なことだ」「挑戦するのが政府の役割だ」と粋がったものだが、五輪の閉幕を待たず、その「挑戦」とやらは失敗に終わったも同然である。
「挑戦こそ政治」と言わんばかりの発言自体、菅がイカれている証拠。前出の小田嶋隆氏は「この2カ月余りで、菅首相が3回も引用した『東洋の魔女』のエピソードからも、今回の東京五輪と首相本人の異様さが浮かび上がります」と、こう続けた。
「菅首相は1964年の東京大会でバレー女子チームを金メダルに導いた大松博文監督に感銘を受けているのでしょう。“鬼の大松”の指導方法をひと言で表せば『シゴキ』。今でいえば壮絶なパワハラで、当時は『ド根性』が流行語となり、体罰やサービス残業など日本型組織に根付く負の体質を育むことにもなった。その風潮の変化には実に半世紀もかかったのに『シゴキ』を今の世によみがえらせようとしているのが、菅首相です。大松監督は帝国陸軍の生き残り。東京五輪はよく『インパール作戦』に例えられますが、監督はその過酷な戦地からの生還者でもある。だからこそ『極限状態に立たされることで、人間は真の力を発揮できるようになる』と強調するにいたったのですが、このアナクロニズムこそ菅首相の原点。自称『叩き上げ』の強い自負心もあり、無謀な挑戦も精神力で乗り切れると鼓舞し、医療従事者に限らず国民に全員一丸を押しつける。コロナ禍の五輪開催でシゴキ抜き、国民を強く鍛え上げられると本気で考えているとしか思えません」
当然の話とはいえ、シゴキと根性論でしのげるほどコロナ禍は甘くない。菅の狂った「挑戦」の結果はもう出ている。「案の定の事態」にどう落とし前をつけるのか。
矛盾だらけのメッセージにマヒした国民
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう指摘する。
「全国各地のお祭りや花火大会、野外イベントが軒並み開催自粛に追い込まれる中、東京五輪というスーパー・スプレッダー・イベントだけはゴリ押し。緊急事態宣言で感染拡大を防ぐはずが、『官製』の密をつくり出した政治責任は本来なら重い。ところが、いざ開幕すれば公式スポンサーの大手紙、放映権を持つテレビ局は批判をストップ。165億円といわれる予算を投じながら、ショボすぎた“中抜き開会式”をほめ殺しできるのも、ビートたけし程度。まさに『ショー・マスト・ゴー・オン』で、今さら後には引けないという、ご都合主義がはびこれば政権の思うツボです」
菅の「挑戦」は、感染大爆発という国民を犠牲にした“犯罪的”蛮行だ。誰が責任を取るのか。なぜ五輪を続けているのか。そんな至極当たり前の疑問を投げつけることすら危ぶまれるような風潮を、メディアが後押しするなら、この国は「いつか来た道」である。
「今やSNS上は、自国開催の大会で日本選手の活躍にケチをつけるな、と声高に叫ぶ人々と、大会に関わったアーティストをコキ下ろす五輪敵視の人々の罵倒合戦です。『多様性と協調』『共生社会』なる大会の理念は、しょせん掛け声倒れ。国民同士の分断を生じさせ、対話が成立しない状態になっている時点で、この五輪は失敗です。あまりにも矛盾だらけのメッセージにより、判断基準がマヒする『二重拘束』状態に国民も陥っているかのようにも映り、その矛盾のどちらを選んでも不幸な結果しか招かない。さながらディストピア小説のような“東京ディスリンピック”の様相です」(五野井郁夫氏=前出)
先の大戦中、作家の太宰治は「明るさは滅びの姿」と書いた。敗戦に向かいながら、妙に明るかった当時の時代風潮を表した言葉だ。無責任内閣の用意した「パンとサーカス」に冷静さを失ってはいけない。「滅びの明るさ」の行きつく先は世界的感染拡大、五輪クラスターに対する「1億総ザンゲ」である。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK282掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK282掲示板 次へ 前へ
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/
since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。