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※2021年7月26日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2021年7月26日 日刊ゲンダイ2面
【騒いでいるのは菅首相とTV局だけ】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) July 26, 2021
空疎に響く「金メダル!」の絶叫
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/VgxHy3zH0l
※文字起こし
23日に開会式が行われ、本格的に競技がスタートした東京五輪。早くもテレビは朝から晩まで五輪一色で、日本選手のメダル獲得に沸いている。
25日は競泳女子400メートル個人メドレーの大橋悠依、スケートボード男子ストリートの堀米雄斗、そして柔道では女子52キロ級の阿部詩と男子66キロ級の阿部一二三が優勝。4つの金メダルを獲得した。同じ日にきょうだいが金メダルを獲得するのは日本勢初で、阿部兄妹の快挙を繰り返し伝えるテレビ画面には「感動」があふれた。しかし、これが自国開催と思えないほどの非現実感は何なのか。
「東京都は緊急事態宣言の最中で行動の自粛が呼びかけられているのに、その東京で五輪が開催され、テレビの中では解説者が絶叫している。これは現実に起きていることなのかと不思議な気分になります。まるで、遠い北極の氷が解け落ちる映像を自宅のテレビで見ているような感覚です。足元では新型コロナウイルスの感染拡大が猛烈な勢いで進んでいるのに、五輪という狂乱の宴に興じている場合なのかと思うと、日本選手が活躍しても手放しでは喜べない。この大変な時に国会は開かれず、夜の会食予定も自粛ムードでヒマな国会議員は涼しい部屋で五輪競技のテレビ観戦をのんびり楽しんでいるのかもしれませんが、飲食店をはじめとしてコロナ禍で疲弊している多くの国民には、そんな余裕もありません」(政治評論家・本澤二郎氏)
競技を自宅で観戦していたという菅首相は25日朝、今大会で日本選手の金メダル第1号になった柔道男子60キロ級の高藤直寿選手に公邸から電話し、「今回の金メダルに多くの子供や若者が夢や希望をもらった」と原稿棒読みで祝意を伝えた。人気取りの政治利用がミエミエだ。
何が非常にスムーズなのか
菅はその後、東京都の小池知事と公邸で約1時間にわたって面会。小池によれば、「東京五輪が非常にスムーズにいっているということを共通認識として確認した」というが、一体、どこが「非常にスムーズにいっている」というのか。メダルの獲得数のことか? 足元ではコロナ感染状況が悪化の一途で、スムーズも何もないはずだ。
東京の25日の新規感染者数は、前週日曜日から755人も増えて1763人。五輪開会式に合わせた4連休の最終日で検査実施数が少ないにもかかわらず、日曜日としては過去最多を記録した。全国では新たに5020人の感染が確認され、日曜日に5000人を超えたのは5月16日以来だ。いま首相と都知事が膝を突き合わせて考えるべきことは、五輪中断も視野に入れたコロナ対策ではないのか。
「8割おじさん」こと厚労省クラスター対策班の西浦博・京大教授が24日、ツイッターでこう訴えていた。
<都内受入病院の状況聴取で悲鳴。入院調整中の患者が増加して収容能力を超え始めている。今後、呼吸苦があっても自宅療養で待つ者が増加し、自宅で重症化する人が出る。ここから待つと状況悪化を懸念するため、この時点でオリンピックを中断し、都内で外出自粛を徹底することを提案します>
誰だって、五輪参加選手の奮闘を称えたいと思っている。しかし、医療現場がこれほど切迫しつつあることを知れば、とても無邪気にサーカスに興じる気分にはなれない。日本選手のメダル獲得にはしゃいでいる菅ポンコツ政権や取り巻きの大メディアは、丸川五輪相の言葉を借りれば「別の地平」にいるかのようだ。
盛り上がらないのは無観客のせいでもコロナのせいでもない |
コロナ禍での五輪開催には、世界的にも懸念が根強かった。日本国内の世論調査でも延期や中止を求める声が多数を占めた。大会組織委や開会式演出チームが次々と人権意識の低さを露呈したことも、反対世論に拍車をかけたものだ。それでも菅は「五輪が始まれば国民は熱狂する」と押し切った。五輪の高揚感を自身の総裁再選、総選挙勝利につなげる政治的思惑からだ。
だが、菅が呪文のように唱えてきた「安全・安心」はすでに崩壊。25日は、23日の試合に出場したオランダ選手ら大会関係者10人の感染が判明した。
試合に出た選手の感染例は初めてだが、組織委は「情報を掌握できていない」という。それでどうやって安全・安心を担保できるのか。大会関係者のコロナ陽性は25日までで132人。選手のマスク着用も守られていないし、バブルもお題目だけなのだ。
五輪警備のために全国から集められた「特別派遣部隊」でもコロナ感染が確認され、25日には50人が警察施設に隔離された。大会3日目でこれだ。2週間後の閉会式までには、どうなっていることか。それまで菅は金メダリストに祝電をかけ続け、コロナ感染拡大は見て見ぬふりで、医療崩壊が抜き差しならなくなるまで放置しておく気なのか。五輪開会宣言での起立のタイミングだけでなく、何から何までやることが遅い。
平和の祭典と程遠い金権、中抜き
「有事に対応できず思考停止に陥ってしまう典型例です。とにかく五輪が始まれば何とかなると楽観視していたのでしょうが、事態はそう簡単ではない。五輪がコロナ感染をさらに拡大させかねないという懸念を抱いている人と、日本選手の活躍を素直に応援できないのはおかしいと考える人の分断を招いているのも、国民に対して説明や説得を怠ってきた政府と都の無策のせいです。スポーツを応援したい純粋な気持ちが、政治の無策で汚されてしまうほど悲しいことはない。五輪期間中、メダル獲得数とともに増え続ける新規感染者数を眺めることになれば、メダルラッシュにも素直に喜べなくなるのは当たり前のことです。五輪が敵視されるような状況をつくった政治の責任は重大で、それでも大会を成功させようと支えてきた裏方スタッフや、政治に振り回されてきたアスリートには最大限の敬意を表したい。こんな状況でよく頑張ってくれたと思うし、メダリストだけではなく、思うような結果を出せなかった選手にも菅首相は感謝の言葉をかけて欲しいものです」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
日本選手のメダル獲得を素直に喜べない大会にしたのは政治の責任だ。競泳男子400メートル個人メドレーの瀬戸大也や200メートル自由形の松元克央、体操男子種目別・鉄棒の内村航平らメダル候補が、連日まさかの予選落ちでも、誰も彼らを責めることはできまい。1年延期でピークを大会に合わせる計画が狂い、今年も直前まで本当に開催できるのか分からなかった。
しかも、コロナ禍はいまだ収束せず、世論の反対も消えない。これで競技に集中しろという方が無理だ。
「この五輪は安倍前首相が、原発事故の汚染水は『アンダーコントロール』、日本の夏は『スポーツに最適』などと嘘を言って引っ張ってきた。しかし、東京の猛暑はテニスの一流選手が夜間開催を要望するほどで、屋外競技は常に熱中症の危険と隣り合わせです。台風の直撃も心配されている。復興五輪はどこへやら、多様性やSDGsなどの理念も上っ面だけでした。日本が誇る『おもてなし』にしても、表がなくて裏だらけと揶揄されている始末です。すべてがイカサマで、世界中が“話が違う”と思っている。IOCの金権体質、広告代理店や人材派遣会社の中抜きも明らかになり、平和の祭典とは程遠いことが広く知れわたってしまった。権力者の私利私欲のため、無観客で無理やり開催した損失のツケを都民や国民が払うと思うと、どうしてもモヤモヤした気持ちになる。もちろん、アスリートに罪はありません。いまいち盛り上がれないのは、無観客のせいでもコロナのせいでもなく、すべて政治の責任です」(本澤二郎氏=前出)
矛盾と欺瞞に満ちた五輪の裏側が庶民にバレた今、テレビ実況の「金メダル!」の絶叫も空疎に響くだけだ。
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