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林芳正vs河村建夫のバトルにゴング
https://www.chosyu-journal.jp/column/21437
2021年7月17日 コラム狙撃兵 長周新聞
ついに衆院山口3区から林芳正(60歳)が正式に出馬を表明し、自民現職・河村建夫(78歳)との保守分裂選挙が現実味を帯びてきた。芳正からするとおよそ10年越しで選挙区強奪に挑んできたわけで、選挙区再編(人口減により次々回より山口県内の選挙区が4から3に減る)を前にした今回が生き残りと衆院挑戦のラストチャンスというタイミングだったのだろう。仮に公認が得られず無所属で出馬して敗北した場合のリスクは当然考えたのだろうが、河村離れが著しい選挙区の様子からして「勝てる!」という自信が今回の行動につながったのだろう。かくして悲願のかかった林派の皆さんの鼻息はかなり荒くなっている。
二階派のナンバー2である河村の背後には公認を巡って権限を握る二階幹事長が控え、対して岸田派所属の林には自民党県議団26人及び自民党山口県連がついている構図だ。党公認が河村に下りた場合、自民党山口県連としては表だって動きにくいという側面はあろうが、それでも安倍晋三をはじめとした所属代議士連中も含めて林の3区鞍替えは山口県内の自民党のなかでは実質的に黙認されており、了解済み扱いなのだ。以前から河村が自民党山口県連のなかで浮いていたことは知られてきたが、芳正が3区に鞍替えした後の参議院ポストに細田派のメンバーを充てる等等の話とも相まって、たがいの利害を調整しながら河村一族(後継を希望していた息子も含む)を徒党を組んで排除する動きに発展しているのである。将来的に選挙区再編によって衆院ポストが4から3に減る場合、芳正は安倍兄弟との争いからは逃げ、次なる相手として高村の息子と対決するというのだろうか。情けないかな、人口減少が全国でも抜きんでているために議員ポストが減らされ、生き残りをかけて政治家の七光りどものつぶし合いみたいなことが連続しそうである。
目下、河村の危機感もすごいようで、地元に帰って朝から交差点で辻立ちをしていたり、これまでの殿様選挙からは一転、見たことがないような必死さが選挙区では話題になっている。いわゆる“泣きの選挙”を展開していくことは確実で、萩市長選と同様に“よそ者が選挙区を乗っ取りに来ている!”と地元意識を強調していくと見られている。一方で林派も10年がかりで後援会を組織しており、3区の有権者や企業関係に浸透してもいる。大票田の宇部においては宇部興産創業者の俵田一族出身者が実母ということもあって、企業城下町での影響力は絶大なのも事実だ。ただ、頭を下げることが苦手という難点を抱えており、これが3区を河村から強奪するという選挙の印象としてはあまりよろしくない構図のなかで、有権者からどう評価されるのかは未知数である。3区の有権者からすると「地元で安倍晋三とやり合うのが筋だろうが!」と思うのは当然なのだ。そのお墨付きをもらって河村の選挙区を乗っ取りに来る厚かましさみたいなものも滲み出ており、安倍派には遠慮している者が河村には居丈高というのも、格好悪いといえばだいぶ格好悪いのである。「やり合うなら安倍晋三とやれ!」は4区の林派の御大たちも口にしていることだ。
ところで、3区からは立憲民主党の女性候補者も出馬する。保守分裂になった場合、漁夫の利を得るのは常識的には彼女であり、5〜6万票でも勝機がないわけではない。保守分裂とはすなわち選挙区のオレのもの争いというだけで、とどのつまり議席の私物化争いに過ぎない。何か政策的に異なる主張を争っているわけでもないのである。同じ穴の狢(むじな)である自民党候補同士が、生き残りをかけて「この選挙区はオレのものだ」をやっているだけという大変くだらない構図に、冷めた視線を送る有権者も少なくない。たがいに自分のことばっかりで、有権者や国家国民のために何を為すかがまるで聞こえてこないのもそのためである。林か河村かという二者択一ではなく、これらもひっくるめた自民党による私物化争いの枠内に選挙戦を押し込めて良いかが問われている。
4区の有権者としては、林芳正には4区で挑んでもらい、首相お膝元での保守分裂戦をやってもらいたかった。中選挙区以来の白熱のバトルを見たかったし、現時点での両派の実力をご開帳頂き、本来ならゼロ打ちなんてできない安倍晋三の足下についても見てみたいという思いがあった。しかし、林芳正は安倍の地盤、看板、カバンには叶わないと怖じ気づいたのか、3区鞍替えの道を選んだ。置き去りにされた4区の林派がどうなっていくのか、安倍派との折り合い方にもおおいに注目したいと思う。 吉田充春 ついに衆院山口3区から林芳正(60歳)が正式に出馬を表明し、自民現職・河村建夫(78歳)との保守分裂選挙が現実味を帯びてきた。芳正からするとおよそ10年越しで選挙区強奪に挑んできたわけで、選挙区再編(人口減により次々回より山口県内の選挙区が4から3に減る)を前にした今回が生き残りと衆院挑戦のラストチャンスというタイミングだったのだろう。仮に公認が得られず無所属で出馬して敗北した場合のリスクは当然考えたのだろうが、河村離れが著しい選挙区の様子からして「勝てる!」という自信が今回の行動につながったのだろう。かくして悲願のかかった林派の皆さんの鼻息はかなり荒くなっている。
二階派のナンバー2である河村の背後には公認を巡って権限を握る二階幹事長が控え、対して岸田派所属の林には自民党県議団26人及び自民党山口県連がついている構図だ。党公認が河村に下りた場合、自民党山口県連としては表だって動きにくいという側面はあろうが、それでも安倍晋三をはじめとした所属代議士連中も含めて林の3区鞍替えは山口県内の自民党のなかでは実質的に黙認されており、了解済み扱いなのだ。以前から河村が自民党山口県連のなかで浮いていたことは知られてきたが、芳正が3区に鞍替えした後の参議院ポストに細田派のメンバーを充てる等等の話とも相まって、たがいの利害を調整しながら河村一族(後継を希望していた息子も含む)を徒党を組んで排除する動きに発展しているのである。将来的に選挙区再編によって衆院ポストが4から3に減る場合、芳正は安倍兄弟との争いからは逃げ、次なる相手として高村の息子と対決するというのだろうか。情けないかな、人口減少が全国でも抜きんでているために議員ポストが減らされ、生き残りをかけて政治家の七光りどものつぶし合いみたいなことが連続しそうである。
目下、河村の危機感もすごいようで、地元に帰って朝から交差点で辻立ちをしていたり、これまでの殿様選挙からは一転、見たことがないような必死さが選挙区では話題になっている。いわゆる“泣きの選挙”を展開していくことは確実で、萩市長選と同様に“よそ者が選挙区を乗っ取りに来ている!”と地元意識を強調していくと見られている。一方で林派も10年がかりで後援会を組織しており、3区の有権者や企業関係に浸透してもいる。大票田の宇部においては宇部興産創業者の俵田一族出身者が実母ということもあって、企業城下町での影響力は絶大なのも事実だ。ただ、頭を下げることが苦手という難点を抱えており、これが3区を河村から強奪するという選挙の印象としてはあまりよろしくない構図のなかで、有権者からどう評価されるのかは未知数である。3区の有権者からすると「地元で安倍晋三とやり合うのが筋だろうが!」と思うのは当然なのだ。そのお墨付きをもらって河村の選挙区を乗っ取りに来る厚かましさみたいなものも滲み出ており、安倍派には遠慮している者が河村には居丈高というのも、格好悪いといえばだいぶ格好悪いのである。「やり合うなら安倍晋三とやれ!」は4区の林派の御大たちも口にしていることだ。
ところで、3区からは立憲民主党の女性候補者も出馬する。保守分裂になった場合、漁夫の利を得るのは常識的には彼女であり、5〜6万票でも勝機がないわけではない。保守分裂とはすなわち選挙区のオレのもの争いというだけで、とどのつまり議席の私物化争いに過ぎない。何か政策的に異なる主張を争っているわけでもないのである。同じ穴の狢(むじな)である自民党候補同士が、生き残りをかけて「この選挙区はオレのものだ」をやっているだけという大変くだらない構図に、冷めた視線を送る有権者も少なくない。たがいに自分のことばっかりで、有権者や国家国民のために何を為すかがまるで聞こえてこないのもそのためである。林か河村かという二者択一ではなく、これらもひっくるめた自民党による私物化争いの枠内に選挙戦を押し込めて良いかが問われている。
4区の有権者としては、林芳正には4区で挑んでもらい、首相お膝元での保守分裂戦をやってもらいたかった。中選挙区以来の白熱のバトルを見たかったし、現時点での両派の実力をご開帳頂き、本来ならゼロ打ちなんてできない安倍晋三の足下についても見てみたいという思いがあった。しかし、林芳正は安倍の地盤、看板、カバンには叶わないと怖じ気づいたのか、3区鞍替えの道を選んだ。置き去りにされた4区の林派がどうなっていくのか、安倍派との折り合い方にもおおいに注目したいと思う。
吉田充春
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