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聖火リレー“水鉄砲”事件で「五輪テロ対策」のズサンさ露呈…国民の不安は増す一方
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/291713
2021/07/10 日刊ゲンダイ
パラリンピックに向け警視庁が実施した警備訓練で要人を守るSPら(C)共同通信社
うわ言のように東京五輪の「安心安全」を唱え続ける菅首相だが、語られるのはコロナ対策ばかり。警備関係者の間ではテロ対策のズサンさが心配されている。
ただでさえ、国際的な注目が集まる五輪はテロの標的になりやすい。1996年アトランタ五輪ではメイン会場の隣接広場で爆弾テロが発生、2人が死亡し111人が負傷した。2014年ソチ五輪でも開幕目前に列車やバスを狙った爆弾テロが相次いだ。
「ローンウルフ」を警戒 |
東北地方の某県警関係者が言う。
「今月4日、茨城県内の聖火リレーで沿道からランナーに水鉄砲で液体を発射した50代の女が、威力業務妨害の疑いで現行犯逮捕された。水だからよかったようなもので、もしガソリンが聖火に引火していたら大惨事です。われわれが最も警戒しているのが、こうしたローンウルフ(一匹狼)型のテロ活動で、防ぐのが非常に難しい。菅総理は『安心安全』と繰り返す割に、テロの脅威に無頓着なように感じます」
警察当局は警備の規模や詳細を明らかにしていないが、すでに全国の府県警から集められた機動隊が五輪警備のために入京。コロナ禍は警備態勢にも悪影響を及ぼしているという。
「仮設待機所の4人部屋や8人部屋に詰めていますが、まだワクチン接種が終わっていない隊員もいるため、就寝時もマスクを外せない。食事は基本、弁当です。外出もできない環境で、早くも若手隊員の士気が下がってしまいそうです」(前出の関係者)
安倍前首相は17年に「東京五輪に向けたテロ対策」を理由に共謀罪を成立させたが、それはあくまで口実。コロナ対応で右往左往の政府を見ていると、テロ対策にまで目配りできているとは思えない。
「コロナ禍や災害対応にリソースを取られて、五輪にどこまで人員を回せるかという問題もあります。無観客で、選手がバブル方式で隔離されていれば、当初よりは警備がしやすいでしょうが、今回の五輪は歓迎されていない。コロナ禍で職を失った人もいて、五輪のために国民が犠牲になっているという反発もある。世論を無視して無理やり強行することで、五輪がテロや妨害行為の標的になる危険性が高まりました」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)
茨城の“水鉄砲事件”でも、逮捕された女は「オリンピック反対」と叫んでいたという。
ひとたびテロが発生すれば平和の祭典どころではない。日々、政権のポンコツぶりを見せつけられている国民の不安は増す一方だ。
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