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ワクチン3回接種「ブースターショット」は変異株の脅威にどこまで効果があるのか
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/291396
2021/07/03 日刊ゲンダイ
ファイザー製のワクチン接種を受ける女性(英、ロンドン)/(C)ロイター
新型コロナのワクチンを2回接種した人にもう一度ワクチンを打つ“3度打ち”の動きが海外で広がっている。英国政府は70歳以上の高齢者や医療従事者などを対象に9月から実施することを発表した。その後、50歳以上と16〜49歳などへ範囲を広げていく方針だ。
韓国政府も接種回数を1回増やす方法の検討に乗り出した。いずれも2度より3度というわけだ。加藤勝信官房長官も、3回接種の必要性について「ワクチンの効果がどの程度の期間持続するか、検討する必要がある」と会見で答えている。
どうして、こうした動きが出てきたのか。「理由は変異株への警戒感です」とは医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏だ。
「ファイザー、モデルナのワクチンは従来型や英国型ウイルスへの効果は95%とされていますが、インド由来のデルタ株には効果が不十分。そのため英国と韓国で感染が再燃している。そこで3度目の接種をすることで免疫効果を高めようとしているのです。どれだけの効果を発揮するかは実施してみないと分かりませんが、3回打つことでワクチンの有効性が高まるのは間違いありません」
規定の回数より多くワクチンを接種する行為は「ブースターショット」と呼ばれ、免疫効果を強化したり効力を延ばすために行われている。ハーバード大学院卒で近著に「元WHO専門委員の感染症予防BOOK」(三笠書房)がある医学博士・左門新氏によると、ブースターショットはワクチン接種が始まった数十年以上前から行われているそうだ。
「たとえばインフルエンザのワクチン接種は大人の効果は40〜80%ですが、2度目の接種をすれば10%アップします。子供の場合はもっと顕著で、最初の接種の2〜3週間後に2回目の接種をすれば30〜40%の効果が40〜80%に跳ね上がります。新型コロナについては、ファイザー社と英韓の両政府が2回の接種の効果が現行のワクチンでは1年以上続かないのではないか、またデルタ株への効き目が弱いのではないかと心配してブースターショットを検討したようです。当初の効力をさらに引き上げるのではなく、接種後に低下した免疫効果を再び押し上げるのがブースターショットの役割です」
注射するワクチンの量は1回目、2回目と同量。副反応も従来の接種と同じだから、とくに心配する必要はないそうだ。
日本での実施は?
いずれは日本でも3回打ちが実施されるのだろうか。
「日本はいま接種が遅れ、ワクチン供給も心配されているので、そこまで考える余裕はないでしょう。英国と韓国の結果を見て、効果があるかを見極めてから検討すればいいと思います」(左門新氏)
英国、韓国でどれだけ数字が上がるのか注目だ。
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