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「今こそ、スポーツの力で元気を」だと? ケッタクソ悪い 井筒和幸の「怒怒哀楽」劇場
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/291407
2021/07/03 日刊ゲンダイ
梅雨の長雨には読書が一番だ。だからまた、「大阪ことば事典」(牧村史陽・編)を開いてみた。事典を読んでいると頭がアンポンタンにならないからいい。だが、この国はいつの間にかケッタイな(変な、不可解な)ことになってきている。五輪デタラメ開催の強制執行だ。しかも観客を入れてやるのだと。結局、スガ首相が引き下がらないのだ。見事に感染爆発するんじゃないのか。こういういまいましいこと、縁起が悪いことを「ケッタクソわるい」といい、「卦体糞悪い」と書く。蹴った糞がそこにあったのが運の尽きだという意味ではないが……。で、テレビをつけたら、そのケッタクソ悪い顔をした五輪関係者が「今こそ、世界中の人々にスポーツの力で元気を取り戻してもらいたいし……」とデタラメを言うばかりで、本当に卦体が悪く耳がウジャウジャしてウンザリだった。スポーツなどと何の縁もない人間はきっと全国に何千万人といるはずだ。“オオタニ”にも“ナオミ”にも何も感じない我らみたいな者にはそんな「力」など知りようがない。もしも競技会場で感染が爆発したら、誰と誰がケツを拭いて責任を取るのか、それを先に言えというのだ。
27年前に出版された「全共闘白書」(新潮社)も取り寄せてみた。実は去年、編纂実行委の方から、分厚い「続・全共闘白書」を頂いて読了したからだ。120余の大学高校の闘争体験者から450人を超すアンケート回答集はすこぶる面白く刺激的だ。まだまだこの社会は捨てたもんじゃないと感じたが、やれ持続可能だ、やれ再生だ創生だ未来だといい加減なうわ言に惑わされてる場合ではないとも思う。変革の60年代が蘇る前編も読破したい。
「白書」を読む傍ら、ネット配信映画も見て、時代を戻そうかと思ったが、自分が見たい60年代後半のニューシネマはほとんど見当たらない。シュールレアリスム映画も好きなので、ルイス・ブニュエル監督の「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」(72年公開)も探したがなかった。なんて愉快なタイトルだろう。彼の社会を食った、人を食った作品はどれも最高だ。彼は神も仏も信じない芸術家だった。現実も宗教も彼にかかったらおしまいだ。たちまちメッキをはがされてしまう。DVDでしか見れないが、メキシコ時代に撮った「忘れられた人々」(50年)は非行少年たちを突き放して描いて冷酷無残だ。かと思えば、「自由の幻想」(74年公開)はケッタクソの現実をギャグ満載で、嘲笑ってみせてくれる。
今週は、五輪強制執行の中、そんなの知ったことかと性根の腐った経産省のクソガキ官僚2人が家賃給付金を泥棒してやがったことに、怒りが収まらないままなので、こんなケッタイな(妙な)話になった。
井筒和幸 映画監督
1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。
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