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ペルー発のラムダ株が“五輪上陸”する恐れ ワクチン効果5分の1の衝撃
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/291235
2021/06/29 日刊ゲンダイ
「ラムダ株」の威力はとてつもない(新型コロナウイルスで亡くなった人の葬儀をいとなむ家族ら=ペルー、リマ)/(C)ロイター
インド株を超える脅威となるのか――。南米ペルーで大流行している新型コロナウイルスの「ラムダ株」の威力はハンパじゃない。東京五輪を機に上陸する恐れが浮上している。
◇ ◇ ◇
ペルーは感染者数が200万人を超え、死者数は20万人に迫る。人口10万人当たりの死者数約600人は世界最多だ。昨年8月、同国で見つかったラムダ株が感染を広げている。今年4月以降の感染者の81%がラムダ株だった。
近隣のアルゼンチンやチリでも3割を占め、米国、ドイツ、イスラエルなど南米以外でもラムダ株が確認されている。15日時点で29カ国で見つかっている。
恐ろしいのが、ラムダ株がワクチンの効果を大幅に低減させる可能性があることだ。WHO(世界保健機関)は感染力の強さに加え、抗体への耐性を持つ恐れを警戒。ニューヨーク大の多田卓哉博士研究員も、これまでにない変異がみられることから、3〜5倍程度ワクチンの有効性が下がる可能性を指摘している。効果5分の1とは衝撃である。
差し迫ってからでは遅い。上陸阻止はまだ間に合う(田村憲久厚労相)/(C)日刊ゲンダイ
WHOは「警戒」も厚労省「様子見」 |
WHOは変異株を「懸念される変異株」(VOC)と「注目すべき変異株」(VOI)に分類しているが、14日、ラムダ株をVOIに指定した。厚労省も15日付の報告でWHOの指定を伝えている。
ところが、23日の厚労省専門家会議「アドバイザリーボード」の資料には、「VOI」のリストにラムダ株が載っていない。厚労省に聞いた。
「WHOがVOIに指定しても、すべてを紹介するわけではありません。もちろん、国内で確認されていなくても、リストに載ることはあり得ますが、現在、掲載されている株は国内で確認されたものばかりです。検疫の陽性者全て、国内陽性者の検体の5〜10%はゲノム解析を行っていますが、今のところ、ラムダ株は確認されていません。引き続き、情報収集を行っていきます」(結核感染症課)
差し迫った脅威ではないという認識なのだ。今月の空港検疫での陽性者145人のうち、ペルーからの渡航者は1人だけ。たしかに、今のところは地球の裏側の話だが、五輪が始まると世界200カ国以上から9万3000人が来日する。ペルーなどラムダ株流行国からの入国も予定されている。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。
「もし、既存ワクチンの有効性が大幅に低下するのであれば、ワクチン接種が進んでも、ラムダ株によって感染再拡大が起きかねません。厚労省の対応は従来通りのようですが、五輪を控え、今から、最大限の警戒を払うべきです。今から水際を強化すれば、上陸を食い止められます。すべての五輪関係者に対して、例外なく入国後14日間の待機が必要です」
ラムダ株を上陸させてはならない。
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