>>70 なるほど、「セントラルドグマ」とか「コロナウイルスは逆転写酵素を持ってない」とか 言って「遺伝子改変が起こり得ない」という話を見聞きしますが、「そうとは限らない」、 「あり得ないということは、あり得ない」わけですね。 全文↓ https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2020.12.12.422516v1.full.pdf は長いので、要約だけ訳出して見ました。 注)LINE-1 の LINE は「長鎖散在反復配列 = Long Interspersed Nuclear Element」の略語。 詳しくは Wikipedia などを見てください。 ============要約(アブストラクトと同文)引用開始============ Summary Prolonged SARS-CoV-2 RNA shedding and recurrence of PCR-positive tests have been widely reported in patients after recovery, yet these patients most commonly are non-infectious. Here we investigated the possibility that SARS-CoV-2 RNAs can be reverse-transcribed and integrated into the human genome and that transcription of the integrated sequences might account for PCR-positive tests. In support of this hypothesis, we found chimeric transcripts consisting of viral fused to cellular sequences in published data sets of SARS-CoV-2 infected cultured cells and primary cells of patients, consistent with the transcription of viral sequences integrated into the genome. To experimentally corroborate the possibility of viral retro-integration, we describe evidence that SARS-CoV-2 RNAs can be reverse transcribed in human cells by reverse transcriptase (RT) from LINE-1 elements or by HIV-1 RT, and that these DNA sequences can be integrated into the cell genome and subsequently be transcribed. Human endogenous LINE-1 expression was induced upon SARS-CoV-2 infection or by cytokine exposure in cultured cells, suggesting a molecular mechanism for SARS-CoV-2 retro-integration in patients. This novel feature of SARS-CoV-2 infection may explain why patients can continue to produce viral RNA after recovery and suggests a new aspect of RNA virus replication. =========要約(アブストラクトと同文)引用終了+訳出開始========== 要約 回復後の患者で、長期のSARS-CoV-2RNA排出とPCR検査結果陽性の再現が、広く報告されて いますが、多くの場合、これらの患者は「非感染性(他者を感染させない)」です。 ここでは、SARS-CoV-2 RNA が逆転写されてヒトゲノムに組み込まれる可能性と、組み込ま れた配列の転写が、PCR検査結果陽性の原因となる可能性を調査しました。 この仮説の根拠として、SARS-CoV-2に感染した培養細胞と患者の初代細胞の公開データ セットで、ウイルスの遺伝子配列が細胞の遺伝子配列に融合したキメラ転写物を発見しま した。この事には、ウイルスの遺伝子配列が、ゲノムに組み込まれて転写されるという 仮説と整合性があります。 ウイルス逆統合の可能性を実験的に裏付けるため、SARS-CoV-2 RNAが(ヒトゲノムの) LINE-1要素からの逆転写酵素(RT)またはHIV-1 RT(ヒト免疫不全ウイルス HIV-1 の 逆転写酵素)によって、ヒト細胞で逆転写され得ること、およびこれらのDNA配列が 細胞のゲノムに組み込まれ、その後、転写され得ることの証拠を述べます。 (ヒトゲノムに)内在するLINE-1の発現が、SARS-CoV-2 感染時、または培養細胞での サイトカインへの曝露によって誘導されました。これは、患者におけるSARS-CoV-2 逆統合の 分子メカニズムを示唆します。 SARS-CoV-2感染のこの新しい特徴は、患者が回復後もウイルスRNAを産生し続けることが できる理由を説明し、RNAウイルス複製の新しい側面を示唆している可能性があります。 ============要約(アブストラクトと同文)訳出終了============ ヒト細胞での「逆転写」に関連する話題を最近見たばかりなので、その記事も引用。 ==================引用開始==================== https://nazology.net/archives/91045/ 人間は「セントラルドグマ」を逆行できる可能性があると明らかに! RNAからDNAを作ることに成功 2021.06.16 WEDNESDAY Discovery Shows Human Cells can Write RNA sequences into DNA # 下の長い URL を短縮 -> https://bit.ly/2SdOtlZ https://www.jefferson.edu/about/news-and-events/2021/6/discovery-shows-human-cells-can-write-rna-sequences-to-dna.html Polθ reverse transcribes RNA and promotes RNA-templated DNA repair https://advances.sciencemag.org/content/7/24/eabf1771 https://nazology.net/archives/91045/3 人間は「セントラルドグマ」を逆行できる可能性があると明らかに! RNAからDNAを作ることに成功 (3/3) 2021.06.16 WEDNESDAY 今回の研究により、人間の細胞が持つポリメラーゼ・シータに、RNAからDNAを合成する能力が あることが示されました。 生命全体の設計図(DNA)に取り返しのつかない傷がついた場合、部分設計図(RNA)を元に 修復を行うという戦略は合理的と言えるでしょう。 ただ今回の研究で細胞に対して与えられたRNAは人工的なものであり、自然な生体内部で実際に RNAからDNAが合成されているかは、さらなる検証が必要です。 また外部的なRNAを元に合成・修復されたDNAが、核内DNA(細胞のゲノム)に取り込まれるかも 未知のままです。 ==================引用終了==================== つまり、コロナ感染後、あるいはコロナワクチン接種後に、体内で起こること/起こり得る ことは多岐に渡り、既に分かっている部分はわずかで、「メカニズムについての議論」から 安全性/危険性について確実な判断ができるのは、まだまだ先の話かと。 ゆえに、当面は、統計をきちんと取り、十分に分析することによるリスク評価の推進と公表、 および、健康被害と見られる事象への誠実な補償が、本来あるべき行政対応のはずですが、 まさにその点で、不信感を醸成するような出来事が多すぎる印象です。 ファイザー製については、「動物実験での基礎的な確認が不十分」という種類の話として 「投与後に成分が体内のどこに成分が分布するか」についての試験を、最終的なワクチン とは大きく違うものでしか、やっていない。」という内容の記事があるのも気になります。。 https://bit.ly/35CTR53 Did Pfizer Fail to Perform industry Standard Animal Testing Prior to Initiation of mRNA Clinical Trials? TrialSite Staff May 28, 2021 なお、ロシアの「スプートニクV」開発元+保健当局、ハンガリーでの「スプートニクV」 製造者が、「基礎的な検証を長年重ねてきた技術で製造したので「スプートニクV」は安全」、 あるいは「アルゼンチンやハンガリーでの統計上もそうだ」と主張しているということです。 ==================引用開始==================== https://jp.sputniknews.com/covid-19/202008177703188/ 世界初のロシア製新型コロナワクチン 基盤のプラットフォームは40年来の研究の成果 2020年08月17日 20:36 https://jp.sputniknews.com/covid-19/202103188236937/ 2021年03月18日 12:55(アップデート 2021年03月19日 04:16) 「スプートニクV」を開発したガマレヤ国立疫学・微生物学研究センターのアレキサンドル・ グンツブルグ所長は、血栓症はアストラゼネカ社が行なったワクチンの精製処理が不十分で あったことから発生した可能性があると指摘した。 https://jp.sputniknews.com/russia/202104158317894/ 2021年04月15日 07:00 ロシア開発のコロナウイルスのワクチン「スプートニクX」について連邦保健分野監督庁の アーラ・サモイロワ長官、接種後に血栓が生じたケースは1つもないことを明らかにした。 サモイロワ長官は、血栓の副反応がないことはアルゼンチン保健省も治験結果を公表した なかで確証していると述べている。 サモイロワ長官は「スプートニクXワクチンはクロマトグラフィーと精密ろ過膜の高技術を 使ったマルチステージ・クリーニングによって、血栓を引き起こすリスク要因である残留DNAが ワクチンに多く入り込むのを防いでいる」と強調している。 https://jp.sputniknews.com/covid-19/202104268345170/ 2021年04月26日 13:19(アップデート 2021年04月27日 00:06) ロシア製コロナウイルスワクチン「スプートニクV」の製造者は、ハンガリーでは 「スプートニクV」は最も安全で最も効果的と認められていると語った。 ==================引用終了==================== 現在、「スプートニクX」はEUでの使用許可申請が出されていて審査が進行中であり、 かつ、その審査は、欧米製ワクチンに比べて「非常に念入りに」行われているようです。 # 他のワクチンは基本的に「書類審査」でしたが、独自の試験や工場の視察もあるとか。 WHO が欧米ワクチン、中国ワクチンに出した「緊急使用許可」を「スプートニクX」には 出してないのも同様な理由のようなので、「世界で最も念入りに検査されたワクチン」に なりそう。日、欧、米のマスメディアでは全く報道されないので、情報源は偏ります。^^; ==================引用開始==================== https://jp.sputniknews.com/covid-19/202104278350826/ 2021年04月27日 23:56(アップデート 2021年04月28日 00:34) 欧州医薬品庁(ЕМА)はロシア製新型コロナウイルス用ワクチンの臨床試験の第1段階を終了 した。ロシアのミハイル・ムラシュコロシア保健・社会開発相が連邦会議付属ロシア法制 評議会の会合で発表した。 同相は、保健・社会開発省は現在報告を待っており、生産現場での検査を準備していると述べた。 EMAでは、4月に同機関の専門家らがワクチンの製造調査でロシアに向かうことを明らかにしている。 https://jp.sputniknews.com/covid-19/202104308356315/ 2021年04月30日 06:00 ロシアの国立ウイルス学・生物工学研究センター(ベクター)は新型コロナウイルス用ワクチン 「エピワクコロナ」210万回分超の生産を行なった。同製薬はロシア国内で登録された2つ目の 新型コロナ用ワクチン。同センターの代表を引用しロシアメディアが報じた。 すでにロシア国内では400万人超が「スプートニクV」の接種を受けている。ワクチンの接種結果 では、ワクチンの実際の効果は97.6%と報告されている。現在、「スプートニクV」は欧州医薬品庁 (EMA)で試験が行なわれている。 https://jp.sputniknews.com/covid-19/202105048363038/ 021年05月04日 02:32 世界保健機関(WHO)のマリアンジェラ・シマオ専門家は3日のブリーフィングで、WHOがロシア開発の コロナウイルスのワクチン「スプートニクX」の安全性についての評価を6月末ないし、7月にも出す 見込みであることを明らかにした。 シマオ氏によれば、WHOは5月10日から6月第1週にかけてスプートニクXの生産現場を査察する。査察対象 となる合計5つの生産現場のうち2か所は欧州医薬品局の専門家らと合同で査察を行う。 ==================引用終了==================== 補足:「エピワクコロナ」の記事:「スプートニクV」開発元とは別の研究機関による https://jp.rbth.com/science/84381-roshia-ni-syurui-me-shingata-corona-virus-vaccine-ga-touroku ロシアで2種類目となる新型コロナウイルスのワクチンが登録 2020年10月15日 ロシア・ビヨンド
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