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菅首相G7サミットでポツンとひとり…際立った薄すぎる存在
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/290508
2021/06/14 日刊ゲンダイ
ポツンとひとり(G7中継動画から)
まるで「借りてきた猫」だった。英コーンウォールで開催されたG7サミットで、国際会議デビューを果たした菅首相。しかし、最後までG7各国の輪の中に入れずじまいだった。
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さすがに、欧米のリーダーたちは、「何しに来たのか」と呆れたのではないか。
菅首相はサミット初日の討議を終えた後、自身のツイッターで〈G7としてしっかりと成果を残せるよう、明日も各国首脳の議論をリードします〉と意気込んでいたが、英国政府や米ホワイトハウス、日本の外務省の発表にも、菅首相が主導した形跡はゼロ。爪痕を残すどころか、サミットの様子を収めた写真や動画からは、存在感の薄さがヒシヒシと伝わってくる。
ホストを務めた英国政府の中継動画を見ると、韓国やオーストラリア、南アフリカのゲストを含めた記念撮影の終了後、菅首相は各国首脳の輪に入れず、首脳たちの後ろを一人寂しくトボトボ。初日に行われた英国女王との記念撮影でも、女王とマクロン仏大統領、メルケル独首相が談笑している後ろで、ポツンと突っ立っていた。
ああ、トップの外交力が…(代表撮影・共同)
国際舞台で浮きまくり
さすがに焦ったのか、サミットの最大テーマだった対中政策を巡っては気合十分。中国が触れて欲しくない新型コロナウイルスの「起源調査」にも賛同した。
しかし、ここまで米国に従って、「中国包囲網」に突っ走ったのは、日本くらいだ。欧州各国は「米国と提携せず、中国のしもべにもならない」(マクロン)、「われわれの利益は米国とは全く異なる」(メルケル)とバランスを取っている。
サミットでは中国の「一帯一路」に対抗しバイデン米大統領がインフラ構築の新構想「ビルド・バック・ベター・ワールド(より良い世界の再建)」を打ち出したが、本来、日本は中国との経済関係も重視せざるをえない立場のはずだ。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)がこう言う。
「バイデン政権は中国依存から脱するため、デカップリング(切り離し)も辞さない姿勢です。一方、日本は輸出入を中国に大きく依存しています。米国に付き従う一方、中国とは切っても切れない、どっちつかずの状況に陥っているのです。本来ならサミットで唯一のアジア代表として米中の『懸け橋』となるべきですが、菅首相はそんな胆力を持ったリーダーではありません」
国際舞台で浮きまくりの首相に、交渉力を期待できるはずがない。
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